代々木第一体育館 | Stadiums and Arenas

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スポーツ観戦が趣味の筆者が、これまで訪れたスタジアム・アリーナの印象を綴るブログです。

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代々木競技場第一体育館
開場1964年
収容可能人数13245人
アクセス原宿駅(JR山手線)から徒歩約5分
明治神宮外苑駅(東京メトロ千代田線・副都心線)より徒歩約10分


(写真は、別記されない限り2019年11月23日の男子ハンドボール日本選手権準決勝第1試合、トヨタ車体ブレイヴキングス大同特殊鋼フェニックスの試合から)





上:外観
中:内装(第1層から南側スタンドを臨む)
下:内装(体育館西側の常設オーロラビジョンを臨む)

日本の屋内競技における聖地のような体育館。日本で数少ない1万人以上を収容できる屋内ベニューで、都心のど真ん中にあるという交通の便の良さが手伝って様々な競技から引っ張りだこの施設である。

1964年に行われた東京オリンピックのために作られた国立代々木競技場の施設として第二体育館と一緒に作られ、オリンピックでは水泳種目の会場となった。そのため、正式名称は代々木競技場第一体育館なのだが、省略されて代々木第一体育館と呼ばれることが多い。オリンピックが終わった後には日本で主催する屋内スポーツの国内大会・国際大会が開催できるよう、冬にはスケートが、またプールの上に板をはめれば他の屋内種目が主催できるような形に改められた。

ただ現在は、一応団体使用ができる競泳プールが残ってはいるものの、東京辰巳競泳場ができたことから1995年を最後に競技レベルの水泳競技では使われなっている。それでも以前は飛び込み台が残っているなど東京五輪の名残を残していたが、2006年にそれも撤去され、現在は完全に屋内競技用開場に変貌している。スケート競技も不定期にしか主催しなくなった。ちなみに、日本スポーツ振興センターによって管理運営されていて、日本国内にある国立の体育館は代々木第一と第二体育館だけである。

2020年の東京オリンピック(コロナウイルス世界的感染拡大の影響で、実際に開催されたのは2021年)ではハンドボールの、パラリンピックではバドミントンとウィルチェアラグビーの会場に使用された。その準備のため、2017年7月から2019年11月にかけて耐震補強工事のために一般開放とイベント利用を休止した。

競技スポーツでは、例年フットサルの日本選手権の決勝やFリーグの開幕節、そして年末年始の時期のバスケのオールジャパンはこの会場で行われていたが、東京オリンピック2020の休止期間中には別の会場で行われ、代々木第一体育館に戻ってはいない。2011年までは春高バレーの会場でもあったが、以後は東京体育館で一本化されている。長年屋内スポーツの聖地だったが、東京オリンピック前後で定期的な競技スポーツのイベントで使われる頻度が減った感は否めない。

もっとも、不定期のイベントでよく使用されるので、稼働率が高い会場であることは間違いない。バレーボールでは国際試合を首都圏でやる際に会場として使用されることも多く、2019年にはハンドボール日本選手権も行われた。また、水泳プールをリンクとして使用して、スケートのイベントで使用することも多く、直近では2019年に日本フィギュアスケート選手権の会場になった。

2016年に日本に2つあったプロバスケリーグが統合されてBリーグが発足すると、その年のオープニングマッチと優勝決定戦の会場になった。その後、改装のため使用できなかった時期を挟み、2022年2月にアルバルク東京のホームゲームで久しぶりに使用され、2022-23シーズンからは本拠地をこちらに移した。

固定席はロイヤルボックスも含めて9111人収容可能で、可動席を展開すると13291人を収められるため、首都圏のみならず日本国内の体育館の中で屈指の集客能力を誇る。一方で、フロアが横に長い上にメイン・バックスタンドにしか固定席がなく、フロアを客席が囲むような形ではない。この長いフロアにコートを埋め込むとゴール裏が相当余るので、スタンドの端に座るとコートのアクションがかなり遠く感じられる。可能な限り、スタンドの中央に近い位置に座りたいところだ。

もっとも、スタンドの傾斜がしっかりと取られていて、フロアが俯瞰で見えるので、中央に座りさえすれば上の方でもコートのアクションはよく見える。少なくとも、17000人収容の横浜アリーナや22500人収容のさいたまスーパーアリーナよりは当然スタンドとフロアの距離は近い。








上・中上:ハンドボールの試合の写真。ゴール裏の空間が余っており、この空間の前にある座席に座るとコートが遠い
中下:第2層前寄りからの眺め(北側スタンドを臨む)
下:最上段からの眺め(北側スタンドを臨む)

このベニューには常設のオーロラビジョンの他に、必要とあれば可動式のものも取り付けられるため、一般的な総合体育館よりも多くの情報を提供できるという意味でも優れている。仮設オーロラビジョンは、常設オーロラビジョンの反対側に設置するフラットパネル型スクリーンや、バスケやアイスホッケーの試合の場合で使用される、コートの上からぶら下げるボックス型スコアボードもあり、バリエーションに富んでいる。






上:2015年1月8日、バスケットボール全日本選手権準々決勝男子第3試合のリンク栃木ブレックス日立東京サンロッカーズから。ゴール裏とコート脇にひな壇型の可動席が展開されていて、天井からボックス型のスコアボードがコート上にぶら下げられている。
中央:同上。スタンドからの眺め。
下:体育館東側を臨む。フラットパネル型の仮設スクリーンがぶら下げられている。

最寄駅はJR山手線の原宿駅か東京メトロ千代田線・副都心線の明治外苑前駅で、都心にある競技場なだけあって交通の便は抜群。繁華街が近くにあり、道路の渋滞がひどいので、バスでここに来ようとすると到着時間が読めない。極力電車での利用をお勧めしたい。

都内屈指の繁華街の近くにあるが、この体育館の近くで食事処を探すのには意外と苦労する。体育館の近くに広大な代々木公園や明治神宮があり、その中に食事処が少ないというのが原因である。原宿駅から表参道方面に10分ほど歩かないといけないので、イベントの前後に済ませようと思うと意外と適当なところが見つからなかったりする。自宅のそばで買って行ってしまうのも手だろう。

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代々木第一体育館の紹介(日本スポーツ振興センター公式ホームページより)