prima io! 僕 (私) が先! | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで30年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

 

    

 

よくイタリア人の子どもは”prima io!!" 「僕(私)が先!」という。

駆けっこを始め、何かの競争、勉強でも全てprima io! ...それは見ていて無邪気でほのぼのとするものがある。(日本はどうなのだろうか?)

 

...がある年齢になると、自分が先!と言われると、エゴの塊...と思えてしまう。

 

バスや地下鉄の乗り降りでは、本来は降りる人が先で、乗る方はまず外で待っているのが常識ではないか?それが、皆prima-io!だから困ってしまう。

 

以前、トラムの前の方の席に座っていたら、「そこは年寄り優先席だ!どけ!どけ!」といって持っていた杖を振り回されたことがある。郵便局では皆順番を待っているのに、入ってきた途端に「自分は年寄りだ!すぐに対応してくれ!」という人もいたが、周りを見回したら、ほとんどがお年寄り。はあ?であった。

 

最近は、バスに乗り読書に没頭していたら、急に混み合っていたことに気づいた。どこかで「私、膝が悪いんで誰か座らせてもらえないかしら?」と言っており、そこに座っていたお年寄りらしき男性が「自分に言われても...」というと「別にあなたに言っているわけじゃないのよ。誰か代わってくれないかしら?と思って...」と言っていた。えっそれって大きな独り言なの?「シニョーラ!ここどうぞ!」と席を立って譲った。するとその人はまだ4-50代で、私の前にいた人の方がずっと年長の7-80代で、ああ、きっと座りたかっただろうなあ...と思ってしまった。

 

膝が悪いと言った女性は座った途端にすぐに大きな手帳を出して何かを書き出していた。目の前にいたご婦人が何か気の毒に思う。かくいう私も、一般生活には支障がないが、まだ膝が本調子ではなく一向にしゃがんだり、正座だけはまだできない。

 

何れにしても、自分が先!自分ファーストの人を見ると、なんだかな...と思ってしまう。あまりにも利己的な自分本意なのだ。もちろん、調子が悪くて席を譲って欲しい人の気持ちもわかる。でも人に尋ねる言動、口調というものもあるのではないのだろうか?きっとそういう人は、切れやすく、クレーマー気質であるのではないだろうか?

 

相手にしてもらいたい態度を、まず自分が先にする。これが大切。自己主張も大事ではあるが、他人の権利を侵害したり、他人の不幸を笑うようになってはいけない。

 

人の振り見て我が振り直せ

 

そうやって定期的に自分を見つめ直す必要がある。

 

 

ミラノ郊外ヴァレーゼにある小学生による歌。”primaーio!"

https://www.youtube.com/watch?v=_1dsaD0VlqY&feature=youtu.be