○『夜のプレイリスト』第5夜~アース・ウィンド&ファイアー『オープン・アワ・アイズ』 | 吉岡正晴のソウル・サーチン

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○『夜のプレイリスト』第5夜~アース・ウィンド&ファイアー『オープン・アワ・アイズ』

 

【Playlist Of The Night : Earth Wind & Fire’s Open Our Eyes】

 

第5夜。

 

一週間にわたってお送りしてきた『夜のプレイリスト』、第5夜は、アース・ウィンド&ファイアーの1974年発表『オープン・アワ・アイズ』です。

 

これは、アースのコロンビアからの3枚目、ワーナーから2枚でているので、通算5枚目。前作『ヘッド・トゥ・ザ・スカイ』がアメリカでは売れていて、それに続くアースの作品で、ブレイクし始めの勢いのある作品。この後に、『ザッツ・ザ・ウェイ・オブ・ザ・ワールド』(1975年)へと続いていくところのもの。

 

アースのアルバムでは、この次の『ザッツ・ザ・ウェイ・オブ・ザ・ワールド(暗黒への挑戦)』、『スピリット』、『オールン・オール(太陽神)』、『アイ・アム(黙示録)』などもいずれも傑作ですが、まずは『オープン・アワ・アイズ』を選びました。

 

実は僕が初めて買ったアースのLPがこれでした。(正確にはこの前のアルバムとほぼ同じ時期に買ったようでどちらが先かはっきりしないのですが) たぶん出た時にすぐに買ったので1974年4月頃のことです。当時は、たぶん、日本ではこのアースをどう捉えていいかわからない時期でした。ソウル・ファンからもロック・ファンからもどのように捉えればいいのだろうという感じでした。

 

アルバムにさきがけて「マイティー・マイティ―」がシングル・ヒットしていて、それを受けてのアルバムだったので、期待度も超大でした。シングルが先にでてその7インチをよくかけていました。そしてその一か月後くらいにアルバムが出ました。

 

僕は当時すでに六本木のブラザーたちがたくさんやってくるディスコ、エンバシーでDJをやっていましたが、この「マイティー・マイティ―」をかけると、一斉にブラザーたちが踊り始めたのがものすごく印象に残っています。つまり、黒人たちの圧倒的な支持を肌で感じ取ったのです。それはかつてジェームス・ブラウンのレコードに踊り狂う反応を見せた彼らと同じものでした。そのとき、「今、これが来ている」あるいは「これが来る」という感触を持ちました。

 

このアルバムからは、さらに「カリンバ・ストーリー」そして、「デヴォーション」とヒットが続き、前作アルバムに続いてゴールド・ディスクになりました。「デヴォーション」はブラザーたちがチークを踊っていました。その怪しげな光景もまた強烈なインパクトがありました。

 

こうしたことは、ラジオを聴いていたり、レコードを自宅のステレオで聴いているだけではまったく感じられない、わからない、知る術もない「音楽との接し方」でした。これは、それよりも前にジェームス・ブラウンをエンバシーで聴いたり、かけたりしているときにもすごく感じていたことですが、そうした音楽の持つ力をアースはより強固なものとして教えてくれた気がします。

 

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モーリス・ホワイトの自伝(英語)

 

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