自民党の迂回献金問題が新たに浮上。というか、以前からこのような行為はあったわけですが、西松の流れからなのか、新たな問題として指摘されています。
ダミー会社を使っての迂回献金が行われていました。この迂回献金を行っていた会社は、商品先物取引会社「オリエント貿易」。
「商品先物取引」と聞くだけで、拒絶反応を起こす方も多いかもしれませんが、騙されたと感じている人が多い会社のようです。「オリエント貿易・詐欺」でインターネット検索をすると苦情がゾロゾロ出てきます。「悪徳」でも同様です。
問題の政治家は以下の２人。それぞれが発言を行っています。
■与謝野馨財務・金融・経済財政担当相
「政治資金規正法に違反している認識はなく、返却もしない」
「政治団体がどのように資金を集めていたか全く知らなかったし、その当時は知る必要性も感じていなかった」「閣僚就任とともに献金は終了した。陳情は一切なかった」「問題がはっきりした段階で対応する」
■渡辺喜美元行政改革担当相
「浄財だという認識でいただいていた。父の時代のお付き合いがそのまま続いた。違法性の認識はまったくない」「そういう認識はまったくない。個人の献金をもとにお金を集めている団体だという説明だった」「うかつだった。被推薦人の届けを出していることは今回初めて分かった」「不正を働いていたということになれば、責任の取り方としてお金はお返しする」
□自民党の細田博之幹事長
「政治資金収支報告書を調べようと思う」
□麻生首相
「基本的に与謝野氏の考え方でいいんじゃないか。特にやましいことはないと思っておられるんだろう」
その仕組みは比較的単純です。
政治団体「政経政策研究会」が中心となり迂回献金が行われています。
■仕組み
（企業献金用の会社）
商品先物取引会社「オリエント貿易」＋関連会社４社
◇１９９２年～２００５年 与謝野氏側へ計５５３０万円
◇１９９５年～２００５年 渡辺氏側へ計３５４０万円
（毎年行われていた事実）
幹部社員約２５０人の給与から約４０００万円を天引き
⇒寄付金からの所得税控除を利用
※個人献金をした場合、寄付金の約４割が確定申告後に還付
◇４０００万円は「政経政策研究会」へ
■政治資金規正法（第三者名義の寄付・企業献金禁止）に違反？
◇政治資金規正法 第２２条の６
何人も、本人の名義以外の名義又は匿名で、政治活動に関する寄附をしてはならない。
☆罰則 ⇒３年以下の禁固または５０万円以下の罰金
◇企業・団体から政治家の資金管理団体への献金
☆２０００年から全面的に禁止
■政経政策研究会（政経会）※所在地「オリエント貿易（株）内」
⇒１９８１年に与謝野氏が後援団体として届け出
与謝野氏が２０００年の衆院選で落選
⇒２００１年に渡辺氏が後援団体として届け出
◇１９９２年～２００５年
資金管理団体「駿山会」（与謝野氏）へ
１年間で２５０万～６５０万円を献金
◇１９９５年～２００５年
資金管理団体「温故知新の会」（渡辺氏）へ
１年間に１００万～６００万円を献金
■商品先物取引会社「オリエント貿易」
２００７年 エイチ・エス証券の完全子会社
２００８年 エイチ・エス・フューチャーズに商号変更
民主党の鳩山代表は、「説明責任を果たせ」と伝えています。しかし、その民主党の小沢さんの西松問題は、未だ闇の中です。「天の声」はなかったと小沢さんは発表しましたが、西松社員の話を総合すると、あったとしか思えないわけです。
いつも元気な鳩山代表以外の民主党がトーンダウンするのは、仕方がないことかもしれません。
今回のケースと西松問題との違いは、積極的な政治家側の要求による献金があったことが、証明されていないということです。西松事件は、裁判の中、西松建設幹部から多くの発言が出ています。
「政治資金を集めなければ政治は出来ない」という誤魔化しを、豪邸に住み、一般的な国民とは異なる裕福な生活を行っている政治家に言われ、変に納得してしまいがちな私たちですが、実際には私腹を肥やす為に、様々な手を使っているだけです。
今回のケース、知らない間に寄付金を給与天引きされる社員から、政治家への寄附のお話ですが、お布施か何かですかね？宗教っぽくもありますが、政治家は、いつものように「知らなかった」と伝えています。
さて、今回の件も、「法律上問題はない」でおしまいでしょうか？
９０００万円という数字も出ていますので、規模は大きい話ですが。
この時期ですから、総裁候補者潰しという見方もできるようです
■与謝野晶子 歌集：みだれ髪