南三陸 歌津を訪ねて その4 | ポンコツも愛せば『レトロ』と思うもの。

ポンコツも愛せば『レトロ』と思うもの。

ポンコツな自分自身でも、愛情を持てば『レトロ』と思えるモンです。

こんにちは。

 

今日は怒涛のブログ・ラッシュになるか…? という状況。

 

なんつっても6月1日のライヴ・レポを掲載したのが先ほどですから。

 

何とか追いつかせたいけれど、余りむやみに掲載してもねぇ…。

 

なので少しずつ追いつかせたいと思っております。 <(_ _)>

 

 

さて、南三陸の記事も後半に入ってきておりますが、

 

今回は自分が南三陸に行くことを決めたキッカケともなる

 

『人との繋がり』 の部分を書きたいと思います。

 

 

4.南三陸で頑張る素晴らしい仕事人。

 

5月31日に宿泊した翌日の6月1日(土)の夜には仙台Cafe B.B. にて

 

ライヴを控えておりました。そのため残念ながら10時過ぎには歌津を

 

出なければなりませんでした。(バス移動時間の関係で)

 

そんな中、自分のために貴重なお時間を作ってくださった方がお二人。

 

南三陸で頑張っているお二人を紹介させてください。

 

 まずは歌津を訪れるキッカケになった 『南三陸deお買い物』 という

 

ネットショップを運営する伊藤孝浩さん。

 

若干30歳の若さで、震災当時は中国で仕事をしていたそうですが、

 

『故郷に帰らねば』 という思いから退職し帰省、その後現在運営する

 

ネットショップの店長をされています。若いのにしっかりした方でしたよ。

 

 東北のお店で買い物しようとネットで探していた時にみつけたネット

 

ショップのホームページ…最初はスイーツ購入だったかな。

 

対応もキチンとされていて、そのネットショップには震災後も頑張っている

 

人たちの気持ちが表れている気がしたので

 

何度か利用していこうと思ったんです。

 

そしてその中で見つけた帽子…。

 

実は自分は帽子コレクター(?)なので、

 

帽子にはすぐに食いついちゃったんですよ。 (^。^)

 

で、早速問い合わせをしたのですが…どうもコンタクトが上手くいかず。

 

(後で分かったのですが、社長さんが入院されていたとのことでした)

 

そんな中で伊藤さんが色々と配慮してくださいまして…。

 

自分が購入したいと思っていた帽子のストックをしてくださり、

 

そして更には自分が歌津に宿泊することを伝えたところ

 

なんと!帽子工場見学を申し出てくださったのです!

 

せっかくなので素材等を確認してから作ってみてはどうかということで。

 

その日はお休みにも関わらず伊藤さんも帽子工場の社長さんも

 

わざわざ出向いて下さるということで、本当に有り難いの一言でした。

 

 当日朝8時に宿泊先に迎えに来てくれた伊藤さんと初対面のご挨拶。

 

ネットで見た映像より若い~! (^。^)

 

すごく物静かな好青年でした。

 

今思えば自分のようなやかましいオッサンに付き合わせて

 

申し訳なかった気がします…。 (-_-;)>

 

お迎えの車に乗せていただき宿泊先から帽子工場へ向かう途中、

 

歌津の港と海水浴場を見つけたので

 

車を止めて撮影させてもらいました。

 


ポンコツも 愛せば『レトロ』と 思うもの。  ポンコツも 愛せば『レトロ』と 思うもの。

ポンコツも 愛せば『レトロ』と 思うもの。  ポンコツも 愛せば『レトロ』と 思うもの。
☆写真 : 海沿いでかろうじて津波被害に遭わなかった住宅(左上)と整備を待つ

       海水浴場。(右上)少しずつ操業再開した港(下2枚)

 

そして工場に向かう途中で更に衝撃的な景色を眼にしました。

 

前日は夜だったせいか、気付かなかった 『歌津駅』 の現状です。

 


ポンコツも 愛せば『レトロ』と 思うもの。  ポンコツも 愛せば『レトロ』と 思うもの。
☆写真 : 歌津駅の現状。駅舎の基礎地盤が崩落して駅舎が浮いた状態。(右)

 

少し高いところにある駅舎…駅舎こそ残っていますが、

 

ホームと駅舎を支えるはずの基礎が崩落…。

 

こんなに高いところまで津波の被害にあったのですから

 

ここより低いところにあった仮設商店街付近の場所は…もう…ね。

 

改めて津波の恐ろしさを教えられた気がしました。

 

 そこから車はしばらく高台に上っていき、やがて帽子工場へ到着。

 

温和そうな方がそこで待っていてくださいました。

 

その方が帽子製造の スズキ企画  代表の鈴木社長です。

 

自分のような者にも丁寧に対応してくださいました。

 

 ここでもまた被災当時のことや二次的被害についてお話を伺うことが

 

出来ました。中でも二次的被害については大変関心を持ったことです。

 

高台にある工場は津波の被害はなく、工場も比較的大きな被害は

 

なかったようでした。これについては本当に何よりだと思います。

 

しかし…本当の闘いはここからでした。

 

その前に先にお伝えしておきますが…

 

帽子というのは基本的に大手メーカー企業からの受注業務がほとんど

 

だそうです。東北には帽子工場が3か所しかなく、そのうちの1か所が

 

ココ、スズキ企画さんだとのこと。

 

そのため今ネット販売しているようなものは製造していなかったんです。

 

では何故このような帽子を販売することになったのか…。

 

それが二次被害との闘いなわけです。

 

基本的に大手メーカー企業の受注業務だった仕事

 

被災による納期遅延や製造遅延を懸念されたために

 

メーカー企業からの発注が一気にストップしてしまったのです。

 

工場は被災の影響も少なくキチンと働ける状態だったにも関わらず…。

 

いくら直接被害が少なく業務再開可能だといってもメーカーからすれば

 

リスクを避けるための手段だと察することは出来るものの

 

一気に仕事を失った鈴木社長は工場を閉めることも考えたそうです。

 

しかし、そうすれば今在籍する社員たちの生活は…。

 

そこの部分を強く考え、仕事がなくても工場に皆を出社させていました。

 

そしてそんな中で、

 

『帽子を作ることは出来るのだから自分たちで作ろうか…。』

 

ということで 『新たな帽子』 の製造が始まることになったのです。

 

 その後試行錯誤を繰り返しながら 『和服着物の生地を利用する』 という

 

斬新な発想を駆使し、今ネットで販売している帽子が生まれました。

 

ポンコツも 愛せば『レトロ』と 思うもの。

☆写真 : 一目惚れして購入した帽子。帯が和服着物生地で鮮やかです!

 

 しかし仕事を再開した矢先に鈴木社長の体調に異変が…。

 

念のためにということで通院・診察の結果、

 

急遽手術が必要なほどの病気が見つかり即入院!

 

これほど頑張ってきたのに…でも早く見つかったのは不幸中の幸いでした。

 

手術は無事成功し、順調に回復。

 

現在は気配りしながらも日々頑張っていらっしゃいます。

 

*自分が問い合わせしたのはどうやらその時期だったようでした。

 

 そんな鈴木社長から本当に嬉しく温かいお言葉をいただきました。

 

『2年経った今そのような思いでいてくれたことが有り難いし、

 

      その思いで行動してここまで来てくれたことが嬉しい』

 

自分にとって最高の賛辞といえるお言葉をいただきました。

 

この言葉をいただけただけでも自分が歌津に訪れた甲斐があったし、

 

来て良かったと思えた瞬間でした。

 

 あっという間に時が過ぎてバスの時間が近付いてきたため

 

名残惜しいですが最後にお二人と握手していただき歌津を後にしました。

 

本当に温かく接してくださったことに心から感謝しております。

 
 ポンコツも 愛せば『レトロ』と 思うもの。
☆写真 : 『南三陸deお買い物』の伊藤店長(左)と

       スズキ企画のスズキ社長。(右)

 

 最後になりますが、自分がお世話になったお二人が活躍する

 

ショップ・のご案内を。

 

☆2か所ともブログ左袖にリンクがありますので、そちらもご利用下さい。

 

 

『南三陸deお買い物』(クリックでHPへ)

 

  スイーツ、海産物、日用雑貨まで色々揃っています!

 

『スズキ企画』(クリックで商品HPへ)

 

  *自社HPはコチラ HP: http://suzuki-kikaku.webnode.jp/

 

和服生地を活かした帽子はもちろん、キーホルダーやアクセサリーも。

 

帽子はオーダーで自分の好みで製作してくれます。

 

*問い合わせ・購入は『南三陸deお買い物』のHPから出来ます。

 

ちなみに自分は工場で生地を自分で決めてハットをお願いしました!

 

そうそうその時に社長から 『これも一緒にどうですか…?』 と

 

さりげなく勧められて一緒に購入したキーホルダーがあります。

 

もう~社長、商売上手いですなぁ~♪ (^。^)

 

そちらをご紹介します。

 

ポンコツも 愛せば『レトロ』と 思うもの。

☆写真:社長おススメのキーホルダー

 

表が和服生地で裏はシッカリした革素材でイイ感じです~♪

 

“Made in 南三陸” っていうタグにもグッときます。

 

包装の裏側にメッセージが入っていまして、

 

写真だと見づらいかと思いますので代筆にて失礼します。

 

 

『工場と従業員は助かりましたが、被災地にはまだ不安が残るという

 

理由からメーカー受注は激減したままです。

 

私たちは考えました。どうすればいいのか。

 

その中で生まれたのがこのキーホルダーです。

 

販売が不慣れな為、皆様のお力をお貸ししていただければ幸いです。

 

どうぞ宜しくお願いいたします。  (有)スズキ企画』

 

 

一見普通に思えるキーホルダーにも

 

これだけの 『思い』 が詰まっているんですね。

 

キーホルダーと帽子についてはまた改めてふれますが、

 

なんだろう…こうして買い物するだけでも

 

南三陸で被災しながらも頑張ってお店や仕事をしている人たちに

 

多少ですが役に立てることがあるんだと…再認識出来た気がします。

 

 

 本当はもっともっと色々な場所に行きたかったですが今回はここまで。

 

これからも東北に出向いて自分なりに出来ることを

 

出来る範囲で行動していきたいと思っています。

 

これを読んでくださっている皆様が

 

改めて今一度東北に、被災地に目を向けてくだされば幸いです。

 

長く拙い文章に目を通して下さり、心より御礼申し上げます。


                             Sing-る