03年、WBC世界Lヘビー級王者グラジアーノ・ロッシジャーニ(ドイツ)が王座を不当にはく奪したとして、WBC相手に裁判に持ち込む。結果、3100万ドル(約34億円)の損害賠償を命じられたWBCは、破産手続きに入るという事態に陥る。(後、和解)以後、タイトル”はく奪”は、死語と化している。
昭和50年(1975年)1月21日。半年前病院送りにされた相手、オスカー・”ショットガン”・アルバラード(米)に雪辱し、世界Sウェルター級王座奇跡の返り咲きを果たした輪島功一(三迫)選手は、統一王者だった。
当時の統一王者は、ウェルター級、Sウェルター級、ヘビー級の3階級だけ。1975年、AvsCの対立はにわかに高まる。
2月上旬、世界ヘビー級王者モハマッド・アリ(米)は、WBA10位のチャック・ウェップナー(米)を挑戦者に選んだ。そう、ロッキーのモデルになったボクサーである。WBCはランク外で資格無しとし、一時はアリの王座を取り上げる気配を見せている。
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ロッキーのモデル!アリvsウェップナー
この試合がWBAの承認を得た時のファンの反応は、驚きと悪い冗談というほどのものだった。そんな相手に150万ドル(約4億5千万円)ものファイトマネーを稼いだアリ。さすがにこの時は、WBCもその王座をはく奪していない。
そして2月下旬、WBCは輪島選手の王座はく奪という暴挙に出た。WBCが決めた挑戦者決定戦、1位ミゲル・デ・オリベイラ(ブラジル)vs2位ホセ・デュラン(スペイン)戦の勝者と戦う気がないというのが、その理由。
アルバラードに敗れる4ヶ月前、輪島選手は一度引き分けているオリベイラ相手に完勝。初黒星を与え6度目の防衛を果たしている。以後、オリベイラは、二線級相手に白星を重ねてはいた。
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東洋ミドル級王者でもあった 柳 斎斗(右)。
輪島選手陣営が選んだ挑戦者は、 柳 斎斗(韓国)。WBAランキング1位を1年以上キープしていた。「チャンスを与えてやるのが、チャンピオン側の義務」(三迫会長)は、説得性がある。
「強い相手を避けているのではない。WBAの挑戦者の次は、WBCとやると言っているんだ。頭に来た」(輪島選手)
WBC王座決定戦は、5月7日挙行されオリベイラが勝ち新チャンピオンとなった。一方、6月7日、WBA世界1位 柳 の挑戦を受けた輪島選手は、7回壮絶なKO負けで王座を手離してしまうのである。
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宿願達成。喜びのオリベイラ。
しかし、現代なら、ガッチリ裁判で行けたかもしれませんね。(~~)
暫定王者と聞いても、さして驚かなくなってしまった今日この頃。WBA世界Lフライ級王者ブライム・アスルム(仏)は、王座に就いて以来、一度も試合する事無く08年を過ごした。昨年7月26日、WBAは暫定王座戦を承認。セサール・カンチラ(コロンビア)が、無敗のジョバンニ・セグラ(メキシコ)を大差の判定に降し暫定チャンピオンに。
王子様も五輪に勝てず・Lフライ級暫定王座戦!
そして、この両者のダイレクトリマッチが2月28日に予定されている。もちろん暫定タイトルマッチとして。1位には前王者ファン・レベコ(亜)、2位にファン・ランダエダ(ベネズエラ)、セグラは4位である。
この試合の勝者が正規王者になることも予想されるが、メキシコで行われるこの暫定戦ダイレクトリマッチには、考えさせられる。強気だった頃のA&C。わかりやすかった時代が懐かしくなりますね。
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