「前世療法」ブライアン・ワイス著 解説 その8 信頼 | LEO幸福人生のすすめ

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「あなたは今生どんな教訓を学ばなければならないのですか? 今生、あなたが成長を続けるために学ばなければならない最も大切な教訓は何ですか?」
「信頼することです」と彼女は即座に答えた。彼女はすでに自分にとって一番重要なことが何かを知っていた。
「信頼?」と私は彼女の反応の早さにびっくりした。
「そうです。神を信じることだけでなく、人を信頼することを学ばなければならないのです。私は人を信頼していません。みんなが私にいじわるをしようとしていると思い込んでいます。だから私は本当は逃げてはいけない人々や状況からいつも逃避しているのです。そして結局は、本当は離れなければならない人達と一緒にいることになるのです」。

超意識の状態にいる時の彼女の洞察力はすばらしかった。彼女は自分の長所と短所をよく心得ていた。きちんと目を向けて勉強しなければならないところがどこか知っていた。そして問題を解決するために、どうしたらよいかもわかっていた。唯一の問題は、このような洞察力を彼女の顕在意識に到達させ、彼女の日常生活に生かす必要があるということだった。超意識下の洞察力はすばらしいものがある。しかし、それだけでは彼女の生活を変えることはできないのだ。


人を信頼することを、私は学ばないといけない、とキャサリンの潜在意識は述べている。

こうした奥深い意識で語る彼女の言葉、その洞察はとても深く、素晴らしい、とワイス博士は述べている。
しかし問題なのは、潜在意識ではそれだけ深く洞察できているはずの彼女の魂が、肉体に宿った地上人生では、そこまでの認識を持てずに生きている、ということだ。

これは、人が生まれる前に、今世はこれこれ、こうしたことを学び、身に着けるために頑張って生きてみます、と言って勇ましく生まれ変わってきたのに、実際の地上生では、そこまで予定通りには生きられず、下手をすると半分以下か、最悪の場合、落第点を取って人生を終えることがある。

という事例と比較できるかと思う。

わたしたち人間は、魂の本質においては、もっと多くのことを本当は知っていて、しかもそこまでの配慮を持って生まれ変わってきている。
しかし、肉体に宿るやいなや、その能力はかなり落ちてしまって、本来考えていたことすら忘れ果ててしまい、いつしかこの世の人生がすべてだと勘違いするようになって、肉体に囚われた人生を生きてしまうのだ。

ではどうしたら、肉体に宿っておりながら、本来の純粋な魂の思い、気持ちを忘れずに、生きることが出来るのか。霊的な生き方をすることが出来るのか。



キャサリンは、他人を信頼すること、に関して、面白い自己分析をしている。

 

 

 

神を信じることだけでなく、人を信頼することを学ばなければならないのです。

私は人を信頼していません。みんなが私にいじわるをしようとしていると思い込んでいます。

だから私は本当は逃げてはいけない人々や状況からいつも逃避しているのです。そして結局は、本当は離れなければならない人達と一緒にいることになるのです


本当は信頼できる相手であり、その人と一緒にいたら幸せになれるような、そうした縁の深い相手であるかもしれないのに、素直に信頼できないがために離れてしまう。逃避してしまう、とか。

その反対に、自分を束縛するだけの相手であり、あまり深く関わるべきでない相手であるにも関わらず(これまた同じく悪縁はあるからそうなるのだけれども)、そうした人たちとの関係から離れられずに、いつまでも苦しい状況にみずからを追い込んでしまっている。

といったこと。

あるいは逆に、イヤな相手だけれども、離れるべきではなく、その人との関係から何かを学ぶべき、ということもあるだろうし、その反対に、良好な関係なのだけれども、一緒にいると依存しすぎるので多少は離れた方がいい、という関係もありますからね。

良好な親子関係とかは、そういう部分があるでしょう。いつまでも依存しすぎていては、十分な自立が出来ないといった場合。
その反対に、いやな相手だからといっても、簡単に縁を切るのがいいのか、それとも距離を取りつつ、学ぶべき部分を相手の中に見るのか。といったパターンもある。

好き嫌いで、好きな人とは一緒にいればいい、イヤな相手とは縁を切ればいい、という単純なことを述べているわけではない、というところに注意すべきかと思います。

愛別離苦、怨憎会苦、という仏教の教えもあるように、人間関係はそうそう好き勝手には出来ないものですし、そこにこそ、人生における学びの意義がある、とも言えるのだから。

キャサリンが言う、人を信頼すること、というのは、そういうことも踏まえて、非常に深い意味で述べているのだということを、深く深く理解したいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

「交際を絶った方がいい人達とは誰と誰のことですか?」と私は聞いた。彼女はしばらく黙っていた。「ベッキーだと思います。それにスチュアート……なぜか彼らに傷つけられそうです」 「傷つけられないようにすることはできませんか?」 「完全にはできません。でもあの人達の考え方に巻き込まれないようにすることはできます。スチュアートは私をがんじがらめにしようとして、それに成功しています。うまく私を利用して、彼は私がこわがっていることをよく知っています。私が彼を失うことをとてもこわがっているのを知っていて、それを利用して私を彼にしばりつけているのです」


このくだりでのキャサリンの洞察は、自分にとってマイナスとなっている知人、ベッキーやスチュアートとは距離を取る必要がある、ということでした。
しかしそうすることが出来ず、関りを断ち切れず、それがために自分は苦しむはめになってしまっている、という自己分析をしています。

ベッキーに関しては、

 

 

 

 

 

 

「彼女はいつも、私が人を信頼するのをじゃまするのです。私が人の長所を見つけると、彼女は必ずその人を悪く言います。そして私の心に悪い思いを植えつけようとするのです。私は信頼すべき人を信頼することを学んでいるのに……彼女は私に人に対する疑いの念を抱かせようとするのです。それは彼女の問題です。私はもう彼女の思うつぼにははまらないわ」。


こういう風に、一緒にいることでいつも不快な思いをさせられたり、イラっとさせられたりする人間関係というのも確かにありますからね。

ではそれでも縁があるから、学びを得るために、その相手とも大調和をすべく努力をしなければいけない、と考えるのか。

しかして、あまりに無理をしすぎて、そういう理想主義的な生き方で自分を縛ったら、伸び伸びとした大らかな心でもって生きることは難しいでしょう。

そういう相手とは距離を取ることもまた、智慧の一つであるのだし、魂の縁があるからといっても、いつもガップリ四つに組んで、自分の側だけ真剣勝負する必要は無い、とも考えられますしね。

人間関係の距離の取り方。その難しさ。

しかして基本的には、人を信ずる心を学ばないといけないのだ、というキャサリンの自己分析は、これはすべての人に共通している、人間としての普遍的な課題だとも思います。

それだけ人間関係を正しく築くのは難しいものだし、けれども、この部分が熟達するということは、それだけ人間としての成熟度が増す、ということでもあるからして、だからこそ、人間関係の学びというのは、もっとも重要な課題なのだと思うわけです。

 

 

 

 

 

催眠状態にいるキャサリンは、洞察力にすぐれ、人の気持ちがよく理解できるすぐれた精神科医になれそうだった。目覚めている時のキャサリンはこのような資質は持ち合わせていなかった。そのギャップを埋めるのが私の仕事のようだった。彼女の症状が著しく回復しているのは、次第にそれが実現しているからであった。


キャサリンの肉体意識は、その潜在意識が語っているようなことを理解できていない。

潜在意識の語る高度な洞察を、ワイス博士が聞いている。

ワイス博士を介して、キャサリンの高次意識を、日常のキャサリンに出来る限り、わかりやすく、上手に伝えて、彼女の自己変革を助けねばならない。

ワイス博士は前世においても、キャサリンの導き手であったように、今世もまた、キャサリンの魂を導いて努力することに、情熱をかたむけている。

 

 

 

 

 

 

 

「これはあなた自身の中からきているのですか?」 「でも、彼らが私に教えてくれたのです」と彼女はマスターを持ち上げた。 「そうだろうね」と私も認めた。「では、こうしたことをあなたにどのように伝えれば、あなたはもっとこわがらずに、受け入れることができるのですか?」 「あなたはもうそうしていますわ」と彼女はやさしく答えた。彼女の言っているとおりだった。


面白いのは、高次の話をしているのは、彼女の潜在意識であって、その意識が語る内容の高度さは、ワイス博士にとっても驚きの連続なわけだ。

にもかかわらず、その高度な教えをワイス博士なりに理解した範囲で、今度は、地上人生を生きているキャサリンその人の、表面意識、通常の意識を救おうとしている。

これは、彼女が、自分で自分を救っている。潜在意識が表面意識を導いている、とも言えるけれども、そこには、ワイス博士という存在が不可欠になっている、という点が興味深いですね。

ワイス博士は、審神者の役割をしているとも言えるし、潜在意識と表面意識の関係性を解き明かし、世の中に伝える使命を与えられているとも言える。

博士自身が、このセラピーを通して、この世界の神秘と真実を、学んでいるのだ、とマスターたちは説明しています。


 … つづく。