聖ワルプルガ・イブの夜話。 | 木製魔術道具作家☆ルーン&オガム マスター☆そらのともしび Official Blog

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北部ヨーロッパの樹木信仰をベースにした魔術道具制作、古代ゲルマンの文字・ルーンや古代アイルランドの文字・オガムを使ったリーディングやリーディング講座を主催しています。

5月1日はケルトの暦や祭儀が元になっている
『ベルテーン』の祝祭ですTREEキラキラ

ケルトの人々は、1年を2つに分けて捉えていて
ベルテーンの日は夏の始まり。
冬至の日に復活した太陽(神)の
本来のパワーがマックスとなることをお祝いする日。
他にもいろいろな意味がある、とても重要な日です。

昨年は初夏を祝う日にピッタリな気候の中
屋外サバトでお祝いしたんだったっけえっへんウフフ


★過去記事矢印『輝く緑に包まれて、ベルテーンサバト☆』


そして今日4月30日は、俗に言う
『ワルプルギスの夜』

『ワルプルギスの夜』が
世界的に有名になったのは19世紀。
ゲーテがその著書『ファウスト』の中に
ドイツのブロッケン山に集う魑魅魍魎の
乱痴気騒ぎの模様を描いたことから。

『ファウスト』が出た頃の『ワルプルギスの夜』のイメージ↓1↓コチラ


ヒドス・・・(ノД`)シクシク
いっこずつ見てったら、本当にヒドス・・・。
書き表せないくらいヒドス・・・。

(ぶっちゃけて言っちゃえば、
中世のエログロナンセンス集大成とでもいいましょうかね。
まだまとめ途中なんですけど
中世の『魔女』に関する一連の流れって
下世話な週刊誌的なノリが、根底に流れてたんではないかなぁと
なんかそういう風に思ってしまうんですけどどうでしょう?)


ゲーテ大先生のお蔭でブロッケン山の観光化が進み
4月30日では山頂の小屋で
観光客の乱痴気騒ぎが見られたとか・・・。
怖いもの見たさの肝試し的な?
ヤンキーの初日の出暴走的な?(違うか汗

なんか・・・昔も今も、一緒なところがあるかもですねぇ・・・ヘロヘロ汗

でもでも、この絵のような『ワルプルギスの夜』って
単なるイメージだって、皆さんはもうご存知ですよ、ね?
中世の時代でも、『魔女はサバトに出掛ける』
と言われていましたが
実際にサバトが行われていた形跡はないとの事。

ただ、初めにも書いたように
キリスト教が伝わる遥か以前より受け継がれた
ケルトの暦のような牧畜農耕歴に基づく作業や祝祭の日、
そして自然崇拝なり地母神信仰なりがあって
キリスト教が浸透してくる時代においても
その風習を行っていた人たちはいた訳ですよね。

中世も進んできますと
キリスト教はもはや、宗教を越えてしまって
これで言葉があっているかわかりませんが
信仰というよりも、社会を構成する骨組み、
みたいになっちゃっていましたから
どっちかっていうと『信仰を広めるぞ~!』と
頑張っていたのはワルプルギスのいた時代前後ぐらいで
その後は政治や司法の仕組みみたいになってしまってて
そういう人たちからしたら、キリスト教で統一した方が
何かと都合もいい訳で、
これまでのいわゆる異教の風習を貶めるための
プロパガンダ的な意味合いプラス、
その土地(特にドイツ)に伝わる、民話の中の魔女的存在
それと、社会的背景(キリスト教の異端審問や病気の流行など)
が絶妙に重なり合った上でのこのファンタジー、というかね。
(長いorz

それにしても肝心(?)の『ワルプルギス』
日本人の一部に燃え盛る中二病という尽きることない炎に
油を注ぐような響きが魅力的ですけれど
こちらはそもそも人の名前なんですよね~。

ブロッケン山はドイツだし、ドイツに由来が?
なんて思いますでしょう?

ところがどっこい、『ワルプルギスの夜』の由来になった方は
イングランドの貴族(王族とも)のお生まれ、と伝わっています。

時は西暦710年。
アングロサクソン七王国のひとつ
イングランド南部のウェセックス王国で生まれた王女様。
名前はワルプルガ(ワルバーガとも)。


(wikipediaより)


のちに聖人となります彼女。
だから、正確に言い表すのであれば4月30日は
『聖ワルプルガの日の前夜』って感じでしょうかね。

ワルプルガは3人兄妹。
ウィリバルドとウィニバルト(紛らわしいね(;^ω^)という
二人の兄がおりました。
(ちなみに、兄二人も聖人化(?)されています。)

ワルプルガは幼いころから
ウィンボーンの修道院にて教育をうけます。

一家は熱心なキリスト教徒だったようで
兄たちは722年に、ローマや聖地を巡礼した際
ローマ(イタリア)のモンテ・カッシーノの修道院に滞在し、
そこで修道士となりました。
(父親もこの巡礼に参加していたようですが、
旅の途中で亡くなった、という記述も。)

兄のウィリバルドは、同修道院再建を手伝うために残り
ウィニバルドはイングランドに戻ります。

8世紀頃と言えば、熱心に宣教が行われていた時代。
イングランドは特に、宣教の中心地であったようです。

ゲルマン(ドイツ)で宣教に身をささげていた
ボニファティウスと教皇グレコリウス3世の要請を受け
ゲルマン人への宣教のため、
ワルプルガは738年に
兄(ウィニバルド)と共にゲルマンに渡りました。

ワルプルガはフランクフルトの修道院で
医術を学んだといいます。
その知識を使って多くの人を助けたそう。
(一説には異教徒への手を差し伸べたんだとか。)

のちに、ローマにいた兄ウィリバルドも
741年からボニファティウスに協力するため
ゲルマンに渡り、アイヒシュタットの司教に任命されます。

こうして兄妹たちは協力して
751年にヴュルテンベルクのハイデンハイムに
修道院を設立(男子と女子の2つ)し、
宣教に生涯を捧げました。

ワルプルガは女子修道院長となり、
兄が亡くなった後は、男子と女子両方の
修道院長として人々を導いたと言います。

亡くなったのは779年2月25日。
ハイデンハイムに埋葬された彼女のお墓からは
油が滲み出ていて、それを塗ると病気が治ったという
奇跡があったようです。

Twitterでいつも素敵かつへなちょこ面白い写本を
紹介してくださっている方がツイートされていました。



このことからか、キリスト教の聖人として
崇められるようになったようです。
(ちなみに聖人カレンダーには
2月25日が聖ワルプルガの日として載っている模様。)

しかし、彼女の聖遺物が5月1日に
アイヒシュタット(兄ウィリバルドが初めて司教となった場所)
に移された日であるから、とか
ハドリアヌス2世によって列聖された日であるため、
などという理由で
2月25日ではなくて5月1日も彼女の日となった、らしいです。
この辺もいろんな説があって、よくわからないみたいですね。

(あと、補足ですが
上で紹介したmare nostrum さんによると
ワルプルガの呼び名はたくさんあって
ドイツ語の意味もあるそうなんです・・・。
ワルプルガ、イングランド生まれじゃないの・・・?
この辺はまた調べてみたいと思います。)

という訳で、繰り返しになりますが、
クリスマス・イブがキリスト生誕前夜であるように
4月30日が聖ワルプルガの夜ってことな訳ですね。

それにしても、なんでしょう・・・既視感を覚えるこじつけ感。

暦の話を色々探っていくと
キリスト教の祝祭の後出しジャンケン感を何度も目にします。

2月の春の兆しを祝うインボルグだって・・・
キャンドルマスとか?
ハロウィンも万聖節ですしね。
そもそも、クリスマスだって
冬至の祝祭に絡めた話ですもんねぇ・・・。

でもまぁ、仕方ないですよねぇ。
キリスト教以前の祝祭に譲歩した、
譲歩せざるを得なかった・・・という事だと思いますので。

・・・っていうのは置いておいて。

要するに、ドイツのキリスト教を浸透させるのに
偉大な功績を遺した3兄妹のひとり
聖ワルプルガの日の前日に
異教徒が何やら集って怪しげな祭儀を行っている・・・?
っていう事から、名前だけ今に伝わっちゃったんでしょうかね。

今や『ワルプルギスの夜』は
一般的に魔女の大交歓会だと認知されてしまっておりますが
ブロッケン山の魑魅魍魎乱痴気騒ぎと
ワルプルガ、まったくなんにも関係なさそうなので
ちょっと(いや大分)かわいそうな気もします。

それと、『ワルプルギスの夜』の呼び名の一説には
前日の魑魅魍魎乱痴気騒ぎ=魔女たちの集いが
日付が変わっても(つまり5月1日になっても)
終わらないから、って事もあるそうです。

上にも書いてますがケルトの暦では
1年を2つに分けて捉えていて
5月1日が夏の始まりで
11月1日が冬の始まりなんですよね。

11月1日の前日は、日本でもお馴染みになりました
ハロウィン(サウィン)の日。
この日は、現実世界と異界の扉が開き
亡くなった人達が戻ってくるといわれていますが
ゲルマンの北欧神話では、この4月30日は
オーディンがルーン文字を生み出すために
世界樹ユグドラシルの樹に逆さ吊りになり
自らを槍で刺して死んだことを記念する日とも言われていて
だから、ハロウィンと同じように死者と生者の堺目が
薄くなると言われているんだとか。

5月1日には、世界の各地で何かしらの祝祭が行われていて
例えば、ケルトなら牛など家畜の消毒をするために
篝火を盛大に焚いて浄化や魔除けの行事を行いましたが
ゲルマンや北欧地域でも篝火を焚いて
死者や無秩序な霊を追いはらったんだそうです。

ワルプルギスの夜に魑魅魍魎の乱痴気騒ぎ、ってのは
北欧神話からも影響あったんですね~。
それが、悪魔と結びついちゃって色々・・・って事もあった訳か(;^ω^)

へ~と思っていたら、こんなツイートを発見。


ゲルマンと陰陽道(?)
ぜーんぜん関係ないのに、この妙な一致はなんなんでしょうね?

調べていると、こういう事に行きついたりして
本当に面白い。
集合意識では繋がっている、って話がリアルに感じられるような
そんな気がします。

今年のGWは、最大10連休だとか。
お天気も良さそうなので、お出掛けを計画されている方も
いらっしゃるかもしれませんね。
そんな方も、お仕事頑張る週間な方も、
素敵な5月をお迎えくださいね虹

Happy Beltane!!! ニコニコ  


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