虹伝説!幻の「レインボー鍋」再び! | 大ぼら一代番外地

虹伝説!幻の「レインボー鍋」再び!

昼前に大阪アジトを出発、いざ未だ氷雪の世界たらん明日香の深山へ。相も変わらず水切り籠内の食器は凍り付く様なれば、本日も室内は優に氷点下なれど、ライフラインたる水道は未だ確保されし。何せ昨冬なんぞは、共同井戸諸共完全凍結たる前代未聞の惨事となれば、御近所さん含め集落全戸断水の憂き目に遭わされし有様、そもそも地下水が凍結なんぞ聞し覚えさえなければ、未曾有の出来事たりしとは云わずもがな。然ればこそ水道が確保されしを確認するがいの一番、ミネラルウォーターなんぞ購入し得るコンビニやスーパーなんぞ遥か彼方たる人外魔境の如き僻地なれば、水こそライフラインと知るものなり。
帰り際に立ち寄りしスーパー玉出の惣菜コーナーにて「チキンライス」100円也を購入すれば、備蓄食材たる玉子を1個召喚、チキンライスをフライパンにて温めつつ、もう1枚のフライパンにて薄焼き玉子を拵え、斯くして「オムライス」として食すや大いに美味なり。如何せん当山寺には、電子レンジなんぞと云う文明の利器あらざれば、ワンタッチにて温め直すどころか、解凍さえ随分面倒にして、況して氷点下の室内にて惣菜さえ凍結するは時間の問題、冷飯ならばいざ知らず、凍飯は到底食えぬ代物にして、然ればこそひと手間を惜しまず、斯くも手を加えんとする次第。

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東君のシンセサイザーのオーバーダブも恙無く終了すれば、いよいよ御愉しみたる打ち上げなり。東君達ってのリクエスト頂けば、今宵は2年ぶりなる究極の絶品鍋「レインボー鍋」と、疾うに決められており、食材も明日香への道すがらにて全て買い揃えし次第。レインボー鍋とは、長年に渡り私と東君が、赤貧生活に於いてでさえ、せめて鍋の醍醐味を満喫堪能せんと、2人してあれこれ創意工夫を重ね、毎年次々と新たな鍋を編み出せし末、遂に到達せし究極の鍋料理なり。先ずは前回のレインボー鍋詳細レポを御一読下されば有り難き限り、何せ同じような内容を、わざわざ二度綴る手間も省ければこそ、悪しからず。
斯くして前回の反省点も幾つかあれば、今回は其処より改善せんとす。先ず前回は出汁取り用にぶち込みし有頭甘海老なれど、流石に素晴らしき出汁を醸し出して下さればこそ、その身は凡そ食らうに当たり、随分頂けぬ出涸らしと相成りしは当然、然ればこそ今回は、有頭甘海老の頭と殻のみを出汁取り用に予め分け、身は甘海老しゃぶしゃぶとして堪能せんとす。嘗ては帝都にも居住されし東君が、麻布の魚屋にて働かれし経験を生かし、此処は甘海老の解体を志願担当されし。

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斯くして取り分けられし甘海老の頭と殻、更に日高昆布にて、絶品たる出汁を取らんとす。

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こちらがレインボー鍋用食材全景。

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レインボー鍋無敵の先鋒たる海鮮部隊は、東君にて見事に盛り付けられし甘海老、蠣、白子、蛤なる何とも豪勢なる布陣。然れど全て激安スーパー玉出にて調達すれば、驚くなかれ、高が1000円にさえも満たぬ次第。Viva!! 激安スーパー玉出!我等貧乏人の救世主たらん。

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こちらはレインボー鍋本陣たる肉部隊、私の特製「ふわふわ鶏蓮根団子」も末席に並べば、骨付き鶏腿肉、豚バラ肉なる布陣なり。

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更には出汁の隠し味たるべく練物部隊、ゴボウ天、うずら巻、餅巾着は不可欠ならん。

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巷にては野菜の価格高騰と東君より伺えど、旬の野菜は格安にて明日香村産を取り揃えれば、水菜2束100円也、白菜1玉80円也、

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大根1本60円也、葉付き蕪4個60円也、更には産地が他所たりししめじ1パック98円也、椎茸のみスーパー玉出にて購入すれば、大袋入り中国産椎茸1袋これまた98円也。

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豆腐は勿論私が呼ぶ処の所謂「大阪型」即ち名古屋等にて見掛ける豆腐に比べ、厚み半分程の代物、果たしてこの豆腐が、大阪若しくは関西地区特有なるか否かは存ぜねど、何しろ切り分けるも容易にして、そもそも馴染み深き代物なり。傍らには、〆たるべくうどんとラーメン2種を用意せり。

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箸休めには、ついぞ随分ハマりし「自家製あん肝」を、是非東君にも御賞味して頂かんと、この末席に加えし次第。斯くして用意せし食材費用合計とは、月桂冠2L紙パック1本1180円也を含めてさえ、4000円程に収まれば1人当たり2000円也、いやはや何事も手間を惜しまず、且つ赤貧なればこその創意工夫に尽きん。

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然れどレインボー鍋と云えば、何於いても欠かせぬは、7種の付けダレを入れる7枚の器にして、2人して鍋を囲むならば勿論14枚の器に他ならん。況してや器の色や形状が不揃いなれば、美的に許されざるも当然、それも美食は先ず目で愉しまんと思えばこそ、斯くして14枚の器並べば圧巻なり。これも山寺の備品を拝借させて頂けばこそ、仏様!有り難う御座います。

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さて肝心要なる今年の7種の付けダレなれど、前回敢え無く戦力外通知を告げられし「韓流ジャンジャン」を除外、代わりに先日紹介させて頂きし今冬の新作鍋こと「絶品タケシオイルで頂くなんとなくチャイナ火鍋」の要たる絶品「タケシオイル(食べる辣油バージョン)」を召喚、辛味を苦手とする東君にはマイルドなる「タケシオイルのポン酢割り」を提供、斯くして此処に7種の付けダレ揃い踏みせし次第。写真前列左より「酢味噌」「感動の味噌だれレプリカ」「中国4000年香辛腐乳胡麻油」「昆布ポン酢」後列左より「黒胡麻味噌」「酢おろし生姜」「絶品タケシオイル」なり。前回用いし「高知馬路村のポン酢しょうゆ柚子の村」は疾うに空となれば、今回はそこらにて入手可能なる御手軽「昆布ポン酢」を以てその重責務めさせる次第。改めて申し置くまでもなく「味が太い系」とは「感動の味噌だれレプリカ」「中国4000年香辛腐乳胡麻油」「黒胡麻味噌」の3種にして、片や「さっぱり系」とは「昆布ポン酢」「酢味噌」「酢おろし生姜」の3種、更に今回より新たに加わりし「刺激系」として「絶品タケシオイル」が末席に並ぶものなり。

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これを以て「七色の鍋」こと「レインボー鍋」極意と知れ。

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先日わくわくケトルにて燗せんと、酒湯婆2個共に大阪アジトへ派遣せし儘故、迂闊にも燗する道具あらずして、然れば嘗てドイツのトルコ人街にて購入せしトルココーヒー用ジェズヴェ2個があるを思い出し、これにて代用せんと薬缶(小)へ突っ込めば、これが見事にジャストフィット、斯くして無事燗し得る運びと相成り安堵せり。

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然ればいざレインボー鍋を堪能せん。先ずは見事に盛り付けられし甘海老を召喚、これを昆布と甘海老の頭と殻にて取りし出汁にてしゃぶしゃぶすれば、絶品たるは云わずもがな。然れど今宵は海老しゃぶならぬレインボー鍋なれば、果たしてどのタレに付けて食らうかが大いなる楽しみにして、様々な味わいに舌鼓乱打し捲れば、これぞレインボー鍋の醍醐味なり。

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7種の付けダレを以てすれば、蠣もまた堪らぬ程に美味たるは当然、更に蛤も満喫堪能すれば、

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いよいよ骨付き鶏腿肉と練物、更に旬の野菜等もぶち込み、究極の美味を求め各々具材と付けダレの組み合わせあれこれ試せば、大いに楽し気限りとは云わずもがな、斯くして心行くまで己が道を以て美酒美食を堪能せん。これより以降は、幾重にも至福感多幸感に包まれし挙げ句、悦楽昇天せし我々なれば、写真撮影なんぞしてる場合ちゃうとばかり、一切撮影記録なければ悪しからず。

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2人して飲み倒し食い倒れ、朝を迎えれば雪またしても降り積もり、

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台所の食卓テーブルに鎮座せし鉄瓶内は氷結、

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流し台に干されし布巾も、斯くなる様にて凍結、水切り籠内の食器も見事に凍結せし有様。

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然れど未だ水道確保されておれば、今朝も先ずは神様仏様に感謝せり。さて朝飯は、前回同様、昨夜の「レインボー鍋」にラーメン2玉をぶち込み、いざ「レインボーラーメン」として食さんとすれば、無類の麺好きなる東君自ら、先ずは鍋に残されし出汁より今一度丁寧に灰汁を掬い、水を加え煮立つや麺をぶち込み茹で上げられし。

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芳しき海老の香りに噎せ返る程にして、前回は麺を再び7種の付けダレにて、つけ麺の如く堪能すれど、今回は麺をスープ共御椀に盛るや、先ずはその芳香漂うスープ共々デフォルトにて食らわん。海老のみならず、練物や骨付き鶏腿肉、野菜各種の旨味成分も溶け出せば、その美味さたるや云わずもがな、更にポン酢少々を注せば、豊穣にしてあっさりせし絶品和風スープへと豹変、これまた堪らぬ程に美味、麺諸共スープも飲み干し、今一度麺をスープ共御椀に盛るや、今度は「感動の味噌だれレプリカ」を少々溶き入れし。そもそもこの「感動の味噌だれレプリカ」とは、豚骨スープがベースなれば、これまた絶品極まりなしとは当然至極、無類の麺好きたる東君なんぞ、替え玉を用意せじを大いに悔やまれる程の食いっぷり、斯くして足掛け2日にて「レインボー鍋」大いに満喫堪能せり。

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東君曰く「レインボー鍋は人を幸せにするね~!」素晴らしきかなレインボー鍋、然ればその第一歩とは、7枚揃いの器を揃えるべし。良き道具を以て美食を迎えるは、心より美食を堪能せんとする真髄にして正道なり。我々の如く赤貧人生に於いて云う処の良き道具とは、所謂高価か否かにあらずして、己れの美学を照らし合わせ納得し得る物たるべし。仮令ささやかなる美食を以ても、心豊かとなれば、其の人生もまた豊かとならん。