千本突き 2023 〜 鬼手仏心 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで30年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

恒例の新年の初稽古「千本突き」が行われた。

 

 
2008年イタリア本部開場当時、千本突きは8名だったそうだが、毎年この時期、風邪などでキャンセル者が続出しなかなか100名を超えることはない。それでも7-80名は毎年参加していたが、今年はぐっと少なめの46名であった。

 

しかし、人数は関係ない。昨年まで好調だった人も、思い通りに事が運ばなかった人も、一旦気持ちをゼロにリセットして、思いきり「千本」突ききって新年度スタート。重要なのはどう突くか?

 

ただ単に千本突く動作をする者もいるだろうし、一本一本心を込めて打つ者もいるだろう。それは勉強でも仕事でも同じなのだ。早くこの時間が終われば良いな...と思って過ごす者と、一生懸命取り組む者では、身につき方、伸び方が全く違うことだろう。

 

先に道場に入り、軽くモップがけはしたが、子供たちが来てから雑巾がけ。競争じゃないからね!急いですることないからね!と言いつつ、子供たちは猛ダッシュで楽しそう。倒れこむもの!足が痛い!と文句いうもの有り…

 

 

準備運動の後、1分間の黙想。無心で行う。教会では祈ろうと思うと、逆によく雑念が横切るが、祈り以上に無心になることは難しい。途中、携帯電話のビデオの音が一瞬聞こえた。見学の父兄が連れてきた小さい子供に見せていたらしい。一度は注意されたらしいが、それでも音が鳴り続け、集中できなかった、という人もいた。見学する親も、自覚が欲しいもの。

 

 

千本突きが始まった。はじめの2-300回あたりから膝が震え始めた。

 

 

800回あたりから汗がだらだら流れ始めた。ただただ無心になって一本一本号令に合わせて気合をいれる。最前列は黒帯の10人。当日来られない若者もおり、急遽最前列に50代が4人!私はこれが最初で最後かな?何せ号令をかけるのは、気合よりも声量もエネルギーも必要。1回10数える事10回。鼻風邪も落ち着き喉の調子がちょうど落ち着いた時で良かった。


師範がいらした時は、最前列に並ばず、正拳突きをする門下生の間を歩き、腰が高かったり、打ち方が悪い子を、直している時があったことを思い出した。確かに後からビデオをみて、問題ありの子も多いことに気づいた。

 

また、体調不良のため見学者が2名いたが、途中見ていることに耐えられなくなったのか?笑

 

 

 
汗ダラダラ。膝ガクガク。喉ガラガラの千本突き。終了後皆で拍手しあった。達成感と心地よい疲労感。
 
その後に前蹴り100本。左右交互に蹴っていく。後から映像を見たら、やたら皆疲れており、中段、中には下段蹴りのものも…頑張って上段蹴りをし続けたから、終わった途端に股関節の痛み。下手したら1000本突きよりきつかったかも?!

 

 

その後、Mのマジックが始まった。子供も大人も大喜び。

 

 
Mがロープでぐるぐる巻きに巻き込まれ、ジャケットを着込み目隠しをされたCと共に幕の中に入る...

 

 

数10秒後、

 

 

ロープでぐるぐる巻きにされたにも関わらず、ロープの下には、一緒にいたCのジャケットを着ているではない?そのCもびっくり!拍手喝采、称賛の嵐!

 

 
その後は折り紙でダルマを作った。5つのグループに分かれそれぞれにチームリーダーを置いたが、なぜか子供よりも大人のグループの方が自由奔放?

 

 

 

各々が今年の抱負を掲げ集合写真。その後、子供たちにお菓子とくるくる回る折り紙の駒をプレゼント。ローマ旅行中、作りためておいた。

 

さあ、来週からは本格的に稽古が始まる!5月に行われる大会に向けて古武道の練習にも入らないといけない。空手を通じ、体や精神を鍛え、自身の生き方を学び人間形成を養っていけるように。…鬼になる。爆