ハリウッドで華開いた少女マンガの世界。映画「トワイライト 初恋」 | 忍之閻魔帳

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トワイライト 初恋
2008 Summit Entertainment N.V. All Rights Reserved.


09月18日発売■DVD:「トワイライト 初恋 コレクターズ・エディション」(5,000セット限定)
09月18日発売■BD:「トワイライト 初恋」

言われてみれば、このポジションが今まで空席だったのも不思議な話である。

これまでの女性向け映画と言うと、大人の恋愛を描いたものか、
働く女性をカッコ良く描いたような作品が中心であり、ティーンを対象とした
少女マンガのような世界を実写化した作品は皆無に近かった気がする。
今回紹介する「トワイライト 初恋」は、少女マンガの世界では
何十年も前から定番の題材として扱われて来た
異形の生き物と人間の恋を描き、ハリウッドを席巻中の大ヒット映画である。
どのぐらい凄い現象となっているのか、その一端を紹介すると・・・

・オープニング記録は6,963万ドルで初登場1位。
 「007/慰めの報酬」を1週天下に押さえる快挙を達成。

・監督のキャサリン・ハードウィックは
 本作で女性監督歴代No.1のオープニング記録を樹立。

・サウンドトラックCDが全米アルバムチャートで1位を獲得。

・ステファニー・メイヤーの原作小説は累計2,500万部を突破。
 これは「ハリー・ポッター」シリーズに次ぐ、全世界2位の売り上げ。

トワイライト 初恋
2008 Summit Entertainment N.V. All Rights Reserved.
09月18日発売■DVD:「トワイライト 初恋 コレクターズ・エディション」(5,000セット限定)
09月18日発売■BD:「トワイライト 初恋」

母の再婚をきっかけに、太陽あふれるアリゾナから
霧に包まれたワシントン州の町フォークスへと引っ越して来た少女・ベラ・スワンは、
新たしく転入した高校で、不思議な雰囲気を持ったカレン家の人々と出会う。
町医者のドクター・カレンに養子として育てられている彼等は、
常に行動を共にし、他の生徒達とも一定の距離を保っていた。
そんなカレン家の中に、飛び抜けて美しい青年エドワードがいた。
ベラはエドワードにひと目惚れするも、
何故かエドワードは、知りもしないはずのベラを毛嫌いする素振りを見せる。
ある日の放課後、校舎から出てくるエドワードを見つめていたベラは、
運転を誤った同級生の車に轢かれそうになる。
しかしその瞬間、校舎の近くにいたはずのエドワードが目の前に現れ、
車を素手で受け止めた。
人間のものとは思えない敏捷さと驚くほどの腕力を間近で見たベラは
エドワードが普通の人間でないことを察知する。
エドワードを含むカレン家の人々は、人間の世界でひっそりと暮らす
ヴァンパイアだったのである。

ベラには「パニック・ルーム」「イントゥ・ザ・ワイルド」のクリステン・スチュワート。
エドワードには「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」のロバート・パティンソン。
監督は「ロード・オブ・ドッグタウン」のキャサリン・ハードウィック。


トライライト 初恋
2008 Summit Entertainment N.V. All Rights Reserved.
09月18日発売■DVD:「トワイライト 初恋 コレクターズ・エディション」(5,000セット限定)
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少女マンガや乙女ゲーの多くのがそうであるように、本作の狙いは非常に明確だ。
男性向けのヒーロー物であれば見所のひとつになるはずの
アクションシーンは割とおざなりで、CGの出来も平均的なレベル。
そのかわり、ベラへの抑えきれない愛情に悶々とするエドワードを使って、
いかに女性客に「うっとり」してもらうかには全力が注がれている。

・太陽の光を避けてはいるが、当たったところで肌が金のラメのように輝くだけ
・人間の血は必要とせず、獣の血のみで命を繋ぐことが出来る
・血を求めてしまう本能を抑制するだけの理性を持っている
・色白で聡明、しかも容姿は人間離れした美しさ
・主人公(ベラ)の香りにのみ欲情する一途さも併せ持つ

これでもかと言わんばかりの萌えポイントの多さは
女性にとって地雷原のようなものであろう。
「花より男子ファイナル」の松本潤や小栗旬に、
「メイちゃんの執事」の水嶋ヒロや佐藤健に多くの女性がうっとりしたように、
本作のロバート・パティンソンも多くの女性をうっとりさせるために
全身に媚薬を纏い、うっとり光線を出しまくっている。
(ただしフサフサの腕毛はいかん。萌え需要を満たすならあれは剃るべきであった)

ベラの家族と同級生達、カレン家の人々や悪者側など、
キャラは皆とてもマンガ的で分かり易く、原作未読の私でも充分把握出来た。
続編への色気たっぷりな終わり方だと思って調べてみると、
既に続編である「New Moon」の製作も発表されているらしい。
第1弾がこれだけ当たったのなら続編では製作費も桁違いに上がるであろうし、
滑るような木登りのシーンや迫力に欠ける戦闘シーンなどの修正に期待したい。
展開はベタそのものだが、男性もほどほどに納得出来る仕上がりになっているので
女性が「コレ観たい」と言って来たら却下せずに付き合うべし。

にしても、これがハリウッドで大ヒットするのなら、
日本の少女マンガは今後、ハリウッドにとって新たな金脈になるかも知れない。
とりあえず、ダコタ・ファニング主演で「ガラスの仮面」あたりどうだ。
どっかやってみんか。

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  タイトル:トワイライト 初恋
    配給:アスミック・エース/角川エンタテイメント
   公開日:2009年4月4日
    監督:キャサリン・ハードウィック
  キャスト:クリステン・スチュワート、ロバート・パティンソン、他
 公式サイト:http://twilight.kadokawa-ent.jp/top.html
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