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32bitOSでOS管理外領域を使いたい人はこっち。

公式サイト

お勧め度 ★★★★☆ XPの人には一押し。VISTAでも,複数か大容量のUSBメモリを持っている場合は有用。また32bitOSで大容量のメモリを搭載している人にも。


 PCのボトルネックを解消するソフト。

 ハードディスク(HDD)は,名前の通り,CDと同様にディスクがぐるぐる回転しながらヘッドで情報を読み出します。そのため,大きな一繋がりのファイルを読み込むときは高速にできるのですが,小さなファイルを大量に読み込もうとすると,空転時間が出来てしまい,極端に動作が遅くなります。

 たとえばこんな感じ(Crystal Disk Mark2.2で100MBでテスト)。

 Sequential Read :    86.431 MB/s
 Random Read 512KB : 38.181 MB/s
 Random Read 4KB :   0.487 MB/s


 これに対してUSBメモリなどのフラッシュメモリは,回転体では無いので,小さなファイルを読み込むのが得意です。

 SLC(高速/高耐久型)のものだとこんな感じ(Crystal Disk Mark2.2で100MBでテスト)。

 Sequential Read :     22.935 MB/s
 Random Read 512KB :  26.288 MB/s
 Random Read 4KB :   8.087 MB/s


 そこで,頻繁に読み込まれる小さなファイルを予めフラッシュメモリに読み込んでおいて(”キャッシュ”する),HDDの苦手なところを補おうというのがこのソフト。

 ある程度高速で大容量のフラッシュメモリと組み合わせると,アプリケーションの起動が目に見えて早くなります
 また,フラッシュメモリやハードディスクよりはるかに高速なシステムメモリもキャッシュデバイスとして利用できてこれも効果は大きいです。


 WindowsVista/Windows7には標準で搭載されているReadyBoostやSuperFetchを,XPでも再現できるということですね。XPの場合,また特に遅いHDDしか使えないノートの場合などでは,効果が大きいです。

 Windowsの機能より優れているのは,VistaのReadyBoostでは4GBまでのデバイスを1個しか使えないのに対して,本製品では上限無しに4つまでのデバイスを使えるところ。なので,Vistaの場合には,この製品を使う価値があるでしょう。もらいものの細々したフラッシュメモリが溜まってしまったりしている場合には,束ねて使っちゃいましょう。またVISTA搭載のノートPCはメモリ不足で遅い場合が多いので,後で紹介する大容量のExpress Cardなんかを使うのもいい手です。
 Windows7の場合には,実質上限無しで8つまでのデバイスを使えるので,本製品の出る幕は無いかな?と思ったら,公式サイトでは新しいバージョン4はWindows7にもお勧めすると書かれてた。新バージョンは試してないので真価は不明。
 32bitのOSでは認識できない,約3.25GBを超える部分のシステムメモリをキャッシュ領域として使用したり(これはおいしい),キャッシュを暗号化したりできる点が,Windowsの機能とは違うらしい。


 とりあえず,公式サイトにバージョン3の試用版があるので,試してみるとよいかと。PCの起動から4時間までなら,何度でも全ての機能を無制限に使えます。フラッシュメモリの条件は,ランダムリード2.5MB/s以上とのことですが,要件ぎりぎりのフラッシュメモリを使っても意味が無いのである程度高速のものを使いましょう。速度を測るためのアプリケーションはここで頂けます。見るところは,4K Readの速度。またとりあえず試用版をインストールすれば,速度比を測ることができます。


 注意点としては,
1.HDDではなくSSDを使っている場合には,USBフラッシュメモリよりはるかに速いので,導入する意味は無い。SSDを導入するより安価に高速化したい人,メインのドライブをSSDにするにはまだSSDの技術に不安を感じるという人,余剰のフラッシュメモリを持っている人などにお勧めです。
2.キャッシュの容量は予め指定しておく必要があります。システムメモリをキャッシュに割り当てた場合,メモリ使用量がいっぱいになっても,キャッシュを解放してくれません。なので,不必要に大きい容量をキャッシュに割り当てると,メモリがいっぱいいっぱいになる頻度が増えて,かえってストレスになってしまいます。
3.システムメモリを使っている場合,休止モードに入るときには中身をHDDに移すので,遅くなります。
など。


 高速化の効果は確かにあるので,試用してみる価値はあります。


 参考に,システムメモリ(512MB)のみをキャッシュデバイスにして,キャッシュにヒットしたときの速度比。
Accipiter-eBoostr1

 
 システムメモリ(512MB)に加えてeSATAフラッシュメモリ(8GB)をキャッシュデバイスにしたときの速度比。数値は下がっていますが,キャッシュ容量が増えた分ヒットする確率は上がっています。普段はこの設定で使っていますが,確かに体感できるぐらい速くなります。(このeSATAメモリが不具合の可能性があるようなので普通はもっと速いかも。メーカーに送るとこです)
eSATAフラッシュメモリはもっぱらこのソフトとWindows7のReadyBoostのためにあると言っても過言ではないでしょう。
Accipiter-eBoostr2


 でシステムメモリ(640MB)とeSATAフラッシュメモリ(8GB)を使って使い込んだときの,キャッシュヒット率。かなりの頻度でキャッシュにヒットしていることが分かります。大きいものから小さいものまで,よく使うアプリケーションの起動がいちいち速くなってありがたいです。キャッシュにヒットしない動作の主なものは,mp3の再生です。mp3ファイルをキャッシュしないように指定してあるので。そんなもの高速化してもしかたないから…なので音楽を再生すると,累計のキャッシュヒット率は低下しますが体感速度は低下しません。あと画像フォルダやインターネットの一時ファイルなんかもキャッシュしないように指定してあるので,閲覧すると見た目上のキャッシュヒット率は下がるけれども,これも体感速度が低下するわけではない。ので,体感速度に与える効果は,この画像に示されている69%という数字が示す以上のものなんじゃないかと思います。
$Accipiter-eboostrキャッシュヒット率



 ノートPCでExpress Cardがついている場合には,USBメモリの代わりにこれ↓を使うと,持ち運びの邪魔にならずに便利。
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 Express CardでなくCardバスにしか対応していない場合には,ちょっと高くなるけど高速型のコンパクトフラッシュリーダー
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とコンパクトフラッシュ↓
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を組み合わせると,これも持ち運びの邪魔にならない。


Accipiter-twitthis