みんなまとめて「不適格」問責! | 偕楽園血圧日記

みんなまとめて「不適格」問責!

 結局国会は再延長なしで閉会。
 前半は総理の国際会議でバタバタし、後半は野党主導での復興関係法案こそやったものの、その他はぐたぐだ大臣のおかげで見る影もなし。自分たちが言い出した「公務員給与削減」すらも、国会審議以前に党内でもめて上程すらできないありさまなのだから何をやいわん。
 どこかの新聞が「自公時代より長くやった」と書いていたが、ただ長いだけで中身がない、また中身の報道も「政権に不利なところは流さない」がやられているようではまったく意味がない。

 その国会では、

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 参院が一川、山岡氏問責を可決=野田首相は更迭拒否、政権苦境に―臨時国会閉幕

 参院本会議は9日午後、自民、公明両党が共同で提出した一川保夫防衛相、山岡賢次消費者担当相に対する問責決議を、両党などの賛成多数でそれぞれ可決した。野田佳彦首相は一川、山岡両氏の更迭を拒否する方針だが、野党は辞任しない場合、来年1月召集の通常国会での審議拒否を辞さない構え。最重要課題に据える消費増税の与野党協議もめどが立たず、首相は一段と厳しい政権運営を迫られる。
 問責可決を受け、一川氏は防衛省内で記者団に「職責を全うしたい」と辞任を否定。山岡氏は国会内で「職務に全力を挙げて取り組んでいく」と述べた。民主党の輿石東幹事長も「辞める必要はない」と記者団に強調した
 両問責決議は、自公両党が9日午前に参院に提出。このうち、一川氏については、1995年の米兵による少女暴行事件の詳細を知らないとした国会答弁や、不適切発言で更迭された前沖縄防衛局長への監督責任などが問われた。両党に加え、みんな、共産、社民、たちあがれ日本、新党改革が賛成。投票結果は賛成 130票、反対109票だった。
 山岡氏の問責はマルチ商法業界との関係などが理由。社民党は「閣僚在任時の問題ではない」として棄権した。投票結果は賛成125票、反対109票。民主、国民新両党は両問責に反対した。
 時事通信 12月9日(金)14時38分


 一川、山岡両氏が辞任を否定 自公、問責決議案提出

 一川保夫防衛相は9日午前の記者会見で、自民、公明両党が提出した問責決議案に関し「職責を引き続きしっかり果たしたい。国益や安全保障にかかわることについて、私なりに最大限、意を尽くしてきた」と述べ、辞任しない考えを強調した。
 山岡賢次国家公安委員長(消費者担当相)も同日午前の記者会見で「就任以来、全力を挙げて職責を果たすべく取り組んできた。問責に該当するようなものはなかったと認識している」と述べた。
 産経新聞 12月9日(金)12時6分

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 最終日になってこんな決議がされたが、民主党は自分たちが「ただ政権の足を引っ張るために大臣問責を連発していた」からか、「これもそうだ」と無視するつもりのようで。
 あれほど彼らが「錦の御旗」のごとく振りかざしていた「チョッキンノミンイ」というのはどこへ行ったのだろうか。
 確かに自民党などは政局としてこの問責を扱っているところはあるが、二大臣がその資質に欠けているというのは誰が見ても明らかで、異論を唱えるのはよほどの民主党支持に凝り固まっている利権関係者か、まだ「大臣がコロコロ変わるのは~」に惑わされている人ぐらいなものだろう。

 それは、

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 産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)は10、11の両日、合同世論調査を実施した。野田佳彦内閣の支持率は前回調査(11月12、13両日)から6・8ポイント下落し、35・6%となり、支持しないとの回答が14・5ポイントと大幅に増えて51・6%と初めて支持と不支持が逆転した。参院で問責決議を受けた一川保夫防衛相については80・4%、山岡賢次国家公安委員長は73・3%が「辞任すべきだ」とした
 産経新聞 12月12日(月)11時42分配信 「内閣不支持率51・6%、初の過半数 産経・FNN世論調査」より

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 というあたりにも表れている。

 総理もそれは分かっているのか、政権からは、

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 問責決議案には法的拘束力はなく、野田佳彦首相は2人を続投させる方針だが、自公両党は来年1月召集の通常国会で両閣僚が関係する審議には応じない構え。このため冒頭からの紛糾は避けられず、首相側では年明けにも内閣改造を行い、2人を交代させる案も浮上しているが、難しい政権運営を迫られそうだ。
 産経新聞 12月9日(金)15時0分配信 「年明けにも内閣改造 2閣僚問責 午後可決」より

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「通常国会前の内閣小改造」という話も出てきているが、それもまた「党内力学」次第でどうなることか。

 この二氏は内閣発足時にもその「不適格さ」を指摘した
(2011/09/03の記事、「『売り国』と ハングルで書く三代目」 参照)が、同エントリーで挙げたように、この内閣にはまだまだ「不適材不適所」のままその椅子に座っている大臣がいる。(あの時点では判断保留組であった玄葉氏も、「尖閣くれてやれ」発言や先日の図書譲渡時の対応、さらには「日帰り訪中」で1200万円のチャーター機を使う「大臣気分満喫旅行」をするなど、めでたく「不適材不適所」組の仲間入りである)
 まったく、私は自公政権時代に法務大臣を務めた南野氏が近年では最低の資質を持った大臣だと思っていたが、それに匹敵する、いや、大臣風を吹かせようというところではそれ以上という「さらに下」の人間がぞろぞろ出てくる民主党というのは、いったいどれほど「負の人材」が豊富なのだろうか。


 さて、その問責大臣の一人、山岡氏が、

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 拉致解決へ「国民の声必要」=シンポジウムで山岡担当相

 政府は11日、北朝鮮による拉致問題に関するシンポジウムを都内で開いた。山岡賢次拉致問題担当相は冒頭のあいさつで「問題解決にはわが国の断固たる姿勢が重要だ。国民に許し難い拉致問題を解決しなければならないという声を上げ続けていただくことが必要だ」と訴えた。自身に対する問責決議については言及しなかった。
 続いてあいさつした拉致被害者家族会の飯塚繁雄代表は「待っているだけでは問題は解決しない。北朝鮮が協議を申し込み、解決に向かわせる取り組みが必要だ」と指摘、政府や関係団体の対応強化を要請した。
 時事通信 12月11日(日)15時58分


 山岡拉致担当相そそくさと退出 政府主催シンポ、会場からため息

 政府主催の拉致問題シンポジウムが11日、東京都内で開かれ、約500人が参加した。講演や中学生による合唱などがあったが、遅々として問題を進展させない政府に対し、拉致被害者の家族からは「なぜ助けられないのか。口で言うだけでなく実行に移してほしい」といらだつ声も上がった。
 冒頭、山岡賢次拉致問題担当相は「国の責任において拉致問題の解決に取り組み、全力を尽くしているところ。いまだに問題を解決できないことに大変申し訳なく思っている」とあいさつ。自身への問責決議が参院で可決されたことには触れず、あいさつが終わるとすぐに退出したため、会場からはため息が漏れた。
 続いて、家族会代表の飯塚繁雄さん(73)は「今年もまたシンポジウムを開かざるを得ない状況になった。つまり、解決の糸口が見えない状況が続いている。絶対にこの問題をあきらめない。解決まで頑張って参る」と決意を新たにした。
 シンポジウムでは、脱北者の康仁徳・聖学院大学客員教授と、米民間調査機関「北朝鮮人権委員会」のチャック・ダウンズ前事務局長が講演。康氏は「北との交渉は戦いです。中心には拉致問題があるという原則を忘れてはだめだ」。ダウンズ氏は米国の男子学生も北により拉致された疑いを指摘した上で、「各国の情報機関が協力し、国際連携を」と訴えた。
 最後に拉致被害者の家族16人が登壇。横田めぐみさんの母、早紀江さん(75)は「すぐ近くの国にいるのに取り返すことができない。こんな残酷なことはどこの国にもあってはならない。一刻も早くめぐみと話ができる時間を与えていただきたい」と話した。
 産経新聞 12月11日(日)16時32分

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「突如仕事に目覚めた」かのようなふるまいを行っているが、これもまた人をなめた話である。
 いや、被害者を利用して自己の保身を図るというところではまさに「悪質」としか言いようがない。

 時事通信ではシンポジウム冒頭挨拶のことしか書かれていないが、同じものを伝えた産経の記事にあるように、山岡担当相はこの挨拶だけをしてすぐに会場から退出したというのだから、ふざけている。
 家族会だけではなく、米側で拉致解決に取り組んでいる人と公開の場で話をして関係を深める、意識の共有を示さない、のは、「もう俺は辞めることになっているから」とでもいうのだろうか?
 氏は今日には来日中のデービース米北朝鮮担当特別代表とは会談を持っているが、「相手が政府高官なら話をしよう」という気持ちがあるのならば、被害者家族の気持ちなど分かるはずもない。ならば変なアリバイ作りなどせず、さっさと辞職してもらった方が後のためである(山岡大臣には消費者庁の方でも「茶のしずく石鹸被害通報放置」という問題が持ち上がっている。小沢氏のご機嫌伺いをその最大の政治活動にしていた氏には手に余る話であろう。さっさと辞めた方が楽になれるというものだ)。

 鳩山・菅と違い、野田総理は見たところいつもブルーリボンバッジをつけている。ではそれがただの看板ではなく、政府代表としての確固たる意思表示になっているかといえば、そう感じている人はあまりいないのではないだろうか?

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 「平壌で石岡さん目撃」 韓国人学者が証言 日本人女性も

【ソウル=加藤達也】西独(当時)滞在中の1985年に北朝鮮に一家で連れ出され、対韓工作を強要されたため単身西独に亡命した韓国の経済学者、呉吉男(オギルナム)氏(69)が10日、産経新聞などの取材に応じ、86年6月、平壌で日本人とみられる女性と会ったほか、拉致被害者の石岡亨さん=拉致当時(22)=を3回目撃したと話した。
 女性は「日本から来て日本語を教えている」と話し、自宅は工作員用アパートだったという。
 呉氏は「工作員と結婚した可能性がある」と指摘している。
 呉氏は数年前から日本政府や特定失踪者問題調査会などの聴取に協力。今年9月には警視庁で、提示された複数の写真に似た女性がいると証言したという。調査会は女性を、72年に東京で失踪した生島孝子さん=当時(31)=である可能性が高いとしている。
 一方、ソウルでは10日、北朝鮮で拉致されたままの呉氏の妻子を救出する集会が開かれ、横田めぐみさん=拉致当時(13)=の母、早紀江さん(75)が映像で「日韓で力を合わせ(北朝鮮に)閉じこめられている人たちを救出するために頑張っていただきたい」とメッセージを寄せた。
 産経新聞 12月11日(日)7時55分

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 昨日もこんな話があったが、先月初めに「ピョンヤン市民の住民情報の中に横田めぐみさんと生年月日や家族の名前が一致する女性がいた」という話が出てきた時にも、野田政権は、

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 めぐみさん報道で協力要請=韓国誌に武藤大使

【ソウル時事】韓国誌「週刊朝鮮」が、2005年に北朝鮮が作成した平壌市民のデータの中に、日本人拉致被害者の横田めぐみさん=失跡当時(13)=と生年月日や家族名が一致する女性がいると報じたことを受け、武藤正敏駐韓大使は7日、同誌を発行する「朝鮮ニュースプレス」を訪れ、情報共有などの協力を要請した。
 週刊朝鮮の担当記者らは同日記者会見し、日本側にデータそのものは提供しなかったものの、「人道主義的な側面で、必要ならば積極的に協力する」と語った。
 また、データが北朝鮮から中国に流出し、その後入手したことを明らかにした。
 時事通信 11月7日(月)19時45分

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こういうことをやっただけで、野田氏から「総理として断固とした被害者救出の決意」が聞けることはなかった。
 もちろんこれは「ぶら下がり会見」から逃げているおかげもあるのだが、野田氏はそのあたりの「情報発信の大切さ」を松下政経塾で習わなかったのだろうか?

 山岡担当相はシンポジウム挨拶で「国民に許し難い拉致問題を解決しなければならないという声を上げ続けていただくことが必要だ」と言っているが、政府が強い意志を示さず「国民がいってくれ」というのでは、人任せもいいところである。こういうことを言っている大臣には、自公政権時代に総務大臣からNHKに「もっと国際放送で拉致問題の時間を取ってもらえないか?」という話があった時(2006/11/11の記事、「電波発信!」 参照)に当時の民主党幹事長鳩山氏が「報道の自由」を掲げて反対したことをどう思うか、聞いてみたいものだ。(民主党政権になってから同じような「命令」がされた時には騒ぎにもならなかったが)

 安倍総理(当時)が拉致解決に意欲を見せた時、民主党は「人気取りだ」と騒いだが、トップや担当者が強い意志を示すことは大切なことである。
 民主党には「意思を示すと責任を背負わなければならない」という逃げの意識が強い人間が多く、内閣三代目になってからはそれがさらに顕著となっている(総理自身が「消費税増税」で口先だけは格好いいことをいいながら責任を背負うことを避けようとしている)が、そんなことで国に関わる問題が解決するわけがない。

 担当大臣が「国民が声をあげてくれ」と言う一方で、政府から強い声は聞こえない。
 とりあえず野田総理は、文科相任せにしてる「朝鮮学校無償化検討」を、朝霞の公務員宿舎でやったように「凍結」の声で止めてみたらどうだろうか? そしてそのあと北関係者からのいちゃもんを避けるため、通常国会が召集されてすぐ、「高校無償化法の廃案」、もしくは「公立学校のみへの限定化法案」を上程してみたらどうだろう? こそこそと「韓国との関係深化」を進めているばかりではなく。

 本気で北朝鮮に対して強い態度を取ろうという気があるのならば、それぐらいのことはできるはずだ。
 できないというのならば、それは本気で拉致解決など考えていないということを満天の下にさらすだけになるだろう。


 おまけ。

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 評価書準備整える=陸自の除染作業視察―一川防衛相

 一川保夫防衛相は11日、埼玉県朝霞市で記者団に対し、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設先の環境影響評価書について「沖縄県知事をはじめ県民の動きなどを総合的に判断して、適切に手続きを進めるのが内閣の方針だ。私自身はどういう段階で(野田佳彦首相の)どういう判断があったとしても、しっかり対応できる状態にしておく」と述べ、年内提出に向け準備を整える考えを示した。
 自らに対する問責決議を踏まえた進退に関しては「職務に取り組んでほしいと、首相や党幹部から聞いている。いろんな懸案事項に責任を持って対応したい」と述べ、辞任を重ねて否定した。
 防衛相はこれに先立ち、福島県富岡、浪江の両町役場などを訪れ、東京電力福島第1原発から20キロ圏内の警戒区域で陸上自衛隊が行っている除染作業を視察した。
 時事通信2011年12月11日(日)18:03

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 こちらの問責大臣もこんなことをいっているが……先日「失言があった」として更迭した局長の後任は確かまだ決まっていなかったはず。
 彼は、局長代理になっている及川氏に、この環境評価書提出の事務手続きをさせるつもりなのだろうか? それとも「急遽決めた後任局長」に就任のあいさつと同時に評価書の件提出をさせるつもりなのだろうか?
 そんなことをすれば沖縄県はさらに態度を固くなにするだけだろう。

 それとも、自分で事務手続きを行ってその後無責任に内閣改造で逃げるのだろうか、菅内閣で問責を受けた大臣たちや、口蹄疫の時の赤松農水相(当時)のように。


 本日のノータリン。

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 <羽田空港>「爆弾」冗談で搭乗拒否…エア・ドゥ機内で男性

 東京・羽田空港で11日午後8時10分ごろ、出発直前だった新千歳行き北海道国際航空(エア・ドゥ)37便(ボーイング767-300型、乗員乗客276人)機内で、乗客の男性(33)が客室乗務員に手荷物を頭上の収納棚に入れてもらう際、「爆弾が入ってる」と冗談を言ったため搭乗を拒否されたことが警視庁東京空港署への取材で分かった。中身は衣類で、男性は「騒ぎになって申し訳ない」と話しているという。
 東京空港署などによると、搭乗を拒否されたのは北海道石狩市の会社員で、車椅子を利用していた。「爆弾が入ってるから気をつけてね」と発言した直後に「冗談です」と訂正したが、報告を受けた機長が男性を機内から降ろす決定をした。
 同機は全乗客の荷物を点検した後、約1時間5分遅れて出発した。
 エア・ドゥは「安全が確認されるまでは出発できない。機長の判断は適切だった」としている。【伊澤拓也】
 毎日新聞 12月12日(月)15時0分

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 アメリカワールドトレードセンター崩壊以来あちこちで「爆弾ジョーク」を口にしてつかまっている人間がいるというのに、まだこんなことをいうやつがいるなんて(ため息)。
 逮捕されなかった「甘い」日本に住んでいることを感謝すべきだろう。


 ネットでもよく「釣り」と称して人をいらつかせたり怒らせたりすることを平気で書きこむ人間がいる。ヤフーのニュースページにつけられるコメントでも、幼稚な文章で「民主党は素晴らしい。日本国民は皆応援しています」とか「日本人はみんな韓国に頭を下げ続けることを誓っています」などと書きこんで、反論コメントや「そう思わないポイント」を稼いで悦に入っている人間がいる。
 そういう「人を不快にさせることが楽しい」という精神が歪んだ人間は、たとえそれが本心であろうとなかろうと、自分が口にした言葉は自分の考えだと世間には通るという当たり前のことが分かっていないのだから救い難い。

 そういうことが楽しいという気分で続けていると、やがては普段の生活でもそういうことが「楽しい」ということになり、それがリアルに自分の身に返ってきてようやく己の馬鹿さに気がつくのかもしれないが、周りにとっては迷惑極まりない。
 放射能煽りのようにそれで実害をこうむっているものも出てくるようになると、やがては本当にそういう馬鹿発言を法で取り締まろうということにもなるだろう。そしてそれは、容易に「その他の発言取り締まり」にまで拡大される。
 法治社会では、一握りの馬鹿によって社会が息苦しくなるのだ。