快眠アドバイス 『2015年の羽毛ふとんの選び方』 | ウメナ寝具の快眠BLOG

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静岡県三島市の寝具店「ウメナ寝具本店」の【店長(睡眠健康指導士・sleepdesigner)】が書くブログです。睡眠の話、睡眠に絡めた寝具(布団)の話、お店の情報などを載せています。
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冬用の掛ふとんとして一般的になりました羽毛(ダウン)を使った掛ふとんですが、一般的になってしまった為に「羽毛ふとん」という表記で実に様々な種類・価格のものが販売される様にもなりました。


羽毛ふとん


このBLOGでも何度か羽毛ふとんに関して取り上げて来ましたが、今年の羽毛ふとん市場の動向を踏まえた選び方をまとめようと思います。


まず羽毛ふとん選びの大前提をおさらいです。


その製品を「羽毛ふとん」と表記するには基準があります。水鳥から採れるどの部分の毛を何%使用するのかで決まるのですが、羽毛ふとんと表記するには胸の部分の毛を50%以上使用していればOKなのです。


胸の部分の毛がいわゆる「ダウン」であり、タンポポの綿毛のような形をしています。下の画像の左側です。右側が羽根部分の毛で「フェザー(スモールフェザー)」と呼び区別しているのです。


ダウンとフェザー


この羽毛ふとんの表記に関する基準は選び方の大前提として覚えておいて下さい。


さて、羽毛ふとん選びの際、少し前まではこのダウンの混率(ダウン率)が一番の目安でした。


通販やホームセンター等で安価に売られている製品が大体50%~70%、チェーン展開している様な寝具小売店が80~90%、百貨店や専門店が90%以上の羽毛ふとんをメインに品揃えしていましたね。


そして近年、羽毛ふとんが広く普及した事とネットの発達によって情報が簡単に手に入る様になり、このダウン率の仕組みが知れ渡った結果、羽毛ふとんというネームバリューだけでは簡単に製品が売れなくなりました。その為、どのお店でもダウン率の良さを前面に出し始めています。


ただし、混率の良い、質の良いダウンを単純に使えば当然価格が高くなります。更に羽毛ふとんの原材料価格が5年ほど前から高くなる一方なので、余計に製品価格は高くなっています。きちんとスタッフが接客を行う様なスタイルのお店ならまだしも、お客さんが自由に選んで買う様なスタイルのお店(ネット通販等も含む)では中々売れません。


そこで製品価格を下げる為に、中身のダウンとは違う部分でコストカットが図られるのです。


今年、2015年の羽毛ふとん選び方としてポイントに挙げたいのは、このコストカットに関わる②点です。


●その①「側生地」

原材料の価格高騰はなにもダウンに限ったことではありません。通常の羽毛ふとんの側生地に使われる綿も同じく価格が高騰しているのです。その為、綿にポリエステルを混ぜたり、完全にポリエステルだけで作った側生地を使用して製品価格を下げようとするのです。


しかし綿の側生地を使用しないと吸湿性が著しく悪くなってしまいます。人は冬でも汗をかきますので、吸湿性の悪いふとんを使うとふとんの中がムレてきます。冬場のムレは短時間であれば温かいで済むのですが、長時間の場合は不快感に変わり最終的にふとんを掛けていられなくなります。


子供や男性が冬場で寒いはずなのに気が付くとふとんを掛けていないという現象の原因はほぼ間違いなくムレなのです。これでは体を冷やし、寒くて夜中に目が覚め快眠につながりません。


また、羽毛ふとんのリフォーム業者さんの話では、ポリエステル100%の側生地ではダウン独特の動物の臭いが中々落ちないと言います。綿とポリエステルが混ざった側生地では中身の吹き出しが早くなるとも言います。


質の良い羽毛ふとんを求める場合、側生地が「綿100%」であることに気を付けましょう。そして出来れば綿100%でもサテン織りの側生地が良いです。ツイル織りでは肌触りが硬く肌に沿いづらくなります。肌に沿わないと保温力が落ちます。


●その②「充填量(ダウン量)」

次にコストカットの対象になるのが製品に使われるダウンの充填量です。


羽毛ふとんという表記をする為の基準はダウン率だけです。そのダウンをどれだけの量を使用するかは関係ありません。つまり充填量(ダウン量)が300gでも1,300g(1.3kg)でも羽毛ふとんと表記が出来てしまうのです。


適切なダウン量はダウンの質にも関係しますので一概には言えませんが、原材料が高騰する前の冬用の羽毛ふとんに使われていた量は1.2~1.5kgが通常でした。ここ数年、価格を下げる為に作られた羽毛ふとんは当時よりも平均して200gほど少ないです。


ダウン量が減れば基本的に保温力が落ちます。しかし、適切な保温力は使う人の体質や寝室環境等とも関係しますのでダウン量が少ない事が必ずしも悪いことではありません。ただし、昔のダウン量の羽毛ふとんを知っている方が同じ感覚で使うと保温力の無さに驚くでしょう。


実際に昨年、通販で買った羽毛ふとんのダウン量が少なくて膨らまず使い物にならないという失敗談を何度か耳にしました。


タグ


羽毛ふとん選びの際は、上の画像の様な「品質タグ」を確認する様にしましょう。羽毛ふとんには必ず付いています。


また、大雑把に年代と性別で適切なダウン率とダウン量(シングルサイズの場合)の目安を表してみました。

年代と性別 ダウン率 ダウン量

10代男性 85% 1.2~1.3kg

10代女性 85~90% 1.2~1.3kg

20~30代男性 90~93% 1.2~1.3kg

20~30代女性 90~93% 1.3~1.4kg

40~60代男性 90~93% 1.3~1.4kg

40~60代女性 93~95% 1.2~1.3kg

70代以上男性 93~95% 1.2~1.3kg

70代以上女性 93~95% 1.2~1.3kg


ここに加えて、ダウンの種類をダックにするのかグースにするのか、また将来のリフォームまで視野に入れた購入をするのか、もちろん予算だって関係してきます。


よって、あくまでも目安です。可能であればお近くの寝具専門店スタッフにとりあえず相談してみる事が一番です。


当店の場合、使う方個人の体質(筋肉質なのか、痩身なのか等)や今まで使ってきた寝具がどんなものか、使用する環境がマンションなのか一軒家なのか、新築なのかといった事もアドバイスする際には考慮します。


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by sleepdesigner:圭


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