快眠アドバイス 『安すぎる羽毛ふとんには必ず意味がある!』 | ウメナ寝具の快眠BLOG

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静岡県三島市の寝具店「ウメナ寝具本店」の【店長(睡眠健康指導士・sleepdesigner)】が書くブログです。睡眠の話、睡眠に絡めた寝具(布団)の話、お店の情報などを載せています。
※6月18日にWebサイトをリニューアルし、記事内のリンクが一部切れています。

冬用の掛ふとんとして定番となりました「羽毛ふとん(羽毛掛ふとん)」ですが、現在はふとん屋だけでなく様々なお店が販売する様になりました。


百貨店、総合雑貨店、ホームセンター、家具店、家電店でも販売されています。


販売の方法も店舗販売に限りません。ネット通販、テレビ通販、ラジオ通販、カタログ通販など。


そして価格も品質も多種多様。1万円以下の羽毛ふとんから100万円を超える羽毛ふとんもあります。


201601羽毛


その為、いざ羽毛ふとんを購入しようと思うと迷ってしまう人も多いと思います。度々このブログの中でも「羽毛ふとんの選び方」を記事にしてきましたが、今回は今季の羽毛ふとん市場を見て緊急アドバイスです。


各種通販や専門の販売員を置かない様な店舗で販売されている「安すぎる羽毛ふとん」には充分に注意しましょう。羽毛ふとんという商品名を付けて売るハードルは非常に低いので「羽毛ふとんと呼ばれる商品」が単純に暖かく快適な冬用掛ふとんだとは思わないで下さい。


羽毛ふとんと表記するためのハードル(基準)は「ダウン率」だけです。羽毛ふとんは水鳥から採れる胸毛(ダウン:下の画像の左)と羽根(フェザー:下の画像の右)を中身に使用する掛ふとんのことですが、この中身のダウンとフェザーの比率が表記の基準なのです。


ダウンとフェザー


ずばり羽毛ふとんと表記される基準は「ダウン率50%以上」、つまり半分以上ダウンが使用されているかどうかと言えます。このダウン率は羽毛ふとんの保温力と密接な関係を持っています。原則としてダウン率の良い羽毛ふとんは保温力が高いと考えられます。


当店では普段使い用の羽毛ふとんなら「ダウン率90%以上」をボーダーラインとして選ばれることをオススメしています。品揃えとしては85%以上から置いていますが、このランクはお客様用や使用頻度の少ない用途向けとしてオススメしています。


それから水鳥の種類も大きく分けて2種類あり、「ダック(あひる)」と「グース(がちょう)」に分かれます。グースの方が採れるダウンが大きく壊れにくいので長持ちします。必然とグースを使用した羽毛ふとんの価格は高くなります。


この他にも価格と快適な保温力を決める要素はいくつかあり、「ダウン量(充填量)」「側生地の質」「側生地のキルティング」などがあります。今季の羽毛ふとん選びのポイントとして「ダウン量と側生地に着目しましょう」と、アドバイスしてきました。

■関連ページ
⇒ 快眠アドバイス 『2015年の羽毛ふとんの選び方』


そして、1月も終盤となりこの冬の羽毛ふとん市場を見てきて、どうしてもアドバイスしたいと思ったのが今回の内容です。


メーカーや販売店が掲げる表示と価格がどう考えてもおかしい、合わない、安すぎる羽毛ふとんが大量に市場に出回っています。これは表示と中身が一致していない可能性が高いです。


羽毛ふとんの製造工程では第3者機関による厳格なチェック体制は無いに等しいです。チェックするのが難しいという理由もあり、そのメーカーがどこまで誠実にものづくりをするかに掛かっている状況なのです。


当店では羽毛ふとんの中身の質を「ダウンパワー」と「日本羽毛協会発行のラベル」で区別していますが、これはこのラベルが昔から寝具業界で使われきた馴染みのある指標だからです。中には自社で独自の判断基準を使って中身の質を評価し、区別しているメーカーもあります。


ラベル


近年、様々な理由から自社基準を使うメーカーが非常に増えて来ました。


当店でもラベルによる区別が簡単では無くなりましたので、今では現物を確認しながら、怪しい羽毛ふとんは実際にミシン目をほどき中身を直接確認する様にしています。


それからメーカーの「ものづくりの姿勢」も重要視しています。メーカーの歴史とか会社の大きさは重要視していません。特に羽毛ふとんの仕入れに関しては「今の姿勢」を見極める様にしています。


これは羽毛ふとんのリフォーム(仕立て直し)が増えたことで、中身を取り出して実際に見る機会が増えたことで色々と思い知らされたからでもあります。

■関連ページ
⇒ 快眠アドバイス 『羽毛ふとんのリフォーム(仕立て直し)の価格差について』


寝具は食品や薬品の様に体内に入れるものではありませんし、建設業やバス事業の様に人の命に直結するものでもありません。例え悪質業者が摘発勧告されても残念ながら大きなニュースにならないのですね。


今季、不況と暖冬のダブルパンチにより寝具業界が立たされる現実は非常に厳しい状況です。


ここまでくると、羽毛ふとん選びに関しては何より「購入する人が何を信用するのか」に尽きると思います。ネットの情報を信用するのか、テレビの情報を信用するのか、会社の大きさや歴史を信用するのか、販売する「人」を信用するのか。


もし羽毛ふとん選びに失敗したくないのであれば、少なくとも「現物のボリューム」を確認する一手間だけは加えて欲しいと思います。ついでに販売員とも会話をしてみましょう。


そして「価格」には「理由」があり、「安い」には「必ず意味」があると思って下さい。


羽毛現物


by sleepdesigner:圭


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◆ウメナ寝具のWebサイト ⇒ 〔http://www.umena.biz

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