そんなのあり?!のクリスマス | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで30年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

育てたように子(夫も)は育つ。 

良妻賢母のつもりが、皆、人にたよりきりでだらしのない人間になっていくのだとしたら(我が家の場合)『悪妻愚母』に徹したほうが良いのだろうか?笑 

良妻賢母の心得 (Good Wife's Guide) というものが、雑誌・ Housekeeping Monthly 誌(『月刊 家事』)の1955年5月13日号に掲載されたと噂されている記事を発見。(噂されているってどういうこと?) 
http://j-walk.com/other/goodwife/index.htm 
http://j-walk.com/other/goodwife/images/goodwifeguide.gif 

*夕食をきちんと用意しましょう。前の晩からでもあらかじめ計画を立て、ご主人がお帰りになる時にはおいしい食事が用意されているようにしましょう。・・・略・・・ 
*身なりを整えましょう。ご主人がお帰りになる前に15分ほど体を休め、リフレッシュしましょう。・・・略・・・ 
*ご主人の前では快活に振舞い、退屈させないように。・・・略・・・ 
*散らかっているものを片付けましょう。・・・略・・・ 
*子供たちの身だしなみを整えましょう。・・・略・・・あらゆる騒音を減らしましょう。ご主人がお帰りになる時は、洗い物、乾燥機、掃除機の音は全て消しましょう。子供たちを静かにさせましょう。 
*幸せな気持ちでご主人をお迎えしましょう。 
*ご主人を喜ばせたいという願いを込め、暖かい笑顔とまごころでご主人をお迎えしましょう。 
*ご主人に耳を傾けましょう。・・・略・・・ 
*何事もご主人が中心です。・・・略・・・ 
*あなたの目標:あなたの家を、平穏・秩序・静寂の場とし、そこでご主人が身も心もリフレッシュして頂けるようにすること。 
*ご主人がお帰りになるなり、不平や面倒事をぶつけてはいけません。 
*ご主人が夕食に遅れてお帰りになったり、あるいはたとえ一晩お帰りにならなかったとしても、不満を言ってはいけません。・・・略・・ 
*ご主人が居心地良いようにしましょう。・・・略・・・ 
*・・・あなたにはご主人を疑う権利などありません。 
*良き妻は、常に分をわきまえているものです。 

私が行った学校の教師郡は大正生まれ?の女性も多く、上記のようなことをよ~く言っていた。「夫には素顔を見せてはいけない」、「ノーメーク。ノーストッキング。ノースリーブ(順不同)はご法度だ!」とも・・・授業中、ムームーみたいな格好でサンダル履きの学生も多く、そういう人たちにそんなこと言っても・・・・と机の下で笑ってしまったことがある。 

もちろん、上記「良妻賢母の心得」は悪戯であるのは100%。じゃないと、日本人はもちろん、海外女性なんてありえません。爆 

とはいえ、普段から、脱いだものはそのまま。食べたら食べっぱなし。洗濯をし、アイロンがけしたものも、箪笥にしまってあげないと、いつまでもそこにおいてある・・・など日常茶飯事。どんなに口をすっぱくしても効果なし。我慢できないから、手をだしてしまう。放っておけばしまってくれる・・・相手のほうが上手だ。もう目をつぶって、どんなに家が汚くなろうと、人が来て恥をかこうとも、家族の教育のためには、手を出すべきではないのだろうか? 

ったくさ・・・食事にしても、何にしても、だれかがその人の時間を使ってやっている・・・っていうこと、理解できないわけ?別にママに感謝しなさい!といってるんじゃなくって、何事も人に対してリスペクトが大切なの!家でできないものが、外でできるわけないでしょ~っ!!ぶっちぎれ。 

「甘やかすこと」と「優しくすること」は別物だし、「叱る」と「怒る」ことも別物。感情的になりやすいので、自己嫌悪にも陥りやすいが、わかっておくれ~ということが多い今日この頃。 

例えば、学校に遅れないように、子供を起こし、送っていくのも、親の愛の一つかもしれない。けれど、自分の意思で起きること。自分の計画で自分のルールを守れる責任、そしてそれができるという信頼に基づき、やがて将来、厳しい社会で生きていくために必要な力を持たせること、自立心を願うことも、それも親の深い愛であろう。遅刻やらノータも腹が立つけれど、その子の責任、と目をつぶるしかない。(けれど、イタリアの場合、何かと親の責任のように言ってくるから腹が立つのだ・・・) 

ところで(前置きが長くなってしまったが)、先日の日記では、家庭に「愛」をもたらすサンタクロースになりましょう、と書いておきながら、ひょんなことから、家族とは別々にクリスマスを過ごすことになった。家族は、この寒い時期に、寒い寒いポーランドへ行く。どう考えても私のこの足でいけるはずがない! 


はじめは、裏切られたような、置いてきぼりになることに、もんもんとしたが、長女に「パパは、この時期、ママを一人で静かに心穏やかに過ごせるよう思っての配慮なんだよ」という。物はいいようか?いや、それは私がひねくれているのか?思いやりか・・・。それを友人に話したら、うらやましがる人も数人いた。いつも、子供や夫に振り回され、こんな生活いい加減嫌にしてくれ!といいつつ、いざ一人になると呆然としてしまう。結局人はないものねだりするものなのだな。 

毎年この時期、夫は仕事だけれど、今年は休み。我が家のように「片クリさん」(夫婦の片方がクリスチャン)だと、教会行事が重なる時期になると、何かとお互いが気を使ってしまう。「コーラスってそんなに大事?」と次男にいわれると、ガーンと来てしまうが、今回のポーランド旅行だけはどうしようもない。逆に一人だったら、24日はコーラスの練習、夕方のミサ、夜中のミサも2回参列しよう。

今週、やたら訃報が入る。離婚調停中で一人息子が元夫と年内過ごすため、一人になってしまう友人もいる。今、誰が助けを、人を必要としているのかと、改めて目を向けることに気づくこともある。 

クリスマスは、わたしたちの中に、 
家族の温かさへの憧れを呼び起こす。 
他のどの日よりも強くわたしは感じる。 
わたしたちはみな一つであり、兄弟であるということを。 
喜びも悲しみもお互いに分かち合う 
兄弟、姉妹の間柄であるということを。byキアラ・ルービック 


「家族」という定義を広げてみるのもいい機会かもしれない。 

話が思い切りずれてしまったが、前のくだりのまとめとして、今後は、「冷めた目とちょっとの暖かい心」をもった「悪妻愚母」をめざそう。笑