イタリア国債入札は無事終了。 これからの日本のゆくえは... | ファイナンシャルプランナーのお役に立つブログ

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 ゴールデンウィークに入って、夜行バスの大きな事故がありました。デフレ下において、運賃が安いというのは嬉しいもので、昼夜問わず、バスのニーズは高いようです。飛行機や列車と違い、自動車は事故の危険度が高まります。今回も運転者ひとりということでしたが、これも規制緩和により、多くの会社がバス事業に参加することによる競争激化が原因のようです。コストカットですね。すべて規制緩和が根幹にあります。
 問題の質は違いますが、AIJ投資顧問の問題も、規制緩和により、投資顧問業が届出制になったことによる弊害であると指摘されています。当局の監視が行き届かなくなたことが指摘されています。

 イタリア国債の入札は無事終了しました。スペイン国債の入札もそうですが、要は国債の買い手がいるということです。買い手がいないと当然入札はうまく いきません。不動産証券化商品が問題になったときもそうでしたが、問題発覚時は、買い手がいなく売ることもできませんでした。その後、買い手が出てきたので売れるようになりました。買い手は中央銀行です。無条件にすべてを買い取りましたからね。当然値は下げますが、それは順調に手放せているとも言えます。
 今は、ヨーロッパ諸国の債券の買い手がいるということです。ヨーロッパでは、二度にわたる大型の量的緩和でほぼ収束に向かています。ヨーロッパのニュースは投機筋の材料でしかありません。あわてないようにしましょう。

 昨日のブログでは、今迄の世界の動きを整理しました。今日は、日本の行方をちょっと考えてみましょう。

 なんといっても選挙があるのかないのかです。小沢一郎元代表の無罪判決で、連休明けにも党員資格停止解除がささやかれています。政治の表舞台復帰、9月の代表選立候補もうわさされています。当然、野田政権が掲げる消費税率引上げに関しては反対を表明するでしょう。

 野田政権が、この消費増税関連法案を、本気で通すのかどうかで、政局は変わってきます。参議院では与野党逆転状況ですから、自民党と手を組まない限り、法案成立はできません。連合総会でも、野党との協力を強調していました。そうなると話し合い解散ということになるのでしょうか。

 とにかく、昨日のブログでも書きましたが、日本政府や官僚(特に財務官僚)にとっては、国債格下げ阻止がすべてです。そのための財政再建です。そのための海外アピールが、消費税率の具体的な税率の提示と引上げ時期の設定です。それゆえこの法案は絶対に通すのでしょう。そうなると話し合い解散でしょうか。

 原発再稼働も、国債格付け引下げと関係しています。安全面から考えれば、絶対に再稼働はあり得ません。また、今の日本において原発そのものが必要かどうかの、そもそもの議論に立ち返るべきだと思います。日本には地熱発電が一番ふさわしいと言いきれます。

 ところが、電力の安定供給を、空白なしに行わなければ日本の国債格付けは引き下げられる可能性があります。企業活動に影響するからです。震災後、日本マーケットが大きく下落したのは原発停止による計画停電が原因でした。電力の安定供給なくして、経済の発展はありません。そのためには原発は必要というロジックだけは是が非でも死守したいのでしょう。
 もし日本国内の原発稼働をゼロにして、それでこの夏を乗り切ることができれば、二度と原発に火をともすことは世論が許さないでしょう。それゆえ国内原発稼働ゼロという事実だけは避けたいのが、原発村の思惑です。

 何度も言いますが、安全面においても、コスト面でも、安定供給という面でも、原発が必要かどうかはもっと議論すべきです。ただ、海外の目はそうは見ていないのも事実です。当面は、原発を稼働しない限り、電力供給に支障をきたすと判断するのでしょう。アメリカのオバマ大統領が掲げたグリーンニューディール、Co2削減、地球環境保護の行き着く先は原発再稼働です。それが彼がノーベル平和賞をとった根拠となる、世界のプルトニウムの平和的利用のいくつ先です。そのためには、ずっと稼働させてきた日本原発の技術力は不可欠です。そこにも中央は目が言っているとも思われます。原発技術の輸出は絶対に行いたい政府事業でしょう。当然経団連もそう願っていると思います。

 となると、大飯原発再稼働は、すでに再稼働ありきで、物事が進んでいるのでしょう。消費税率引き上げと原発再稼働、これらは国民感情とはまたく違う次元で、すでに動き出しているような気がします。それはTPP参加に関しても同じことが言えるような気がします。

 この流れは、たとえ、選挙で政権の枠組みが大きく変わっても、日本国内だけの問題ではなさそうなので、結局は、アメリカとの折衝で考えられるのでしょう。となると、中国側に大きく舵を切った小沢一郎という人物は、また、こういった官僚制度を壊そうとする小沢一郎は、アメリカにとっては相当、煙たい存在なのかもしれません。

 日本経済においては、おそらく今年、来年はアメリカ独走で、強いドル政策へと舵を切れば、当然円安となります。日経平均株価には追い風となりますね。悔しいけれども、アメリカの好調さが、為替の面で日本を引っ張るということになりますね。この図式は、今後もずっと変わらないようです。