(C) 2009「ごくせん THE MOVIE」製作委員会
現在大ヒットを記録している「ROOKIES 卒業」のように
連続ドラマの総仕上げとして劇場版を用意することが
ヒット映画を作り出すための定石になっている。
今回は、最新シリーズも高視聴率を記録した「ごくせん」の完結編となる
「ごくせん THE MOVIE」を紹介。
ヤンクミこと山口久美子が赴任して1年が過ぎた赤銅学院高校。
緒方大和や風間廉らの問題児達も無事に送り出し、
新たな生徒を受け持っていたある日、黒銀学院時代の教え子である小田切竜が
赤銅学院高校に教育実習生としてやって来た。
教え子との再会を喜ぶヤンクミだったが、想い出話に花を咲かせる間もなく
現3Dの高杉怜太が暴走族とトラブルを起こしてしまう。
主演は「トリック」の仲間由紀恵。
監督はドラマ版「ごくせん」を始め、「マイ★ボス マイ★ヒーロー」
「セクシーボイス アンド ロボ」「1ポンドの福音」など
日本テレビ系列の連続ドラマを多数手掛けてきた佐藤東弥。
本作が劇場用作品の第1回監督作品となる。
次回作は、藤原竜也主演で実写映画化が決定している「カイジ」。
同じテレビ局製作の映画でも、映画のフリをしたドラマレベルの作品より
本作のように「有料ドラマです」と高らかに宣言したような作品の方がていて清々しい。
まっとうな映画と互角に渡り合うような高望みはさっさと切り捨て、
ドラマ版を支持してくれて、なおかつ1800円支払って劇場にまで足を運んでくれる
筋金入りのファンの方だけを向いた作品作りは「有料ドラマ」としては正解であろう。
ドラマ版と何ひとつ変わらない、仲間のコメディエンヌぶりも
ドラマ版と何ひとつ変わらない、仲間の凄みゼロの啖呵も
ドラマ版と何ひとつ変わらない、仲間の45°も上がらないキックも
全てがドラマ版そのままに展開する。
そのあまりのドラマ振りは、一瞬ここが自宅かと錯覚したほど。
「ごくせん」を観たいとリクエストしたお子様の期待には、100%応えてくれる。
（ご存知ない方も多いかも知れないが、「ごくせん」は低年齢層の人気も非常に高い）
飛行機を登場させたり、政治家をラスボスにしたりと
劇場公開を意識したと思しき要素もほんの少しだけ盛り込まれているが
鉄で出来た扉（だと思う）を拳で破壊してしまうヤンクミのパワーに
「そんな馬鹿な」と突っ込んだり、いつの間にか校長に就任していた
ボヤッキー教頭の小技に唸ったりするのが、本作との正しい付き合い方というもの。
卒業生達の出演に関しては、あまり期待しない方がいい。
第2シリーズ以前のファンをフォローするほどの扱いではなく、ほとんどカメオ出演のレベル。
速水もこみち、小池徹平、小出恵介の3人は複数の登場シーンがあるだけまだマシで、
小栗旬、石垣佑磨、成宮寛貴の3人は、
挿入する箇所を思いつかなかったとでも言わんばかりに
最後の最後にワンシーンだけ順番に登場して終わりという超やっつけ仕事。
南野陽子の「スケバン刑事」の劇場版のように、二代目と三代目が
協力し合うような展開（分かるのか、こんなことを書いて）を期待すると
とんでもない肩透かしを食らうので、そこだけは要注意。
平均視聴率からしても、劇場版を製作するタイミングは
第2シリーズの放映直後だったと思うので、やや旬を逃した感はあるものの、
第3シリーズも前2シリーズと同様に楽しめたという方ならそこそこお勧め。
■DVD：「ごくせん卒業スペシャル’09 ヤンクミ最後の卒業式!」
■DVD：「ごくせん2008 DVD-BOX」
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タイトル：ごくせん THE MOVIE
配給：東宝
公開日：2009年7月11日
監督：佐藤東弥
公式サイト：http://gokusen-movie.jp/
出演：仲間由紀恵、亀梨和也、生瀬勝久、沢村一樹、平山あや、江波杏子、宇津井健
友情出演：小栗旬、石垣佑磨、成宮寛貴、速水もこみち、小池徹平、小出恵介
赤銅学院・卒業生：高木雄也、三浦春馬、石黒英雄、中間淳太、桐山照史、三浦翔平
赤銅学院・3年D組：玉森裕太、賀来賢人、入江甚儀、森崎ウィン、落合扶樹
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