さいたまスーパーアリーナ | Stadiums and Arenas

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スポーツ観戦が趣味の筆者が、これまで訪れたスタジアム・アリーナの印象を綴るブログです。

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さいたまスーパーアリーナ
開場年2000年
集客可能人数36500人(スタジアムモード)
22500人(アリーナモード)
4000人(コミュニティーアリーナ)
アクセスさいたま新都心駅(JR京浜東北線、宇都宮線、高崎線)から徒歩約5分
北与野駅(JR埼京線)から徒歩約10分



外観

日本最大の多目的アリーナ。スポーツだけでなく、コンサートなどのイベントでもひっぱりだこであることから、幅広いジャンルのファンから訪れるベニューである。「SSA」や「たまアリ」などの略称で呼ばれることも多い。

東京都内に政治経済文化の中心地が集中していることを危惧した国家行政が、東京の周辺都市にも同様の機能を移転しようと1970年代以降断続的に続けてきた「新都心計画」の一環として作られた施設である(同様の試みから幕張新都心や横浜みなとみらいの開発も行われた)。1990年代前半に浦和市と大宮市が新都心に指定されたことを受け、1996年に当時浦和と大宮の間に位置していた与野市において竣工され、2000年に開場。管理運営は株式会社さいたまスーパーアリーナが行っており、一応行政からは独立しているが、同社の株の30パーセントは埼玉県が保持している。2001年に浦和、与野、大宮が合併してさいたま市になって以来、所在地住所がさいたま市中央区となった。

開場以後、スポーツでは格闘技の興業で最も有名で、特に年末年始には必ずと言っていいほど何らかのイベントが行われる。そのほかだと、フィギュアスケートでも不定期に国内外の大会が主催されている。球技では、2006年にバスケとバレーボールの世界選手権が日本で開催された時に会場として使用され、2020年東京オリンピックではバスケの会場となった。

バスケでは、2012年のbjリーグ・オールスターが主催され、2017年から2022年まで全日本選手権(オールジャパン)の準々決勝以降の会場となっている。オールジャパンは、もともとは代々木第一体育館で主催されていたが、2020年の東京オリンピックに合わせて同体育館が改装工事に入り使用できなくなったので、さいたまスーパーアリーナに白羽の矢が立った。

ちなみに、このベニューにはフィットネスクラブや会議場、カルチャーセンターやスタジオ、シミュレーションゴルフ場などがテナントとして入っている。隣接する広場には様々なレストランやファストフードチェーンが立ち並び、駅を挟んだ反対側には複合商業施設もある。おかげで、イベント前後の食事には全く苦労しない。

用途やイベントの規模によって、アリーナの大きさを可動壁で調整でき、座席も調整できる造りになっている。総合格闘技やコンサートのイベントなどの時には、フロア全体を使用する「スタジアムモード」で展開し、この時には固定席27000席に可動席9500席を加えた36500人が収容できる。また、マーケット型式のイベントをこのモードで行うことも多い。

もう少しお客さんの入りが少ない時には、可動壁を用いてスタジアムモードの全体を3分の2くらいで仕切り、「アリーナモード」として使用する。この状態の場合は、固定席が19000人で、可動席も出せば最大22500人が収容できる。また、残りの3分の1、通称「コミュニティーアリーナ」でもイベントが行える。こちらは固定席で3300人、可動席を展開すると4000人ほどが収容できる。

スタジアムモードの36500人となると、アリーナとしては世界屈指の大きさだろう。私はこのモードで行われたイベントを見たことがないが、これほど大きいと、格闘技のリングやコンサートステージが豆粒のようで、何も見えないのではないかと危惧してしまう。もっとも、こういうイベントはパフォーマンスだけでなく客席全体の盛り上がりや会場の雰囲気を楽しみに行くところがあるので、36500人のお客さんが一体となったときの熱気はすさまじいものがあるのだろう。








上:アリーナモード内観(客席最上段から)
中上:上層最前列周辺からの、試合の眺め
中下:ゴール裏からの眺め
下:斜め横からの眺め
(すべて2018年1月6日の全日本バスケットボール選手権第3試合、千葉ジェッツふなばし京都ハンナリーズの試合から。

上の写真は全てアリーナモードのときに行われたイベントでとった写真である。スタジアムモードで主催しても元が取れるほど多数のお客さんが見込めるイベントなどそうそうないので、さいたまスーパーアリーナで行われるイベントの多くはアリーナモードで行われる。

国内には20000人規模のアリーナが他にないので、ロンドンのO2アリーナなど海外の同規模アリーナとの比較になるが、20000人規模のアリーナにしては、試合は見易かったと思う。海外の同規模ベニューと比べても引けを取らない観戦環境ではないだろうか。今回私は一番安い席に座ったので、最上段に座ったが、選手の表情や背番号もちゃんと見えたし、ゴール裏や、やや斜め後ろの位置からでも、それなりに試合の様子が解った。椅子も柔らかくて2時間くらいのイベントであれば疲れないし、窮屈な印象もない。

ゴール裏につるされたスクリーンには、スコアだけでなくベンチ入り選手全員の名前と背番号、それに得点数とファウル数が表示されていた。普通のBリーグの試合と比べて、観客に提供されている情報の量も多かった。








上:内装(客席第一層から)
中上:第一層からの試合の眺め
中下・下:ゴール裏

(上の写真は、全て2020年1月12日の全日本バスケットボール選手権決勝、サンロッカーズ渋谷川崎ブレイブサンダースの試合から。2018年の全日本選手権を見に行った時には、アリーナモードで第一・第二層両方にお客さんを入れていたが、2020年の時には可動式の天井を下げて、第二層にお客さんは入れていなかった。そのため、内装が以前と少し違う)

まあ、そうは言っても、日本の屋内スポーツで普段使われる数千人規模の体育館ほどコンパクトではないので、上の方の席に座ってしまうと当然臨場感は見劣りする。余裕があって観戦環境に拘るなら、多少お金を出してもフロアに近い席に座った方がいい。第一層からの眺めは優れており(真上の写真を参照)、メイン・バックスタンドの端の方に座ってもそれほどみづらくはないだろう。




上:メインスタンド側を臨む。外側に湾曲する可動壁
下:バックスタンド側を臨む。内側に湾曲するアリーナ自体の壁が見受けられる
(ここから下の写真は、全て2018年3月23日に行われたB3リーグ埼玉ブロンコス東京エクセレンスの試合より)

上の写真2枚、そして下の写真3枚は、コミュニティーアリーナモードで行われたイベントでとった写真である。上の写真は可動壁が外側に向かって湾曲しており、下の写真ではアリーナ自体の壁が手前側に湾曲しているのが解るだろうか。少し伝わりづらいかもしれないが、アリーナ全体を3分の2ぐらいの位置で可動壁で仕切り、残りの3分の1のスペースをコミュニティーアリーナで利用しているというのが解ると幸いである。その状態にした後で、フロアの四面に可動席を設置してお客さんを入れる。

10000人以上のお客さんが見込まれない、プロレスなどのイベントがコミュニティーアリーナモードで行われることが多い。2017-18シーズンにはB3リーグの埼玉ブロンコスのホームゲームもこのモードで主催した。






上:試合の様子
中・下:ゴール裏。こちらからも、可動壁が外側に湾曲しているのが解る。

可動壁側のメインスタンドの方は、ひな壇にパイプ椅子を並べる形で設置されており、逆側よりも傾斜が緩くて高さが低い。メインスタンドの方がコートを俯瞰で見るという面では優れているが、椅子が固いので座り心地が悪いのが欠点か。クッションのようなものを持っていれば、持参した方がいいかもしれない。また、ゴール裏の座席の位置がコートからかなり遠く、ここに座ってしまうとフロアのアクションは遠く感じられるだろう。天井が高くてフロアが広いので開放感はあるが、反面歓声がアリーナ内で分散してしまいお客さんが少ないと閑散とした印象になってしまう。あと、フロアが広い分空調が効きづらいようで会場内が肌寒く感じられた。

ただ、そうは言ってもメイン・バックスタンドからの見易さは自治体の総合体育館とは比べ物にならない。やはり、屋内イベントをお客さんに見せることに特化して作られた施設は違う。さらに言うと、可動壁を臨む写真を見てもらうとわかると思うが、試合の様子を映し出せるスクリーンがついているなど、設備に関しても通常の総合体育館よりも優れている。音響もよく、アリーナDJの言っていることや音楽は聞き取りやすかった。

最寄駅はJR宇都宮線・高崎線・京浜東北線がさいたま新都心駅で、ここから歩いてすぐである。JR埼京線の北与野駅からでも歩いて10分ほどで、上野や池袋からであれば30分ほどでこれる。概ね交通の便はいい場所にあると言えるだろう。

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