私の代役で | 森岡利行オフィシャルブログ「監督日誌」powered by Ameba

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脚本家
舞台演出家
映画監督
プロデューサー
文教大学情報学部メディア表現学科非常勤講師

重松が演出してみた。


森岡利行「監督日誌」




森岡利行「監督日誌」



重松「だめだな……もっとセリフに意味を持たせてくれる……

 比喩っていうか、メタファーとして言ってくれなきゃ、

 テキストの裏にあるサブテキストを読み込んで、

 ショートカットしてくれる?」



ちなみ「あの……よくわからないンですけど」



重松「だから、存在としての君が輝いてくれればいいんだよ」





森岡利行「監督日誌」



ちなみ「相手役のお腹の中まで台本を読み込めってことですか?」


鯨井「うん……そうじゃない……たぶん」


重松「指をさすな指を……なんで演劇ってみんな指さしたり、

 腕を組んだり、腰に手をやったりするンだ……」





森岡利行「監督日誌」




ピグモン「それは……私は今演技してますよっていう演技になってる

 からじゃないかしら」


重松「演技をするってことは……つまり……演技しないってことなンだよ」





森岡利行「監督日誌」


住吉「明日は映画の初号試写会なので、

 稽古、休みます」


ピグモン「楽しみだね」




森岡利行「監督日誌」


ちなみ「演劇って縛りが色々あって面白いですね」


住吉「どーいう意味?」


ちなみ「だから、俳優が自分の持ってる力を

 最大限に発揮するのは、演出家に追い込まれたときとか、

 プライベートでも最悪の時だったりするンじゃないですか」


住吉「そーなの?」


ちなみ「たぶん……てっぺんにいっちゃってる人って、

 ぜったい、そういう危機一髪的な……なんていうか、

 切羽詰まった緊張感の中から出てくるパワーとか

 エネルギーに押し出されるように生まれてくると

 思うンですよ」



住吉「へーえ、ちーちゃんってそんなこと考えてるンだ?」



ちなみ「考えて考えて……少しづつですけど……前に進む

 ……だって、考えるのと悩むのとは違うと思うンです……」



住吉「どーちがうの?」



ちなみ「悩むっていうのはなんか、その場で立ち止まってるカンジで、

 考えるっていうのは前に進んでいるカンジがしませんか?」



住吉「まぁね」



ちなみ「まぁ……そんな難しい話しはどーでも

 いいから飲みましょ、飲みましょ!」



全員「おー!」



住吉「……だよ、自分で難しい話ししといて」



本番まであと、7日!