2016年4月29日【日野】

 

ここ数日は以前訪れていた日野の記録をUPしていましたが、

今日の記事は数日前の情報です。

 

このイベント、ずっと参加したくて1年前から狙っていたのですよ!

 

◇石田散薬 製造体験

年に一度、土方歳三資料館主催で「石田散薬 製造体験」が行われます。

日野宿本陣文書検討会の方々のご協力のもと、実現できている体験会だそうです。

 

(σ・∀・)σ 石田散薬(いしださんやく)とは

 

先日の記事でも書きましたが、「石田散薬」は

新選組副長 土方歳三の生家で代々製造されていたお薬です。

 

効能は「骨つぎ、打ち身、挫き、腕腰痛、切り傷など」と伝わっています。

昭和23年の薬事法改正まで製造販売されていました。

 

石田散薬の得意先リストである「村順帳」には400件以上の名が連なり

その販路は現在も調査中のようですが、

わかっている販路については資料館でその地図をみることができます。

 

若かりし頃の歳三さんも薬箱を背負って石田散薬を売り歩いたとのこと。

お得先リストの地図をみると、歳三さんが歩いたエリアを想像できますね。

 

その製法は現在にも伝わっており、その一部を今回は体験してきました。

 

 

(σ・∀・)σ 早く行くべし

 

今年は、当日の入館者先着300名が製造を体験できました。

開始は11:00からですが、整理券は朝の9:30から配布されます。

 

(資料館は住宅街にありますから、9:00より前に並ぶのは×ですし、

壁際に整列して、おしゃべりの声も控えめに!ゴミも持ち帰りましょう。

来年も開催できるよう、参加者のマナーは大切にしたいものです。)

 

整理券をもらったら、資料館を見学したのち、石田散薬の製造体験となります。

 

私は友人Kと、朝9:30には資料館に到着できるように早朝自宅を出発。

眠い目をこすりながら9:30に資料館に到着するも…すでに長蛇の列!

 

資料館からグルーーーっと壁際に人が整列し、

角を曲がってもまだ行列。

 

これはまずかいもしれない(´-ω-`)

9:00に来るべきだったorz

 

結論からいうと、私で275番目。

ギリギリでした。

 

本当に体験したい本気の方は、

資料館から並んでOKと言われる時間には到着できるようしといたほうが良いですね。

 

ざっと見た感じですが、並んでいる方の90%は女性。

10代から30代の方が多かったように見受けられました。

 

夕方訪れた「新選組のふるさと歴史館」の方から聞いたお話によると、

新選組は圧倒的に女性ファンが多いらしいですね。

 

また最近は刀剣ブームもあって、兼定ファンの方も多くいらっしゃったようです。

 

並んでいる方のマナーも全体的によくて、嬉しい気持ちになりました。

 

 

(σ・∀・)σ お土産は早めに購入すべし

 

並ぶこと1時間半。

列はゆったりと進み、確か11:00頃には資料館の前にたどり着きました。

 

▼土方歳三資料館の前

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資料館前にはテントが設営されて、

石田散薬饅頭や、新選組饅頭、歳三ソーダに

兼定バームクーヘン(←これよく売れてました。ながーいバームクーヘンです。)

などのお土産ものも販売されていました。

 

▼私たちが帰るころに撮影したので、人は閑散としています

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資料館の中でも資料館のグッズが販売されています。

石田散薬のエコバッグとTシャツは、私もオススメのアイテムです。

↑もちろん購入済w

 

お土産は一部完売したものもあったようですし

資料館グッズも数は限られています。

 

どうしても欲しいものがあるなら、早めに購入したほうがよさそうです。

 

(σ・∀・)σ 和泉守兼定の刀身展示

 

入館料を払って館内に入ると、ちょうど土方愛さんの解説がはじまるところでした。

 

毎年この時期限定で、土方歳三の愛刀である「和泉守兼定」の刀身が展示されます。

今回のもう一つの目的がこれを見ることでした。

 

拵(こしらえ)は常設されていて、その解説(歳三さんの刀の握り方の癖など)については

以前訪れた折、愛さんよりお話をお伺いすることができました。

>以前の記事

 

ですが刀身はお初!

 

愛さんの解説によると、

京都守護職であった松平容保公より賜ったといわれ、

明治2年、歳三さんが戊辰戦争(函館)で戦死した後、遺品として生家に届けられたものです。

この時一緒にあの洋装姿の写真も届けられたと伝わっていますね。

 

当時は数か所、物打(ものうち)部分に刃こぼれがありました。

※物打…刀の先のほうで、物をきる力点にあたる約四寸(約12㎝)ぐらいの部分。

 

戊辰戦争も後半になると、銃撃戦が中心になっており、

日本刀はあまり使われなかったと言われています。

(近代化した重火器を手に入れていた新政府軍が勝つべくして勝ったともいえますね)

 

そんな中で、刃こぼれした状態で子孫に伝わったということは、

歳三さんが最後までこの兼定を何かしらのかたちで実戦に使ったということでもあると思われます。

 

そのままにしておくと刀が痛むらしく、

昭和に入ってから一度研ぎに出されたので今はそのこぼれを目視することはできません。

 

愛さんの解説を聞いた後、館内の展示を列にならんでゆっくり見ていきます。

かなり混んでいたので行列はあまり進みません。

 

が、おかげで友人Kと「歳三さんの字はいったいどれだ?」という話をしながら

展示品を1つ1つ丁寧に鑑賞することができました。

 

兼定の刀身もじっくり眺めたら、次は石田散薬の製造体験へ移動します。

 

(σ・∀・)σ いよいよ製造体験

 

資料館のとなりにある倉庫のようなところで、製造体験ができます。

 

資料館で1時間くらいはゆっくりしていたのですが、

外に出てもまだ体験待ちの行列がorz

 

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並ぶこと数十分。

いよいよ近づいてきました。

 

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石田散薬の原料は多摩川の支流の浅川に生えている

牛革草(ぎゅうかくそう=ミゾソバ)です。

 

土方家の伝承では、夏の土用の丑の日頃に刈り取りをするそうです。

今回の300人分も、昨年夏に日野宿本陣文書検討会の有志の方々が

生育を見守り、刈り取ってくれたそうです。

 

それを丁寧に洗って陰干しし、硬い茎や根を取り除きます。

その後黒焼したものを、当日用に準備してくださっています。

ありがたい限りですね。

 

▼石田散薬ができるまで

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▼下にあるのが牛革草。奥の図は薬包紙の折り方。

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▼その他にも、いくつか資料展示がありました

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順番がきたら、薬研の前に座ります。

体験者一人につき、一人のスタッフさんがついてくださいます。

 

黒焼した牛革草を薬研にいれたら、

後はひたすらゴリゴリするだけ!!

 

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細かくなったら完成です。

出来上がったら、薬包紙に包んで持ち帰ることができます。

 

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石田散薬は熱燗で飲むのですが、

私の薬研をサポートしてくれたおじさまには

「帰ったら熱燗でぐいっと飲みな」と笑って言われましたw

 

※「現在の薬事法に基づくお薬ではありませんので、薬としては服用しないでください」

と公式に発表されています。

 

・・・私には飲む勇気はありませんでしたので、今もデスクの中で眠っています。

 

体験自体は10分くらいだったでしょうか。

とにかく、あっというまでした。

 

資料館を出たのは13:00頃。

約3時間半の滞在でした。

 

江戸時代の民間薬の製造を体験したのは、今回が初めて。

大変なところは全部他の方がやってくださっていて(ありがとうございます)

お手軽な体験ではありますが、早朝から行ったかいがありました。

 

来年も無事に開催されますように!

 

▼私がゴリゴリして包んだ石田散薬

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>土方歳三資料館のブログより当日の様子

http://ameblo.jp/hogyoku/entry-12155205185.html

 

<つづく>