ネタゲー要素てんこ盛り。DS「トモダチコレクション」 | 忍之閻魔帳

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6月18日■DS:「トモダチコレクション」

私のツボにハマったということは、ネタゲー好きにはピンと来るかも知れないが、
世間一般からの絶賛、およびバカ売れからは遠ざかってしまう可能性も高い。
が、少なくとも私はこのゲームが好きだ。
64で「どうぶつの森」が、GCで「ちびロボ!」や「大玉」が、
GBAで「リズム天国」が登場したように、このゲームからは、
ハードが円熟期に差し掛かると任天堂がこっそり投入してくる
「何だかよくわからないが野望を感じるゲーム」の香りがする。
今回は、何だかよくわからない魅力を持った
ニンテンドーDS用ソフト「トモダチコレクション」を紹介しよう。


■GBA:「千年家族」
■DS:「くまたんち」

【紹介記事】家族を扱う2つの作品 その1。GBA「千年家族」

公式なジャンル表記は「そっくりトモダチコミュニケーション」となっている。
「nintendogs」や「どうぶつの森」のようなコミュニケーションソフトで、
島の中心部にそびえ建つ高層マンションの住人達の生活を眺めながら
まったりと楽しむゲームである。

任天堂の過去の作品で説明すると、GBAで発売された「千年家族」の時間の流れを
現実と同じにし、見守る範囲をぐっと広げたようなもの、と言えるかも知れない。
任天堂以外のタイトルを出すなら、先日も紹介した「くまたんち」あたり。
「くまたんち」は、コミュニケーションの対象をひとり(一匹?)に限定し、
より良い関係を築くことが一応の目標になっていたが、こちらはもっと広く浅くが基本で、
言ってみればプレーヤーは「100人の住人がいる一刻館の音無響子」のようなものである。


■PS:「ワンピースマンション」
■PS2:「幸福操作官」

【公式サイト】ワンピースマンション
【公式サイト】幸福操作官

マンションの住人を見守るという設定は、
カプコンから発売されたPS「ワンピースマンション」、
100人のキャラクターの生活を覗き見するという設定は
SCEから発売されたPS2「幸福操作官」といった類似タイトルが存在しているが、
「トモダチコレクション」よりゲームとしての目的や合格ラインが明確で、
別に放っておいても構わない、という縛りの緩い本作とはやや性質が異なっている。


■DS:「しゃべる!DSお料理ナビ」
■PS2:「くまうた」

【紹介記事】料理初心者向けのツールとして「しゃべる!DSお料理ナビ」
【公式サイト】くまうた

ゲーム開始当初は、まだマンションには誰も住んでいない。
デフォルトで用意されたキャラクターも居ないので、
プレーヤーはまず住人のMiiを作成するところから始めなければならない。
登録出来るMiiは最大で100人まで。
Miiの作成部分はWiiの似顔絵チャンネルとほぼコンパチなので
作り慣れた方なら数分、初心者でも福笑いの要領で簡単に作成することが出来る。
自分の家族や友人に似せたMiiを作るも良し、
芸能人に似せたMiiばかりで構成するも良し。
Wiiの似顔絵チャンネルからDSへ転送することも出来るので、
Miiコンテストチャンネルから有名人そっくりなキャラクターを拝借し、
似顔絵チャンネル経由で登録することも可能だ。
(ただし、序盤の3人だけはツールを使って自作しなければならない)

外見が完成したら、次は性格付けと音声の設定。
行動や考え方などのパラメーターを振り分けて性格を決定し、
声の高さや話す速度などを変化させて、声色まで細かく指定出来る。
このソフト、とにかくしゃべりまくるのだが、
音声部分に使われているのが、「しゃべる!DSお料理ナビ」で話題になった
「タマゴヲ ヨク カキマゼテクダサイ」のあの声なのである。
このチープな音声が、DS内でちょこまかと生活する住人達と
想像以上に相性が良く、なんでもない台詞を聞いているだけで思わず笑ってしまう。
音声部分を調整しているだけで笑いが止まらなかった。
しかも、時には歌ったりもするのである。
自作の歌詞を演歌調のメロディに乗せれば、まんま「くまうた」であった。

食べ物を与えたり、季節によって衣服を取り替えたり、
住人達とゲームをして遊んだりと、育成ゲーム的な要素も多数盛り込まれているが、
やはり本作のウリは、設定したMii達がプレーヤーの手を離れて
勝手にコミュニケーションを始め、それぞれの人生を歩み始めることに尽きる。
ある時は勝手にMii同士が仲良くなって遊んでいたり、
またある時は恋に落ちていたり、結婚したり、別れたり。
現実世界とは違った人間関係がDSの中で形成されていく様はかなり愉快で、
本作が「友達のMiiを作って住ませる」ことを推奨しているのも
この「もしもボックス」で作られたような、
「もうひとつの世界」を楽しませることが狙いだからではないかと思う。

掴みの部分は抜群ながら、気になっているのがゲーム内で発生するイベントの量。
この手のゲームはイベントの使い回しが頻発した途端に興醒めしてしまうので、
なるべくたくさん用意してくれていると嬉しい。

Wi-Fi未対応なのはゲーム性を考えて納得するとして、
最後にリクエストをひとつ。
Wii「街へいこうよ どうぶつの森」は、SDメモリに画像を保存出来たおかげで
多くのプレーヤーがインターネット上にプレイ日記をアップしていた。
本作の「誰かに話したくなる気持ち」は「街森」以上のものがあるので、
DSi限定の機能として、プレイ画面をSDメモリに保存出来るようにして欲しい。
そうすれば、Miiを交換したブロガー同士で
互いの分身がどのような生活を送っているか、近況報告をしあうことも出来るし、
コミュニケーションの幅もさらに広がると思う。

「nintendogs」「おいでよ どうぶつの森」
「わがままファッション ガールズモード」といった
コミュニケーションゲームの美味しいトコ取り+αとも言える本作、
価格も3800円と安めなので、ネタゲーをお探しの方にはかなりお勧め。

*当BLOGでの新作紹介は、
 1:あくまでも開発途中のROMを使ってのプレイであること。
 2:数分のプレイによる第一印象に過ぎないこと。
 3:発売までに内容変更の可能性もあること。
 を予めお断りしておく。
 簡単に言えば、「あまりあてにしないでくれ」ということだ。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
  タイトル:トモダチコレクション
  メーカー:任天堂
   ハード:DS
   発売日:2009年6月18日
    価格:3,800円(税込み)
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