◎ファンタスティック・ネグリート・フィーチャリング・マサ小浜・ライヴ~矜持ある表現者 | 吉岡正晴のソウル・サーチン

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◎ファンタスティック・ネグリート・フィーチャリング・マサ小浜・ライヴ~矜持ある表現者

 

【The Fantastic Negrito featuring Masa Kohama Live At Bluenote】

 

表現者。

 

かつてエリック・ベネイが彼のステージを見に来ていた。ディアンジェロが彼のロック的CDを聴いて気に入り、わざわざ彼に会いに来た。ロバート・プラントがアルバムを聴いて、「好きなこと、やりたいことを(ほかの雑音にじゃまされずに)やり続けろ」とアドヴァイスした。そんなプロたちから慕われるファンタスティック・ネグリートの初来日コンサートがいよいよ幕を開けた。

 

期待にたがわぬそのステージは、もはやブルーズ・マンという概念を超えていた。CDショップでのジャンル分けでは確かにブルーズ部門になってしまうかもしれないが、もっとファンク、もっとロック、もっとルーツ・ミュージック、大きなくくりで言えば「魂の音楽」「ソウル」という感じだった。そして、ポエトリー・リーディングを思わせる声出しなどは、彼自身が言う「エクスプレッショニスト(表現者)そのものだった。

 

アメリカでは、実際はもっとトークが多いライヴだそうだが、ここ日本では英語がなかなか通じないというので、トークはできる限り少なめにしているという。

 

ファーストでは70分を超えて、マサ小浜からファンタスティックにもう1曲くらいでいいよ、と声がかかったが、「まだ30分くらいしか経ってないと思った」とステージ上で言っていたが、それほど集中してパフォーマンスを繰り広げていたのだろう。やる方も集中しているが、聴く方も集中した。

 

X(みなファンタスティック・ネグリートのことをそう呼ぶ)は、2ステージを全身全霊で全力でやり遂げる。本気度が半端ではなかった。それは二度も死にかけた彼がもつ人生観、今日のステージが最後になるかもしれないという強迫観念から来るのかもしれない。

 

下記セットリストで、1と2は新曲で、次のアルバムあたりに入るのではないかという。また、9の「オネスト・マン」と10の「ナイト・ハズ・ターンド・トゥ・デイ」は、『ラスト・デイズ・オブ・オークランド』の前年(2015年)に出たEP『デラックス・エディションEP』に収録されている作品。

 

また、11はトラディショナルな歌で、「イン・ザ・パインズ」のほかに「ブラック・ガール」などのタイトルでも長く歌われている作品。Xは、リード・ベリーのもので知ったという。それを少しアレンジ、歌詞などを変えて自分独自のものにした。

 

この日はかなり多くのマサ小浜ファンが来ていたようで、マサ小浜スペシャルでよく見かけるファンを多数見かけた。ひょっとしたらもうちょいマサ小浜の出番、ソロの尺があってもいいかもしれない。こういう黒い音でのマサ小浜は一段と光る。

 

ヴィンテージ・トラブルや、アラバマシェイクスあたりを好きな人たち、こういうブラック・ミュージックが好きな方にはお勧めだ。

 

■セットリスト~

ファンタスティック・ネグリート・フィーチャリング・マサ小浜 @ブルーノート東京

2017年4月7日金曜

 

First set

 

Show started 18:31

01.  Plastic Hamburgers [new song]

02.   The Duffler [new song]

03.   The Nigga Song

04.   About A Bird

05.   Scary Woman

06.   Rant Rushmore

07.   Hump Through The Winter

08.   Working Poor

09.   Honest Man

10.   Night Has Turned To Day

11.   In The Pines or also known as [Where Did You Sleep Last Night?] [Black Girl] (Traditional, Bill Monroe, Lead Belly)

12.   Lost In A Crowd

Show ended 19:50 (79 minuets)

 

Second Set

 

Show started 21:01

01.   Plastic Hamburgers [new song]

02.   The Duffler [new song]

03.   The Nigga Song

04.   About A Bird

05.   Scary Woman

06.   Rant Rushmore

07.   Hump Through The Winter

08.   Working Poor

09.   Honest Man

10.   Night Has Turned To Day

11.   In The Pines or also known as [Where Did You Sleep Last Night?] [Black Girl] (Traditional, Bill Monroe, Lead Belly)

12.   In The Shadows [new song]

13.   Lost In A Crowd

Show ended 22:28  (87 minutes)

 

MEMBERS

 

Fantastic Negrito(vo,key,g) ファンタスティック・ネグリート(ヴォーカル、キーボード、ギター)

Masa Kohama(g) マサ小浜(ギター)

Tomas Salcedo(g) トーマス・サルセド(ギター)

Jayvyn Williams(key) ジェイヴン・ウィリアムス(キーボード)

Mike Shiono(b) マイク・シオノ(ベース)

James Small(ds) ジェイムス・スモール(ドラムス)

 

(2017年4月7日金曜、ブルーノート東京、ファンタスティック・ネグリート・フィーチャリング・マサ小浜ライヴ)

 

■初来日ライヴは4月7日~9日、ブルーノート。

 

■ライヴについて

http://www.bluenote.co.jp/jp/artists/fantastic-negrito/

 

予約→

https://reserve.bluenote.co.jp/reserve/plan

 

■ファンタスティック・ネグリート・フィーチャリング・マサ小浜

会場 ブルーノート東京 

東京都港区南青山6-3-16 ライカビル

03-5485-0088

(東京メトロ表参道駅下車 徒歩約8分)

2017年4月7日(金)開演18時30分、21時 (各ステージ入れ替え)

4月8日(土)開演17時、20時(各ステージ入れ替え)

4月9日(日)開演17時、20時(各ステージ入れ替え)

料金 8000円

出演メンバー

 

Fantastic Negrito(vo,key,g) ファンタスティック・ネグリート(ヴォーカル、キーボード、ギター)

Masa Kohama(g) マサ小浜(ギター)

Tomas Salcedo(g) トーマス・サルセド(ギター)

Jayvyn Williams(key) ジェイヴン・ウィリアムス(キーボード)

Mike Shiono(b) マイク・シオノ(ベース)

James Small(ds) ジェイムス・スモール(ドラムス)

 

■ブルーノート・ウェッブサイトの記事

 

グラミー賞を獲得したばかりのブルースマンが登場!

http://www.bluenote.co.jp/jp/news/features/8033/

 

■紹介記事

7 Facts to Know About Fantastic Negrito Before He Blows Up

https://www.wired.com/2015/09/7-stories-about-fantastic-negrito/

 

■こちらでアルバムを全曲聴けます。予習にどうぞ。

 

グラミー獲得アルバム全曲(13曲)フルサイズ試聴

https://soundcloud.com/fantastic-negrito

 

■コメントしました。

https://www.facebook.com/BLUE.NOTE.TOKYO.official/posts/1454357911252992

 

■グラミー賞獲得CD、マサ小浜全面ギターで参加

Fantastic Negrito – The Last Days Of Oakland

https://goo.gl/0morYa

 

■マサ小浜とイグザヴィア(X)の物語

 

ホームレスからグラミー賞を獲得するまでのイグザヴィア(通称X)の波乱万丈物語。

 

マサ小浜とイグザヴィア~太平洋をまたぐ2人のソウル・メイトのクロスロード~(パート1)

2016年06月26日(日)

http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-12173783678.html

 

マサ小浜とイグザヴィア~太平洋をまたぐ2人のソウル・メイトのクロスロード~(パート2)

2016年06月27日(月)

http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-12174040575.html

 

ENT>RADIO>DAVE FROMM SHOW

ENT>RADIO>FANTASTIC NEGRITO, MASA KOHAMA

 

ENT>MUSIC>LIVE>Fantastic Negrito featuring Masa Kohama