通行手形 | 絶対(不)自由

絶対(不)自由

悠久の風に吹かれながら・・・
アジア横断・北南米大陸縦断を終えて、オーストラリアで働いて、
南太平洋のアイランドホッピングも終えて、オーストラリアも一周して、
今度は行ってない東南アジアを行こうと思った。

絶対(不)自由-20091119_01

$絶対(不)自由

写真1:イスラマバードのシンボル、シャー・ファイサル・モスク
写真2:お世話になってる教会のメンバー。左がポールで右がジョン

ようやく手に入れました。
後は無事にイランに入国できれば第二関門突破だ。


11月16日
ビザ申請より丁度二週間が経った。
朝、イラン大使館に電話をかけてみる。
大使館の答えは、OKだった!
やった!これでイランビザはいただきだ!
10時ちょっと過ぎ、リュークと一緒に大使館エリアへ。
やはりイスラマバードは効率よく動けない。イラン大使館に着くのに2時間ほどかかった。
そして窓口で渡されたのは振込用紙。Rs6250(約6800円)。
噂どおりイランビザは高いな・・・
お金を振り込むためにHBLという銀行へ行く。嫌がらせなのか、大使館エリアの外にあった。
クレジットカードで支払いを済ませようとするが駄目だと言われる。
手持ちの金が少なかったので最寄のATMで金を下ろそうとするが全部駄目。
仕方なく大使館エリアの中にあった国際銀行へ。
まったく手間がかかるなぁ・・・
銀行の往復と大使館へ戻るので小一時間使ったな。
領収書を持って窓口に戻りパスポートと一緒に提出すると、20分ほど待ってくれと言われる。
礼拝の時間だった・・・
礼拝が終わって受理されたと思ったら、とりあえず4時まで待てと言われる。
今2時なんですが・・・
イランの歩き方をひたすら眺めて時間を潰す。
そして4時を回ったところで名前を呼ばれた。
「明日の午後3時に来てNe☆」
このド畜生がぁぁぁ!

教会に戻ると、ドゥジョン牧師が一人の浮浪者の男をニューメンバーとして介抱していた。
リューク一家の話では、彼は酒とドラッグにおぼれたジャンキーとのことだ。
一家にはまったく歓迎されていない、というよりろくでもないものを連れ込んだという感じだ。
ただドゥジョン牧師のやっていることはキリスト教の隣人愛を体現しているものだ。
どうやらリューク一家は、まだキリスト教を掴みきれていないみたいだな。


11月17日
パスポートの受け取りまで時間があるので、浮浪者の介抱を手伝うことにする。
何でも物を手で掴んで食べようとしたり、周りに物を散らかしたり・・・
まぁ彼はそうやってずっと生きてきたのだから、一朝一夕で消えるはずがない。
おまけに風呂に入ってないから臭いがきついの何の。
髪の毛と髭の汚れもひどく洗っても無駄だと判断したので床屋へ連れて行った。
店主は商売人の鑑だな。嫌な顔をせず引き受けてくれた。
さっぱりしたところで風呂にでも入れてやろうかと思ったが、ここの家はお湯が出ない。
ラーワルピンディも水シャワーがかなりきつくなってきている。
この気温の中で水シャワーを浴びさせるのはさすがに鬼だ。
臭いがお湯が大量に確保できるまで彼の洗濯はお預けだ。
見かけはすっきりしても、やっぱり行動は変わらない。
ってか食い物を散らかしながら食うのは何なんだ?
次の日の食料もままならない中で生きてきたんなら残さずむさぼると思うんだが・・・
そういや貧困国と言われてるネパールやインドのやつらも米粒をよく残してたな・・・
なんかここら周辺国の低所得層やらこじきどもは何かおかしいぞ。
敗戦後のモラルも低くて貧しい時代の日本では、米を粗末にしたら目が腫れるとか、食べ物を残したらお百姓様に申し訳ないとか、そういう発想が目覚しかったんだがな。
貧しいのはこいつらが怠けてるだけなんじゃねぇか?
ネパールから抱いていた「貧困」という疑問が、今は「怠慢」という推測に変わっている。
まぁパキスタンはずっとイスラム過激派とかインドとの国境問題でなかなか国内に国力を注げないので仕方ないんだが・・・
そんなことを考えていたら午後2時を回ったのでパスポートを取りに行く。
とうとう手に入れたぞ!イランビザ!
ひゃっほーーーww


11月18日
朝起きると、彼はいなくなっていた。
やはりこちら側の生活になじめなかったのだろうか・・・
無事ビザ取得も済んだので、そろそろ歩を進めることにした。
次なる町は古都ムルタン。
バスの発着を調べるためにジェネラルバススタンドへ。
その前にイスラマバードのシンボル、シャー・ファイサル・モスクを見に行く。
宗教的建物なんでテロの標的になるかと最初は考えたが、テロリストはイスラム過激派なのだから、モスクを破壊したらこいつらの行動自体が意味を成さなくなるんで、逆に安全だと気づいた。
タクシーに乗ってモスクを目指す。
予想よりずっとでかくて圧巻である!
靴を預けて敷地に入り、いざモスクへ。
しかしすでに夕暮れ時で見学時間は終わっているとのことで中に入れず・・・
ならばとドアが開いた隙間から中を撮ろうと思ったが、撮影禁止と注意される・・・
夜景を撮るため敷地内をうろついていると、若いムスリムから熱烈な勧誘を受ける。
世界で一番すばらしい宗教だから、君もムスリムになりなよ!
そして次にムスリムになるときに暗唱する一文を言わされて、めでたくにわかムスリムにさせられてしまったw
まぁ彼らなりに歓迎してるってことですね。
101番バスに乗り、ジェネラルバススタンドへ。
明日の午後8時15分のムルタン行きバスのチケット(Rs600)を確保。
さぁって旅の再開だ!



貧困に関しては、いろいろ考えた結果、大多数の人が抱く感情を批判した視点で見るようにしてます。
つまりは、月の所得が何円なのだからとか、たくさんの物乞いやフリースクールに通う子供がいるからとか、そういう理由から「貧しい」と決めてかかるのは、土俵が違いすぎる現時点で目が曇ってしまうと思ったから。
おかげで良い発見がいろいろありました。
ちょっと辛らつな自分におののきますけどね・・・