【可夢偉レポート】オーストラリアGP(メルボルン)DAY2 P3 Qualify | GOODSMILE RACING 広報ブログ

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2012年の最初のF1の予選が終わりました。
結果から言うと我がチームについて言えば

orzでした。


その理由は、後で書くとしましょう。


さて、引き続き前日の「解らない」の件です。

この「解らない」問題は、P3でも「解らない」で終わってしまい、予選への駆け引きは不可能でした。

というのも、P3の予選シミュレーションの時間帯に、
MSCとVETがスピンを喫して、ほとんどのドライバーがシミュレーションを未完で終えてしまったからです。
(スピンしたMSCは自分だけ終えてましたが。)


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どこかの国のレース・ディレクションと違って、黄旗区間の減速ルールはF1では厳密に、例外なくジャッジされ、偉いチームもしくは偉いドライバーだけ例外的に助かるということはないので、例え自己ベストラップで走っていても、F1では全てのドライバーがアタックを止めて黄旗は遵守します。

一方、開幕戦というのは無事に終わっていたら、実は最も直近の予想に非常に有効なデータとなります。


F1レギュレーションでは、年間に使用できるエンジンは8基と決まっており、今回の開幕戦は全チームとドライバーが一斉にニュー・エンジン(使用距離0km)を使用する最初のレースです。

エンジンは、いくらF1といえど、機械である以上、ライフ(寿命)の終了までに、パワーが落ちていきます。
チームによっては、この8基を順番に使用したり、一貫してライフまで使用を続けたりと千差万別なので、3レース目くらいからは、敵となるチームのパフォーマンス分析に、エンジンのパワーの落ち幅を考慮しないとならなくなります。

ところが、全チームが使用距離0kmからエンジンの使用を開始する今回だけ、そのパワーの落ち幅を考慮しないでパフォーマンス分析が出来る訳です。
どれくらいのパワーが落ちるかについては、残念ながら指標を書くことは立場上出来ないのですが、ラップタイムに深刻な影響を及ぼすレベルであることは記しておきましょう!


しかも、これは程度の違いこそあれ、どの銘柄でも例外ではありません。
(落ち幅がある以上、例えば第7戦のP1やP2でニュー・エンジンを使うのはムダでしょう?こういう時は、ライフが近い「スカスカ」のエンジンを使う訳です。故にQパフォーマンスの予想には、こうした累積距離によるパワー差を考慮しなければならないのです。)


また、予選シミュレーションでも、P3まではDRSを敢えて使用しないで、あるいはエンジンを安全マップ(限界付近の性能を使わないエンジン・コントロール・プログラム)で走ってトップパフォーマンスを控えたり・・・と、チームはそれぞれ、それこそあらゆる手を使って、手の内を晒さないようにしているわけです。

無論、開幕前のテストは、我々も含めて本当の手の内は見せていないのです。

で、結論は予選に持ち越しとなりました。

で、KOB&Sauberについて言えば、Q1トップ通過という結果が示すとおり、注目がトップチームに集まる中、コツコツと地道に頑張った結果が現れました。
多分、応援してくれているファンの皆さんもさおうだと思いますが、我々もQ2、Q3に向けて期待が高まっていました。

ところが、Q2になって、コースインしたKOBの前を計測走行していたWEBがシケインでオーバーランして、フラフラとKOBの前に戻ってきてしまいました。

この時点で、チームと、何よりもKOBは orz でした。

KOBは計測に入る前のアウトラップなので、
オーバーランしたとはいえ、計測ラップ中のWEBの走行を妨害することはできません。
ペースの落ちたWEBの後ろで正常にタイヤを暖められなかったKOBは残念ながらQ2突破のタイムを記録することは出来ず、P13で終わってしまいました。
Q1で記録した同じタイムを出すだけで、Q2はVETの後ろのP7で突破も可能だったのですが、あくまで、これは「可能性」の問題です。

残念ながら、不運もF1のうちと受け入れるしかありません・・・

ただ、今回の予選を終わってさえも「解らない」は続きました。

予選でのフェラーリの予想外の不振、RAIのQ1落ち等は、実は我々の内々の予想順位ではなかったからです。


ところで、Q2を5番手で通過したGROは計測5ラップ目にベストタイムをマークしています。
つまり、7ラップ分の燃料を搭載していたわけです。これは、KOBの予選仕様の約2倍の燃料搭載量と目されます。
また、GROのチームメートでQ1KOB似た理由で不通過のRAIも計測5ラップ目でベストタイムです。

これは、Lotusのタイヤの暖まりが悪いことを暗示していますが、同時に、計測1ラップ目にベストな状態に持ってい
くことができなかったという意味でもあるわけです。

この他のチームのことを説明するとキリがありませんのでザックリと総括すると、
マシンの絶対的パフォーマンスの差ではなく、一番、キッチリと仕事をしたマクラーレンが1HAM-2BUTだったということです。

これが、まだ「解らない」の理由です。

おそらく、他のチームがマクラーレンと同様の仕事ができていれば、おそらくBUTとGROの間には数台のマシンが入っていたと思いますし、KOBもその辺りには絡めていた可能性は十分にあります。


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さて、前述しましたが、GROとRAIのタイヤが正常に暖まるには、相当の時間が掛かることが推察されます。


この状態でフルタンクでのパフォーマンスとなると・・・
グリッド上位には波乱が予想されます。

一方、Q3進出にこそ失敗しましたがKOBの車両は正常に暖めればタイヤは計測2ラップ目には機能します。

予選結果は厳密に受け止めるとして、KOBにとってレースではアクシデントに巻き込まれずキッチリ行ければポイントのウィンドウは開いています。

おそらく、上位陣はスタートしてから10ラップもしないうちにタイヤ交換が始まるのではないかと・・・。

そしてKOBは?

では、レースの結果をお楽しみに!