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シリコンパワー ポータブルSolid State Disk eSATA/USB接続8GB

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お勧め度 ★★☆☆☆ 活用できる人は限られている…。


 USBフラッシュメモリはすっかり普及した感がありますが,eSATAフラッシュメモリというのはご存知でしょうか?

 SATAというのは,PC内部でハードディスクなどを接続するのに使われている高速でデータを転送できる規格のことです。eSATAは,それをそのままPCの外に引っ張るための規格。USBより高速なので,主に高価な外付けハードディスクなどに使われています。

 であまり知られていないのだけど,このeSATAにも,フラッシュメモリがあるのです。当然USBより速いことが売り。代表的な製品が,このSP008GBSSD450P00。好奇心を惹かれて使ってみましたよ!


 まず全体像。

 でかい。普通のUSBメモリと比較すると大きさが分かるかと。

$Accipiter-eSATAメモリ


 持ち歩きには不便だね…。
 あとUSBフラッシュメモリはたいていのPCに挿せる汎用性の高さが売りなんだけど,eSATAは挿すポートがあるとは限らないのが大きな欠点。USBコネクタもついているので高速型のUSBフラッシュメモリとしても使えるんだけど,ケーブルが必要(汎用品,製品にも付属)。
 またeSATAポートがついているPCでも,大型の筐体が災いして,周辺のケーブルと干渉して挿せない可能性も大。USBケーブルなら抜けばいいけどディスプレイ用ケーブルだと始末が悪いです。

 さらに,USBと違って,たいていのeSATAポートには給電能力がありません(一部のものにはあるけど)。だから,eSATAポートに挿すだけではダメで,やっぱりUSBケーブルも繋いで給電しなければ使えません。

 こうなると,ポータブルデバイスとしての利便性はUSBメモリに大きく劣ります。 


 では有効な用途は。ReadyBoostのキャッシュデバイスとして使おうにも,VISTAでは4GBを超えるフラッシュメモリはキャッシュデバイスとして使用できません。となったら,前回紹介したeBoostrか,Windows7のReadyBoostのキャッシュデバイスとしての使用が一番です。これなら挿しっぱなしで使えるので,挿さりさえすれば,大きいのも,欠点ではありません。ただし難点があって,USBで給電する場合,USBケーブルより先にeSATAポートに繋がなければなりません。で,PC本体のUSBポートから給電していると,いったん電源をOFFにしてから再度ONにすると,eSATAデバイスとしてではなくより遅いUSBデバイスとして認識されてしまいます。そこで,こういう↓アイテムが必要になります。普通のコンセントからUSBに給電するためのアダプタ。100円ショップにもあるかな…,どうだろ?これは旅行用に持ってた,マルチ携帯充電器。

$Accipiter-eSATAメモリ2


こういうのとか色々な用途に使えるので,旅行用に買っとくのもあり。
RM ACアダプタ USB充電器 家庭用コンセントからUSBポートでiPod/携帯電話/ゲーム.../RM CO, Ltd,.

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 で肝心の性能。比較は全てCrystalDiskMark 2.2 (C) 2007-2008 hiyohiyo(Crystal Dew World)で行いました。テストサイズは100MB。

 まず比較用に普通(MLC)のUSBメモリ。
Transcend 2GB JetFlash V30 USBメモリ TS2GJFV30/トランセンド・ジャパン

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Sequential Read :16.364 MB/s
Sequential Write :4.234 MB/s
Random Read 512KB :16.387 MB/s
Random Write 512KB :1.920 MB/s
Random Read 4KB :6.609 MB/s
Random Write 4KB :0.027 MB/s



 次に高速・高耐久型(SLC)のUSBメモリ(太字は普通のUSBメモリより大きく優れているもの)。
【エレコム】USBフラッシュ2GB高速版MF-KU202GWH

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Sequential Read :26.597 MB/s
Sequential Write :23.286 MB/s
Random Read 512KB :26.856 MB/s
Random Write 512KB :8.699 MB/s
Random Read 4KB :8.185 MB/s
Random Write 4KB :0.104 MB/s

 普通のUSBメモリに比べると,書き込みが圧倒的に速いですね。特に体感速度に大きく関わるRandom Writeの速さは,ありがたいです。



 で,本製品をUSB接続した場合(色は高速型USBメモリとの比較)。

Sequential Read :26.129 MB/s
Sequential Write :21.798 MB/s
Random Read 512KB :25.916 MB/s
Random Write 512KB :18.715 MB/s
Random Read 4KB :5.782 MB/s
Random Write 4KB :1.819 MB/s

 Random Writeでは高速型USBメモリよりさらに圧倒的に上ですね。USBメモリの体感速度はRandom Writeの比重が大きいので,速く感じることは確かかと。ただケーブルを持ち歩く不便さを考えると…。しかもRandom Read 4Kでは負けてるし…。
 


 最後が,本製品をeSATA接続した場合(色は高速型USBメモリとの比較)。

Sequential Read :   48.665 MB/s
Sequential Write :   29.204 MB/s
Random Read 512KB : 47.233 MB/s
Random Write 512KB : 21.259 MB/s
Random Read 4KB :  10.182 MB/s
Random Write 4KB : 1.852 MB/s

 全ての面で高速型USBメモリを上回りました。eBoostrやReadyBoostに利くRandom Readは,4Kではそれほど差がありませんでしたが,512KBだと大差があります。しかし一般的なSATAのSSDに比べると遅い…。と思ったら公称値よりずいぶん低いのでメーカーに問い合わせたらこの速度は不具合の可能性があるので送ってくださいとのこと。やっぱり本当はもっと速いのか。対応はとても速かったです


 これはeBoostrでキャッシュにヒットしたときの速度比。高速型USBメモリの場合。

$Accipiter-eSATAメモリ4


 これはeSATAメモリの場合。容量が比較用のUSBメモリの4倍もあってヒット率が高いことを考えると,体感速度は大分違いそうです。

$Accipiter-eSATAメモリ3


 ということで,使い勝手の悪さを考えると,ポータブルデバイスとしては残念な評価だけど,キャッシュ用デバイスとして据え付けで使うには,それなりに優れている感じですね。Windows7を使っていてシステムドライブにSSDを導入するより安く高速化したい人,もしくはeBoostrを使っている人という,限られた人には,役に立つアイテムです。

  ポータブルデバイスとしては,比較用に使った高速型メモリの性能が際立ってますね。容量は2GBと,SP008GBSSD450P00に比べると大分小さいですが,普通に使う分には十分な容量です。高速・高耐久のSLCのメモリは最近ではあまり売られてなくて,本製品も在庫のみなので,買うならお早めに。


 あと16GBの方がコストパフォーマンスは高い。
SP016GBSSD450P00 16GB eSATA/USB ポータブルSSD

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 ケーブルを持ち歩かずに出先のPCでもUSB接続できるようにしたいならこちら。eSATA接続時の性能はSP008GBSSD450P00とほぼ同等です。高いのは容量が大きい分です。HDD並みの容量なので,動画なども余裕で持ち運べます。
シリコンパワー SP032GBSSDJ10C00

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 こっちはeSATAメモリよりもさらにはるかに速いUSB3.0のメモリ。速くて大容量だけど馬鹿でかくて馬鹿高くて,USB3.0を繋げるPCがまだほとんど無いことを考えると,あまり有用性は…。
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