全身性エリテマトーデス・SLEと便秘:胃腸炎に伴う便秘の予防と治し方


「便秘の解消法: 女性の便秘解消対策、便秘・慢性便秘の予防と治し方」 20代から30代の若い女性に多い膠原病の一種に、全身性エリテマトーデス(SLE)という病気があります。顔の頬や鼻に広い範囲で紅斑(赤い湿疹)がみられ、また、発熱、疲労感、倦怠感などの全身症状とともに、手指などの関節痛や関節炎、皮膚炎、血管炎、心肺症状、神経症状、腎臓障害、などを伴うこともあります。全身性エリテマトーデス(SLE)では、また、高頻度で便秘などの胃腸障害も生じます。全身性エリテマトーデス(SLE)で、便秘が生じる原因には、腸管の血管炎または腸の蠕動運動が減少するためと考えられています。また、全身性エリテマトーデス(SLE)の治療に、内服のコルチコステロイド(副腎皮質ステロイドホルモン)を大量に投与するパルス療法がよく用いられますが、ステロイド治療によっても、副作用としての便秘が引き起こされます。全身性エリテマトーデスでは、便秘の原因でもある腸内環境を整えることによって、免疫力を維持することが大切です。ここでは、全身性エリテマトーデス・SLEと便秘についてお話します。


全身性エリテマトーデス(SLE)は、発病原因が不明な病気である膠原病の一種で、関節リウマチ、シェーグレン症候群に次いで多い病気です。現在、日本において、潜在的罹患者を含めますと約10万人の人が全身性エリテマトーデス(SLE)であるといわれています。年齢別にみた全身性エリテマトーデス(SLE)の罹患者は、10代から60代と広くなっていますが、全身性エリテマトーデス(SLE)のほとんどは女性で、その男女比は、1対9となっています。すなわち、全身性エリテマトーデス(SLE)の90%は女性となります。しかも、女性において、そのほとんどが、20代から30代の若い女性にみられる病気です。


人間ドックや病院の血液検査で、抗核抗体の値が高いと告げられた20代または30代の女性、きっと多いことと思います。20代から30代の若い女性で、抗核抗体の検査値が高く、また、皮膚症状や関節症状があれば、全身性エリテマトーデス(SLE)の罹患が疑われ、さらなる検査が行われます。全身性エリテマトーデス(SLE)は、慢性、多臓器性、自己免疫疾患病因の可能性が高い炎症性の病気です。


全身性エリテマトーデス(SLE)は、全身のさまざまな臓器に炎症が起こるため、その症状も多種多様です。発熱、倦怠感、疲労感などの全身症状に加え、関節痛および関節炎、顔の頬およびその他の皮膚発疹、便秘などの胃腸障害、胸膜炎または心膜炎、腎障害、中枢神経系障害、血液学的な血球の減少などの症状が現れます。


関節症状は、発病の初期段階からみられ、関節痛やこわばりが起こります。また、腕や足の筋肉痛が起こることもあります。全身性エリテマトーデス(SLE)の関節症状においては、関節リウマチのような関節の変形や骨破壊までは進行しないです。皮膚症状として特徴的なのは、蝶型紅斑とよばれる皮膚の発疹で、鼻を中心として両側の頬に赤い発疹が広がります。紅斑は、頬だけでなく、耳、首のまわり、胸、指や手のひらにも現れます。また、手や足の指に、レイノー現象が現れます。冷たいものを触ったり、緊張しますと、手足の指が白くなり、やがて赤色や紫色に変化します。頭部の毛根付近の血管が炎症を起こしますと、脱毛が起こることがあります。胃腸の血管に炎症が起こりますと、便秘、腹痛、嘔吐などの消化器症状が現れます。また、全身性エリテマトーデス(SLE)では、腸の蠕動が減少するために、これによっても、便秘が引き起こされます。心臓や肺の炎症によって、胸の痛み、息切れ、動悸、息苦しさなどの症状が現れたり、呼吸が乱れたりします。全身性エリテマトーデス(SLE)では、高頻度で腎障害もみられ、腎機能が低下します。尿たんぱくが検出され、腎機能の低下による足や顔のむくみがみられたり、血圧が上昇したりします。全身性エリテマトーデス(SLE)では、うつ状態、興奮状態、不眠、情緒不安定、錯乱状態、痙攣、意識障害などの精神神経症状も現れることがあります。さらに、血液学的な徴候として、赤血球数の減少による貧血症、白血球数の減少による感染症がみられることがあります。血小板数も減少することがあります。


このように、全身性エリテマトーデス(SLE)の便秘は、その病気によって、腸管の血管が炎症を起こすために(腸管血管炎)、腸の蠕動運動が抑制されて引き起こされます。また、全身性エリテマトーデス(SLE)では、精神神経障害も生じます。腸管の蠕動運動は、交感神経系によってコントロールされていますので、神経障害を原因としても、便秘が生じることになります。


全身性エリテマトーデス(SLE)の診断は、米国リウマチ学会の診断基準(1997年改訂基準)に従って行われます。診断基準には、以下の11項目があって、そのうち4項目以上を満たす場合、全身性エリテマトーデス(SLE)と診断されます。ただし、診断基準を直接満たしていない場合においても、全身性エリテマトーデス(SLE)の疑いが極めて高ければ、診断が下されることもあります。①顔面(頬部)紅斑、顔面(頬)に紅斑がみられる。②円盤状皮疹(ディスコイド疹)、円盤状紅斑(慢性の皮疹・ディスコイド疹)がみられる。③光線過敏症、日光に対する過敏症がある。④口腔潰瘍、口腔内に無痛性の潰瘍ができやすい。⑤非びらん性関節炎、2つ以上の関節に、関節の痛みや腫れがある。⑥漿膜炎、胸膜炎や心外膜炎によって、胸や心臓に水が溜まる。⑦腎障害、0.5g/日以上の尿たんぱくまたは細胞性円柱が出現する。⑧神経障害、痙攣または精神症状としての神経障害がある。⑨血液学的検査値の異常、血球検査の異常があり、溶血性貧血または4,000/mm3以下の白血球減少、1,500/mm3以下のリンパ球減少、10万/mm3以下の血小板減少がみられる。⑩免疫異常、血液検査によって免疫学的異常がみられる。抗DNA抗体陽性、抗Sm抗体陽性または抗リン脂質抗体陽性のいずれか。⑪抗核抗体陽性、抗核抗体が陽性となる。このうち、全身性エリテマトーデス(SLE)の診断において、⑦の腎障害検査と⑨から⑪の血液検査が、この病気を診断するための主要な検査項目となります。全身性エリテマトーデス(SLE)では、ループス腎炎という病気を合併することが多いので、腎障害検査が行われます。また、全身性エリテマトーデス(SLE)では、血球が減少することが多く、また、この病気が自己免疫異常によって発症すると考えられているために、血液検査が行われます。


若い女性で、何らかの全身性エリテマトーデス(SLE)の症状がある人では、まずは、この病気を疑うべきであるとされています。そこで、皮膚症状の観察と血液検査が行われることになるのですが、血液検査のうち、しばしば抗核抗体が高値を示す場合があります。血液検査で抗核抗体価が高いといわれ、膠原病ではないのかとびっくりした人もきっと多いと思います。


抗核抗体とは、細胞の核内に含まれるさまざまな抗原物質に対する抗体群の総称です。全身性エリテマトーデス(SLE)を含む各種の膠原病では、血液中に膠原病特有の自己抗体群が検出されます。抗核抗体は、現在までのところ、50種類以上存在することが分かっていますが、最初の検査では、その1つ1つの抗体を検査するのではなく、抗体群という形で一括した検査を行う、一種のスクリーニング検査法として抗核抗体検査が行われます。検査では、ヒトの癌由来培養細胞を用いて、被験者の血清と反応させます。その際、血清はそのまま用いるのではなく、まずは×40倍に希釈した血清で反応させ、陽性であれば、40倍に希釈した血清を2倍ずつさらに希釈した血清で反応試験を行い、抗体価が陰性を示す希釈倍率で検査結果が示されます。ですので、抗核抗体の検査結果は、40、80、160、320、640、1280といった数値で表わされることになります。しかし、抗核抗体検査は、偽陽性が出やすく、健康な人でも10~40%は、陽性と判定される場合がありますので注意が必要です。正常基準値は40ですが、80や160の値が出ても、正常である場合があります。


全身性エリテマトーデス(SLE)の治療の中心は、亢進している免疫を抑えることと、炎症を止めることを目的に、副腎皮質ステロイド(ステロイド)が主に用いられます。効果が不十分な場合は、ステロイドのパルス療法といって、大量のステロイドが投与されたり、あるいはステロイドと免疫抑制剤の併用治療が行われます。ステロイドを用いた全身性エリテマトーデス(SLE)の治療は、極めて長期間にわたって継続されます。しかしながら、ステロイドのパルス療法や長期間に及ぶステロイド治療では、高頻度に副作用として便秘が生じます。このように、全身性エリテマトーデス(SLE)の便秘は、薬物治療の副作用によっても生じることになります。


以上のように、全身エリテマトーデス(SLE)においては、病気によっても、また薬物治療によっても、便秘が生じることになります。全身性エリテマトーデス(SLE)の便秘は、腸の蠕動運動が抑制されることによって生じます。蠕動運動が抑制されますと、便が腸の中に長時間留まるために、便が硬くなり、それで、便秘が生じます。ですので、硬くなった便を軟らかくすれば、自然な排便が促進され、便秘が解消されることになります。便を軟らかくするには、ニンニク、ゴボウ、アスパラなどに含まれる水溶性の食物繊維であるイヌリンが効果的です。イヌリン食物繊維は、大腸に生息するビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌の栄養源となって、それらの善玉菌を特異的に増やす作用に優れた天然素材の食物繊維です。大腸内のビフィズス菌や乳酸菌が増えますと、それらの善玉菌が副産物として産生する健康に効果的なお酢(酢酸)、乳酸、酪酸などの有機酸によって、便が軟らかくなり、便秘が解消されます。また、ビフィズス菌や乳酸菌が増えますと、大腸菌、ウェルシュ菌やクロストリジウム菌などの悪玉菌が相対的に減少し、腸内環境が改善されます。


全身性エリテマトーデス(SLE)の死因で多いのは、感染症、腎不全、中枢神経障害です。全身性エリテマトーデス(SLE)は女性に多い膠原病ですが、女性の場合、肛門部と尿道口とが接近しているために、便の中の大腸菌などの病原悪玉菌が尿道、膀胱、腎臓へと逆流する形で尿路感染が起こり、全身性の感染症になりやすくなります。ですので、腸内の悪玉菌が減少すれば、全身性の感染症も予防することが期待でき、そのような観点からも、イヌリン食物繊維は有益であると考えられます。イヌリン食物繊維などのプレバイオティクは、便秘対策のみならず、感染予防にもつながることになります。今では、スティムフローラのように、不純物を含まない極めて高純度のイヌリン食物繊維が、健康補助食品として市販されています。全身性エリテマトーデス(SLE)に伴う便秘の予防や改善に、このような健康補助食品を活用することも大切です。


現時点におきまして、全身性エリテマトーデス(SLE)の発症原因は不明ですが、ステロイド・パルス療法などの薬物治療で、治療効果が非常に上がってきております。それと同時に、長期間の治療に及ぶ全身性エリテマトーデス(SLE)の便秘対策についても、長期間使用することができる対策が求められます。便秘対策のみならず、自己免疫疾患である全身性エリテマトーデス(SLE)の改善にも、免疫系に大きく関与する腸内環境を整えることが大切です。
便秘の解消法:女性の便秘解消対策









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