疑う力、断る力、そして考える力 | 桜井妙の「新ストレスと怒りの調理法」

桜井妙の「新ストレスと怒りの調理法」

★職業:講師 ★専門:ストレスマネジメント アンガーマネジメント コミュニケーション危機管理 ★特徴:「あたま・こころ・からだ」をととのえる ★㈱コミュニケーション・デザイン結 代表

オレオレ詐欺は一向に減りません。
今や劇場型となり、巧妙になってきています。

一人暮らしの60歳以上の方が被害者として多く
将来の老人ホームの資金1500万円を振り込んでしまい
残金は二月程度の生活費しかないとの報道に
胸が痛くなり詐欺師を許せないと誰もが感じます。

悔しいですが、私たちは詐欺師を逮捕できません。
そして一人の詐欺師を逮捕しても
次から次へとこの手の犯罪は減りません。

このBLOGを読んでいる方は
ネットに精通していて詐欺の対象者ではないかもしれません。

しかし、あなたのご両親が叔父様、叔母様が被害に遭わないために
そして将来、さらに予想できないような新手の詐欺に遭わないように
自分の身は自分で守るよう、意識の変化を自他ともに促さないといけません。

何故だまされるのか・・・
それは、知らない人の電話を疑わない
そして、NOと言えない日本人の特徴のように思えます。

親は、子どもが失敗しないように心配し
アレコレ手をつくし、良い環境を与えようとします。
子どもが困るように困難を与える親は少ないのではないでしょうか。
学校は先生がコントロールして指示をだし
先生に反発することは良しとはされません。
いつしか、私たちは指示待ち型人間になり
その指示を疑うことはしません。

私たちは信じ、そして依存しすぎる傾向がありませんか?
すぐ人に頼ったり、聴いたり、ネットで調べませんか?
例えばTVで流れてくるニュースを鵜呑みにして聞いていませんか?
新聞を疑わずに読んでいませんか?

人を信じ、ベルトコンベアーに乗って
誰かに支えてもらい幸せが上から降ってくる時代ではありません。

ニュースは人が作るのです。
それもインパクトのある部分だけを切り取りがちです。
新聞も人が作るのです。
スクープは、過激な内容だと誰もが読みたくなります。

私たちは誰もが見間違い勘違いし、失敗するのです。
ニュースや新聞も同じ人間が作っているのですから
当然100%正しくないし、本当にそうかなと思うことが必要です。
同じ事柄は人の捉え方や意図で180度違う内容にすることも可能ですから。



昨年あるコミュニケーショントラブルを経験したとき
息子に痛い言葉を言われました。
「本当の友達とはただ盲目に信じることではなく
疑う義務と権利も果たしてこそ、本当に対等であり助け合うことでは?」と。
まさか息子から諭されるとは思いもよりませんでしたが
私は、それからその人のあり方自体は疑うことは出来なくても
その人の言動・行動・発言は、裏から見たり斜めからみて
冷静に考えて分析をするよう努力をしています。

そして、時にはNOともハッキリ言います。
覚悟を決めて真剣にNOと言うときは友情を失ったり
嫌われるような恐怖感がありますが
媚びるようにYESということはしないようにしています。

一生懸命自分の力で考えて、腹をくくって
真剣にかかわること。
その結果のNOなら仕方ないと思います。

詐欺師に騙されることは不幸です。
今日TVで自分の体験を話された女性の方は
心底お辛い状況でしょう。
その辛い気持ちを汲み取って、
私たちは学ばなければいけないし
盲目に信じる習慣を変えるべきです。

被害者になったら
周囲は同情してくれるかもしれませんが
でも失ったお金は・・・・絶対に戻ってはきませんから。

疑う力、断る力 そして考える力が
必要な世の中です。
信じる力、引き受ける力 そして感じる力と同じように
バランスよく持たなければいけない力かもしれません。

オレオレ詐欺は・・・もう日本では通用しない・・・・。
そんな国にしなければと心から思います。