「Dynamite!! ~勇気のチカラ2009~」青木選手の試合を皆様のコメントから考える | RE:SUKI

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考えましょう

昨日から、格闘技ファンの熱い想いを見せて頂きました。コメント欄でのお話ですが、レベルの高い議論がされています。コメントを下さった皆様、そして外部の一ブログであるにも関わらず、記事をサイト内でご紹介下さったスポーツナビのスタッフ様に感謝します。


議論されている内容は、「Dynamite!! ~勇気のチカラ~」の青木選手の試合についてです。試合内容、そして精神論など、様々な面を語って下さる方がいて勉強になりました。


私の視点の狭さばかりが目立つ記事でしたが、皆様のコメントで記事内容はかなり充実したものになったと思っています。感謝です。


全ての方のコメントを拝見しましたが、全てを書き出すことは出来ませんので、同じ方向性の意見やポイントをまとめ、私なりに考えてみたいと思います。(スペースの都合上文章をまとめています)



◆1.「躊躇(ちゅうちょ)なく折った」ことについて

 ①腕を折った青木選手に責任がある

  ・なぜレフリーにストップをアピールしなかった?

  ・廣田選手が意地でもタップしないことは想像できた

  ・確信犯?

  ・折る必要性が本当にあったのか?

   

 ②腕を折った青木選手に責任はない

  ・彼自身いつでも折られる覚悟があり折ってる
  ・ルールの範囲内であり、選手はその責を問われるべきではない

  ・力と力の勝負は選手双方の合意に基づくもの

  ・折る気かどうかは関係ない →関節技がかけられないことに繋がる

  ・怪我をさせずに綺麗な勝ち方を目指す人もいるが、出来るならば格闘技の試合はしない

 

 ③ストップしなかったレフェリー・ジャッジの問題


 ④タップしなかった廣田選手・セコンドの問題

  ・「極まっているのに参ったしない」 →折られるのは当然?


 ⑤運営サイドの問題

  ・疑問:主催者側が説明する必要性は?
   例)三崎選手と廣田選手のストップなどタイミングの差など

  ※運営の見解: 遺恨は試合後ノーサイド → 厳重注意へ

   ・これからも問題に向き合っていくと笹原EP

    http://gbring.com/sokuho/news/2010_01/0101_dynamite_02.htm



◆2.中指を立てる挑発行為について

 ①批判

  ・欧米では下手をしたら殺されかねない行為

  ・相手選手に失礼

  ・腕が折れ弱っている相手に何をしても良いのか?


 ②疑問

  ・海外の試合でもあること → 騒ぎ方が異常
  ・躊躇無くとどめを差すことと試合後に相手を侮辱する行為は分けて論じるべき

  ※概ね、良い行為と感じていない方が多いようです


◆3.格闘技について

 ①喧嘩や果たし合いではなくあくまでルールのあるスポーツ

 ②スポーツ的な感動だけを求めると格闘技が持っている力が無くなる
 ③打撃系格闘技の攻撃は生命の危機・体への障害など危険性あり

    → 他の格闘技にも同じ危険があるのは当たり前?

 ④先輩達のスポーツとしての格闘技が一般に認められ、今がある
 ⑤力を誇示する者は力に溺れる → いつかは負ける
 ⑥相手に怪我をさせる行為 → スポーツだから仕方がない

 ★「精力善用 自他共栄」

柔道の創始者である嘉納治五郎が述べた言葉で精神修養としての道を説いた有名な言葉。

精力善用とは、己のエネルギーを最大限に生かし,柔道を練習することによってしっかりとした健全な気力を養うことを求めている。 自他共栄とは、相手を敬い,己の技を磨かせてくれた相手に対し感謝をすることによって礼の精神を身につける。それにより,相互を信頼し助け合う心を育ち,結果として共に大きく成長することができる。自分だけでなく,他人も共に栄える世の中を作っていこうということ。 柔道をするということは,技を磨いていく中で,精神的にも肉体的にも成長することを目標とし,また身体と精神を最も有効に働かせることを目標としている。本来の柔道の目標,柔道の精神は決して忘れてはならない。


  「精力善用 自他共栄」 忘れないようにしたいものです



◆4.今後について
 ①厳重注意だけで良いのか?

 ②今後も世界などで活躍して欲しい

 ③お客さんあってこそのプロ格闘家である
 ④プロは客を気持ちよくさせるものである

 ⑤プロレスではないのでヒールは無理

 ⑧強すぎるのでリングで倒せない → 謹慎もしくは無期限出場停止
 ⑨「刺せって言われれば、谷川さん(K-1)でもやる!!」の真意は?



◆5.みなさんの感じることの中、気になった点
 ①格闘家の人格が信用できなくなる

 ②がっかり
 ③青木真也の出演番組は見たくない

 ④真面目にやっている選手達が可哀想

 ⑤別の格闘技である亀田選手との比較

 ⑥試合前と試合後の意見が変わる青木選手は子供



まとめ方がヘタなもので、わかりにくいとは思いますが、上記のような内容が書き込まれていました。これらを見た時、私の中の考えにも色々と変化がありました。


当然、ここに書かれることが全てではありませんが、これら1つ1つに同意する部分や出来ない部分が皆様にもあると思います。また関係者も、何か感じる部分があるのではないかと思います。


皆様もご存知のとおり、運営サイドは、格闘技としての本質を追求することがメインの活動ではありません。その収益により、関係者や出場する選手の生活を潤わせ、その中でファンに楽しみを提案しています。


逆に考えれば、ファンがいるからこそ生活ができるわけです。


それを考えた時、私のブログ記事にコメントを書いて下さったファンの皆様のお話は、とても重要な言葉に思えました。ですので、まとめてみようと思いました。


これらの言葉に注目しないことは、非常にもったいないと思います。

今後の格闘技界を考える上で、とても大切な言葉が多くあります。


私個人は、長年に渡っての格闘技が好きなただの一ファンであり、もちろん、この業界の衰退を望むところではありません。実際に戦極やDREAM、今年は行きませんでしたがDynamiteを現地まで見に行きました。総合格闘技が好きです。


ですので、近年の不況下における格闘技界の衰退は、とても残念です。そのような中起こった、格闘技自体を再考させるほどの今回の出来事に、興味が沸くのは自分でも自然ではないかと思っています。


今感じることは、腕が折れた選手へ青木選手が中指を立てなければ…(現在、試合後の行為について、ご本人は謝罪されています)という面と、ジャッジがもう少し早く止めれたらという面が気になっています。


表情や極まるポイント・時間などジャッジにも難しい面はあるのでしょうが、この競技の中、なぜジャッジがいるのかを考えると、難しくて判断出来ないでは、命をかけて戦う選手を守ることは出来ないわけです。


故意にではなく怪我をさせるということは、他のスポーツでもあります。

逆に故意に怪我をさせることもあります。(デッドボール・肘うちなど)


今考えていることですので、明日には変わるかもしれませんが(優柔不断です)、今回の件を受けて、ジャッジの重要性を再考するべきではないかと思いました。何が起こるか分からない危険な場所だからこそ、中立的な第三者はとても大切な存在だと思うのです。


青木選手の試合後の挑発行為は、多くの格闘技ファンにとっては受け入れられるものではありません。しかし、そこに至った経緯を考えることで、別の視点が見えてくることも事実。多くの方の意見の中に、その部分を見つけることが出来ます。


コメントや意見に耳を傾けることで、何が本当にベストであったのかを、運営サイドには考えて欲しいと思いました。今後、青木選手や運営サイドはこの件を避けていくことは出来ないでしょうから。


ファンはいつもあなた達を見ています



■Shinya Aoki vs. Mizuto Hirota (Dynamite!! 2009)


■韓国版

http://www.youtube.com/watch?v=ot7XK_C3uWQ