「Dynamite!! ~勇気のチカラ2009~」青木選手の試合の感想 | RE:SUKI

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考えましょう

「Dynamite!! ~勇気のチカラ2009~」の感想を書きます。2009年12月31日、さいたまスーパーアリーナで行われた試合についてです。45,606人という大盛況の中、17試合が行われました。


「DREAM vs 戦極(SRC)」の対抗戦については、所属する団体の選手が、団体の誇りとプライドをかけて戦う意地を、試合の中でに見ることが出来ました。


中でも、大将戦の青木真也と廣田瑞人の戦いでは、選手の感情を強く感じるシーンがありました。海外の格闘技ファンにも、それを感じた人々が多く、某動画サイトではこのようなコメントを見ることが出来ました。


"Look at the dirty jap. "

"Shameful sportsmanship."


「Dirty jap」は素晴らしい日本人という意味ではないわけでして、「Shameful sportsmanship」は素晴らしいスポーツマンシップという意味でもないわけです。批判コメントです。



■Shinya Aoki VS Mizuto Hirota




(試合の経緯)

青木選手は1ラウンド、フェイントからタックルに入り廣田選手をテイクダウン。右手を背中側から左に腕関節を極め、動けない状態にしたまま顔面へ打撃攻撃を展開。青木選手優勢の状態のまま、右手をアームロックで折り、勝利しました。


注目されているのは、試合終了後の青木選手の行動について。

腕が折れ動けない相手に右手中指を突きつけた行為です。


"Fuck You!" という意味のサインであり、喧嘩ではない格闘技というスポーツの中での行動には、「ふさわしくない」と感じる方が多いようでした。確かに、腕を折られ動けない相手に「くそくらえ!」と意思表示をすることのイメージはよくないわけです。


ただ、今回の青木選手の行動の裏にはある感情があったことも事実。青木選手の勝利者インタビューを一部引用します。


(Q:会心の一本勝ちでしたが、今のお気持ちは?)

 「DREAMが勝つことができてよかったです。SRCを終わらせてやったから、まあ最初から終わってるんですけど。」



「SRCを終わらせてやったから、まあ最初から終わってるんですけど。」


この言葉が意味する部分は、戦極(現SRC)への強い対抗心です。

ここまでの対抗戦の試合結果は、4勝4敗の同点でした。


選手の心境は、大将として結果を出すことだったのではないでしょうか?

それは勝利した青木選手だけではなく、廣田選手も同様だったでしょう。


限界にまで高めていた闘争本能が爆発した結果、試合後の挑発に繋がったように思えました。再び、試合後コメントからの引用になります。


(Q:フィニッシュの感触はどんな感じだったんですか?)

 「極めた時点でバキバキって鳴ってたんですけど、こいつタップしないなと思って、まあそれが彼の意地だったんでしょうけどね、だから躊躇(ちゅうちょ)なく折りました。」


(Q:折れたような感触はあったんですか?)

 「そうですね、パコーンと音が鳴ったんで「折れたな」って。倒れても止められちゃったんですけど、抜けてもよかったとは思ってました。」


(Q:抜けたっていうよりも折れた感じ?)

 「抜けたというか、折れたというか。」


(Q:相手を骨折させたことは初めてではなかったと思いますが、同じような戦略、同じような音だったんでしょうか?)

 「いや、まったく違いますね。前はアクシデント的な感じで、まあ壊す技なんですけど、今回は確実に折りにいきました。」



「今回は確実に折りにいきました。」


スポーツとしてではなく、生きるか死ぬかの戦いとして、相手の息の根を止めたということです。格闘技がスポーツではないとするなら、この行動に異論は出ないでしょう。


しかし、みなさんもボクシングなど格闘技の試合を目にしたことがあるとは思いますが、選手は試合前と試合後に挨拶を行います。礼に始まり礼に終わることは、柔道や剣道など、日本の格闘技の基本です。


青木選手自身もそれを感じています。



(Q:対抗戦が青木選手の前までで4勝4敗という形でまわってきて、どういう気分でした?)

 「ぴりぴりしたというか、まあ久しぶりに緊張しましたね。」

(Q:試合で一本勝ちしたときかなりエキサイトしてましたが、普段の試合と何か違うことはありました?)

 「試合終わった後に、ちょっと興奮して失礼な態度をとったことは素直に詫びたいです。本当に興奮する試合でした。」


大将戦の緊張感から興奮してしまい、失礼な態度を取ったことを詫びています。この発言を聞くと聞かないとでは、印象が変わります。


恐らく、海外の方々の見る目も少しは変わるような気もします。

それでも負傷した相手に中指を立てる行為は許されないでしょうが…


ヒールというのはプロレスの世界では重要な役所ですが、青木選手は今後そういう路線で、格闘技界を盛り上げて欲しいと思いました。実力者ではあるのですから、今回の出来事を背負い、世界の舞台へと昇って欲しいです。良い悪いは別にして、確実に注目度は上がりましたよね?


はじめて格闘技を観る人はドンビキだとは思いましたけどね



(参考)
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/fight/other/live/2009/2009123101/14.html



■「Dynamite!! ~勇気のチカラ2009~」青木選手の試合を皆様のコメントから考える

http://ameblo.jp/sukinakoto/entry-10424983133.html#c10579004408