※二度目の合コン の続きです。
今日は金曜日。
前回の合コンから既に1ヶ月が経っていた。
あ~あ、今日も遅くなっちゃった。せっかくの花金(死語)なのに~。
自宅の最寄り駅で下車した私は腕時計を見ながら歩く。もうすぐ12時を回りそうだ。
どうにか終電は免れたが…。明日が休みでよかった。一日中家で寝ていよう。
ブルブルブル…
あ、メールだ。
私はバッグの外ポケットから携帯を取り出した。
先日の合コンで一緒だった、リョウコからのメールだ。
件名:ご報告☆
本文:カトリくんと付き合うことになったの
えええっ!?
先週だっけ?デートするって報告受けたの。早っ!
驚いたのはそれだけではない。
つまり…リョウコは容姿・性格ともレベルが高いのだ。
それに対してカトリくんは、失礼だがそれほどモテるタイプには見えなかった。
あ、これってあくまでもリョウコとの相対的な話であって、カトリくんは気立ての良い青年なんだけど。
…フォローになってない?ごめんねカトリくん
(;^_^A
本文:カトリくんと付き合うことになったの。彼、電話とかメールとかデートとか、すごく一生懸命になってくれて、なんか可愛いなぁと思っちゃって
出た!マジカルワード!
一生懸命になってくれる
ここがポイントだ。
かつて数多くの合コンをこなし、合コン女王と呼ばれた私は、何度かこういう奇跡に遭遇してきた。
周囲が認めるハイスペックな女性を、あまりモテそうもない男性が見事に射止めてしまうという奇跡である。
彼らは狙った獲物に一極集中で
相手がどう思っているかはおかまいなしに
好きと言う気持ちを全面に押し出してアタックしてくる。
彼らの辞書にはカケヒキなどという言葉はない。
この前は僕から連絡しちゃったから、次は相手から連絡がくるのを待ってみようかな…
などという悠長なことは決してしない。
常に押し!押し!押しの一手である。
その様子はハタから見ていても暑苦しいほどだ。
でも、彼らは確実に狙った獲物をゲットする。
時には今の彼氏と別れさせてまで相手を振り向かせる。
そう。彼らは相手に彼氏がいるかどうかなどお構いなしなのだ。
でも元来、女性は押しに弱いものだ。常にこういう男性が現れるのを待っている、とも言える。
彼らこそ、奥手な男性が増えてしまった現代における勝ち組なのである!!!
\(゜□゜)/
そうか~。カトリ君もそのクチだったかぁ。
…あの渋谷の店のセレクション、タダ者じゃないとは思ってたけどね。
私は妙に感心した。
家に着いたらリョウコにさっそく「おめでとう」のメールを送ろう。
家路を急ぐ私に、もう一通のメールが届いた。
前回の合コンで知り合ったササキさんである。
件名:こんばんは
本文:今日は仕事が早く終わったので2本続けてDVD見ちゃいましたヨン
(^◇^)けっこう面白かったです
…ふ~ん。そっかぁ。
こういう日記系のメールにはどう返信していいか困ってしまう
( ̄_ ̄ i)
ササキさんとは合コンの後、既に2回デートしていた。
2回とも新宿で、一緒に飲んだのだが
一言で言うと「盛り上がらない」
(-。-;)
私は営業という仕事柄から、話を適当に盛り上げる術は心得ている。
なので、2回ともそれなりに会話が続くように努力した。
どうしたのかと言うと、私から彼に向ってひたすら質問を投げ続けたのである。
この方法だと、表面上は会話が盛り上がったように見える。
もしかしたらササキさんは楽しんでくれたのかもしれない。
でも私はというと…疲れた。
仕事でもないのに延々と質問というボールを投げ続けるのは疲れる。心が筋肉痛になる。
…申し訳ないけど、このメールには返信しないでおこう。
空を見上げると満月がポッカリ浮かんでいた。
お月さま、心が筋肉痛にならない相手を一名、きららまで至急お届け願います!!!
お月さまが「ククッ」と笑った気がした。
きらら、まだまだ努力が足りないよ って。
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読んでくださってありがとうございました。
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