【読書日記】いきなり多くを求めず、足るを知るべし－「努力しない生き方」

おはようございます。
本日の1冊はコチラ↓

「努力しない生き方」　桜井章一　集英社新書

以前ご紹介しましたが、今回久しぶりの「本魂！」一斉レビュー参加
のため2度目のご紹介です。

（前回記事）
http://ameblo.jp/sugiyuzu/entry-10539470932.html

前回は、自分で自分の幅を決めず多面的に生きる、ということに焦点を
置いて読み、記事を書きました。

今回は「足るを知る」という点に注目してみます。

「知足（ちそく）」
身の程をわきまえて、むやみに不満を持たないこと。

辞書を引くと、このように説明されています。
足るを知る、つまり十分足りていて不足していないことを自覚すること。
そうでないと、つい「もっと、もっと」と思ってしまいます。

桜井さんは、本書でこのように書いています。

「本書で私が述べたかったことは、この足し算の生き方とは違うまったく
新しい可能性を持った生き方である。それは、足していくことを止めて、
反対に足したものを引いていくような引き算的な生き方だ。」
（「はじめに」より）

足そうとする、つまり「もっと」求めるのではなく、そこから一歩引いた立場
に立ってみることが「引き算的な生き方」です。

それは、変に力まず、自分に正直になることだと思います。
求めるとは、そもそも自分にないものだから求めるのです。
「もっと」と求めると、そこには無意識に力が入ります。

「恋愛や趣味に一生懸命になっている人は『力』なんて入っていないし、
『努力』もしていないだろう。」（P18）

自分を振り返るとわかりますが、本当に一生懸命のときって力が入って
いないと思いませんか？
だから疲れないし、楽しいと思って続けられます。

楽しいと思うことには、自然と一生懸命になれるし、そこには精一杯という
概念は抱いていないのではないでしょうか。
そして、何かを得るという打算的な考えも毛頭ないです。

「『足し算』的人生を追っている限りその人は、『得る』ことにとらわれている。」（P27）

趣味を探すのに一生懸命になっている人。
恋愛そのものではなくモテることに一生懸命になっている人。

何かを得ることだけを目指していると、それ以外に目がいかなくなります。
だから、変に力が入って、上手くいかないことが多い気がします。

私も少し前まで、趣味といえる趣味もなく、今もあまりないのですが・・・
それでいいのかな？と思えるようになりました。

いろいろな人に会って話をしていると、案外自分も捨てたもんじゃないって
ことに気付いたからです。
と、自分で言うのは恥ずかしいのですが・・・
自分だけで抱えていても、自分のことは自分じゃわからないんです。

人は様々な経験をして、それぞれ違った生き方があります。
だから、人の話を聞くと、違った経験談だったり、考え方だったり、
自分も人と違うものを持ってるんだな～。
って気付けたら、肩の力が抜けた気がしました。

自分が好きなことは、誰かの役に立つ。
誰かの役に立つものを求めるのではなく、それは既に持っている。
案外、これに気付かないものです。

「足し算で生きている人は慢性的に『足りない』という気持ちに追われる
わけだが、それにとらわれるあまり、すでに『足りている』部分を大事に
しなくなる。足し算の人生の落とし穴はそこにある。」（P52）

足し算の人生は、自分自身に不満を持つこと。
それってさびしいし、つまらない。
人を大切にすることも、優しくすることも大切です。
でも、それは自分を大切にしたうえで成り立つこともあります。

まずは、今の自分自身を大切にすること。
それが必要ではないでしょうか。