次世代の党・桜内議員の誇張

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何だかすっかりブログの更新をしなくなって久しい。定期的な更新をしなくなったのはもう4年前か…?っていってももともとほぼ毎日更新してたのは半年ぐらいだけなんだけどね。同時に始めたTwitterが便利すぎて…。

そんなブログを久々に更新しようと思ったのは、こんな記事が流れてきたからである。


IRORIO 在日韓国人・朝鮮人の生活保護受給率「桁が違う」と国会で議論http://irorio.jp/agatasei/20141006/166770/

(略:次世代の党の桜内衆議院議員が外国人に対する生活保護の実体を取り上げたという導入)

1桁多い韓国・朝鮮籍の保護世帯

質疑によると、平成23年調査で、国籍が韓国または北朝鮮の受給世帯数が2万8796世帯であることから、1000世帯当たりの保護数は142世帯(14.2%)となる。

その一方で、外国人を含めた日本の居住者全体における生活保護の割合は1000人当たり17人(1.7%)だったことから、桜内議員は世帯と人数でベースは違うとしながらも「桁が違うんですね」と言い切った。

(略:桜内議員が韓国の”反日法”を取り上げたりしたが答弁の塩崎厚生労働大臣とは噛み合わなかったとかなんとか)



この記事は桜内議員の主張が正しいとも間違っているとも言わず、ただそういう議論があったという“事実”を伝えるという形式で、桜内議員によるデマの拡散に加担している。
しかしこの記事に書かれている部分を読むだけで、おかしなところがあるのには気づくはず。気づかない人は相当鈍い。何で韓国・朝鮮人の“保護世帯数”と日本人の“保護人員”を比べているの?ということである。
桜内議員は“世帯と人数でベースは違う”という留保をつけた上で「桁が違う」と断じたそうだが、ここは単なる留保で済ませるべきところではない、致命的な違いである。
喩えていうならば、“中国の方が日本よりGDPが高いから、中国人は日本人より豊かな生活をしている”というようなものである。この結論がおかしいのは、中国と日本の圧倒的な人口比を考慮していないために、一人あたりGDPで考えたときとは全く違う結論を引き出している点である。



被保護世帯率と被保護人員率が一致するのは、被保護世帯の世帯人員数の構成と、保護を受けていない世帯の世帯人員数が一致する場合である。
もし生活保護を受けている世帯の世帯人員数が他の世帯のものよりも少ない傾向にあるならば、被保護人員率は被保護世帯率よりも小さな値になる。

で、この桜内議員の主張に必要な前提なんだけど、簡単に崩れそうである。
例えば、生活保護を受けているのは老人が多く、子どもは独立しているだろう、とか。
例えば、生活保護を受けていると結婚するのが難しいだろう、とか。
例えば、生活保護を受けていると子どもが産めなかったり、産めても少なかったりするだろう、とか。
例えば、同居家族に充分な収入があると生活保護は受けられないので、世帯人員数が多いと生活保護を受ける確率は減るだろう、とか。
パッと思いつくだけでも、これだけある。


まあ、直感で議論しててもしかたないので、検証してみることにした。
用いるのは政府統計の総合窓口e-Stat http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/eStatTopPortal.do より、「平成23年被保護者全国一斉調査」。http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/GL02020101.do?method=extendTclass&refTarget=toukeihyo&listFormat=hierarchy&statCode=00450312&tstatCode=000001057907&tclass1=&tclass2=&tclass3=&tclass4=&tclass5=
おそらく桜内議員が参照したのもこの統計だろう。

ここの「1.基礎調査」に、「15. 被保護外国人世帯数、 世帯主の国籍・世帯人員・世帯類型別」というExcelファイルがある。世帯主の国籍しか分からないけど、ひとまず韓国・朝鮮人が世帯主の場合には世帯全員韓国・朝鮮人であるとして、被保護人員率を計算してみたのが、下の表。
作成手順は、世帯人員数ごとの世帯数を上記Excelより抽出→世帯人員数を世帯数にかける(念のため、6人以上世帯は一律10人として計算)→これらを足して、被保護人員数を求める、の順。
そうすると、被保護人員数の推計は38,314人。





法務省の在留外国人統計
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001118467 によると、韓国・朝鮮籍者は519,740人なので、被保護人員率は7.3%である。分母を定住者・永住者に限っても、8.8%。全体の1.7%よりは確かに高いものの、4~5倍の差を“桁違い”と表現する自然言語を、僕は知らない。
ちなみに生活保護受給者全体に占める韓国・朝鮮籍者の割合は、わずか1.9%である。

こうした差の一部は、年金制度が導入されたとき当初在日韓国・朝鮮人は除外されたこと、制度変更時にも(日本人ではあった)移行措置が取られなかったことにも依っている。http://ameblo.jp/silegrainnemeurt/entry-10570474567.html
保護世帯数に占める老齢世帯数の比率は、韓国・朝鮮籍者では51.9%にのぼる。

あと、近年では毎年1万人ずつぐらい(2~3%ずつぐらい)韓国・朝鮮籍の特別永住者が国籍取得(“帰化”)してるんだけど、自力で生計立てられなかったりすると国籍取得が難しくなるので国籍取得してない人の方が生活保護を受ける確率は高いだろうとか(これは現在特別永住者の地位にある人が生計を立てられない人たちばかりだと主張しているわけではない。国籍取得しない理由は様々)。

ていうかそもそも背景の差別がとかどうとか、在日外国人を社会保障の対象にするのは日本が加盟している国際条約上の義務でとか、在日外国人の法的権利を議論するのに外国での”反日法”(おそらく歪曲されて理解されている)を持ち出すのってどうなの?とか、議論しだすとキリがなくなるので、このエントリはとりあえず“桜内議員は、自分が参照した資料を見れば分かることを出さずに、だいぶ誇張した主張をしてるよ”という指摘だけで終わらせておく。


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先日の橋下の発言は海外ですごい勢いで報道されているわけだけど、”英語なんて読みたくない、日本語で頼むわ”と言う人のために、各紙報道を簡潔に紹介しておく。

紹介するのはTwitterのタイムラインで適当に目についた順。仕事にでなきゃいけない直前の時間で大慌てで作ったので、うまく訳せていない箇所があったらごめんなさい。

おおむね、日本政府が距離を置きたがっている(右翼的だけど、さすがに発言に賛成はしない)ことは報道されている模様。

また、慰安婦(戦時性奴隷)については、当たり前だけど各紙とも強く非難している。”お金を払ったからただの売春””銃を突きつけて連行したわけじゃないから人権問題ではない”なんていう国内向けの言い訳は、全く通用するはずがない(一部韓国や中国のスポークスマンの弁の引用だが、特に注釈を設けたり両論併記したりすることなしに引用されており、各紙の記者も賛成しているものと思われる)。




ABC 「日本の政治家が性奴隷の使用を肯定した」


橋下徹って?
--目下躍進中の代表的な政治家の一人。

慰安婦って?
--家から誘拐されたり、騙されて連れだされたりして、無理やり慰安婦にされた。日常的にレイプされ、殴打された。およそ4分の3は死に、生き残った女性にも深く傷つき、子どもが産めなくなったりした。“意に反して”であることは橋下も認めた上で発言している。”慰安婦”は婉曲表現。

発言の影響は?
--議論を呼んでいる。



BBC 「日本の“慰安婦”は”必要だった”-橋下」

橋下徹って?
--国家主義政党の長。維新の会は国会で少数議席を占めるだけだし、与党でもない。

慰安婦って?
--20万ちかい女性が無理やり性奴隷にされた。“意に反して”であることは橋下も認めている。
--戦時レイプで、人権への深刻な挑戦。(韓国外務省スポークスマンの弁として)

発言の影響は?
--韓国政府の“強い遺憾の意”と中国の驚きと怒りを紹介。

発言の背景と日本政府は?
--日本政府は距離を置いている。菅義偉は直接のコメントは控えているが、これまでの政府の公式見解を繰り返している。下村博文も憂慮を示している。ただし、安倍晋三は先月、”侵略の定義は決まっていない”として村山談話にこだわらないと発言して中国と韓国を怒らせている。



ハフィントン・ポスト 「大阪市長の橋下徹は、WWⅡ中のアジアの女性への強制売春は必要だったと語った」

橋下徹って?
--無遠慮な発言をする国家主義者の市長。若く、軽率。

慰安婦って?
--強制された売春。“慰安婦”は婉曲表現だから。最大で20万人にもなる推計。

発言の影響は?
--近隣諸国に怒りをもたらした。

発言の背景と日本政府は?
--安倍晋三政権で日本が右傾化している。(中国外務省の弁として)

発言の評価は?
--ヒューマニティと歴史的正義への挑戦。過去にどう向き合うかが日本の未来を決める。(中国外務省の弁として)



AFP 「日本政府は“慰安婦”発言から距離を置いている」

橋下徹って?
--傑出した政治家。かつては将来首相になると噂された。

慰安婦って?
--戦時レイプで、人権への重大な挑戦(韓国外務省のスポークスマンの弁として)

発言の影響は?
--韓国の“強い遺憾の意”を紹介。

発言の背景と日本政府は?
--村山談話があるのにねぇ…タカ派の安倍首相も談話を撤回しないっぽいのに。なお菅義偉はコメントすることを強く拒絶した。

発言の評価は?
--過去の歴史とどう向き合うかが日本の未来を決める(韓国外務省スポークスマンの便として)

その他
--元東京都知事の石原慎太郎共同代表も援護している。



タイトルは(1)だけど(2)以降を書くかは未定。
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*長いけど今回はあまり内容はないです。オチはそれなり。


先日INTERNATIONAL BUSINESS TIMESに掲載された井上香記者によるデマ記事エジプト人タレントのフィフィ、韓国人教授からの「脅迫」「嫌がらせ」を暴露(現在は「脅迫」の文字は削除されている)”について、もう少し記録しておきたい。


*注
この記事に関して、僕がこれまでに行った反論は以下の2つのエントリである。
INTERNATINAL BUSINESS TIMESによる金明秀教授に対する名誉毀損記事
金明秀先生がフィフィさんの子どもを持ちだして脅したという嘘


また関連するデマについても、デマの検証で定評のある法華狼さんなどが検証している。
han.orgのサーバーが韓国領事館にある件について」というデマについて-法華狼の日記

27日には、日頃俗悪な記事を載せる媒体のくせに、ポストセブンが検証記事を掲載している。
「なりすまし」にフィフィさんへの悪口書かれた男性の反論

ここまで来れば、よほど思考が偏っていない限り、普通の知性がある人には納得してもらえたものと思っている。


本題に戻る。
この記事の影響は散々なもので、たちまちのうちに2ちゃんねるに転載され、多数の2ちゃんねるまとめサイトに取り上げられ、“祭り"へと発展した。悪質なデマによって中傷された金明秀先生の大学には沢山の嫌がらせの電話が押し寄せ、Twitter上でも、中傷、嫌がらせ、脅迫の嵐が吹き荒れた。早い段階でデマの検証記事を書き介入した僕のもとにも、おびただしい数の嫌がらせのリプライが届いた。中には、僕の発言を捏造したり、大学への嫌がらせを呼びかけたりするものもあった。






これらの“祭り”については、INTERNATIONAL BUSINESS TIMESのデマ記事のみが原因とは言えまい。ネット右翼たちは日頃から獲物を探してインターネット上を徘徊しているのだから。
しかし、ネット右翼たちでさえ、祭りを起こすには仲間を糾合できる大義名分を必要としている。以前Twitter上のネット右翼が在日コリアンのTwitterユーザーの実名や顔写真を暴くなどしたことがあったが、ほとんど誰にも相手にされなかった。未成年者飲酒のように、些細ではあってもルール違反としてやり玉に挙げることができるような行為がなければ、ネット右翼がこれほどまでに大群で押し寄せることは無かったはずである。したがって、フィフィさんの一方的な主張に基づいて事実に反する記事を書いた井上香記者およびそれを掲載したINTERNATIONAL BUSINESS TIMESの責任は重大という他無い。


問題は、なぜこのような悪質なデマ記事がニュースサイトに掲載されてしまったのかである。
その手がかりを得るために、井上香記者が書いた他の記事もチェックしてみた。

例によって色分けしながら全文転載するが、今回の色分けルールは以下である。
1)テレビやネット上にある情報をそのまま転載するだけで書ける情報とそれに基づく記述をピンク
2)オンライン・オフラインの一般的な情報を用いて、複数の情報を突き合わせたり論理的な考察を加えたりしたものを水色
3)記者として本人に取材しなければ得られない情報を
とする。



「わたしたちゴミ箱じゃないんで」「勘違い人間さよなら」元AKB48増田有華のツイッターにファンら困惑 発端はステマ疑惑か 2013年3月23日

DA PAMPのISSAとの熱愛報道を受け、2012年の「AKB48紅白対抗歌合戦」を最後にAKB48を脱退した増田有華(21)が、ツイッターの過激なコメントでファンらを困惑させている。

「勘違い人間さよなら。なーんていって離れるもんじゃないけどね\(^o^)/月に変わってお仕置きよー\(^o^)/」「ほんとありもしない空想でベラベラ話されんの、信じらんない。意味わかんない。わたしたちゴミ箱じゃないんで」と増田は22日、連続でツイート。こうした増田の言動には胸を痛めているファンも多く、「せっかく色々なものを持っているのに、本人が全部駄目にしている印象」「叩かれてもこらえている、ほかのメンバーを見習ってみては」「この性格とメンタルでは先が心配」など、言動を不安視する意見が続く。

もともと増田は自由なイメージで、飾らない言葉で奔放に書き綴られる言葉がファンを惹きつけている。素の増田の人柄を身近に感じられるツイートや、AKB48のメンバーとの交流の様子を見られるツイートが喜ばれている。

しかし楽天的なツイートの中に、不穏なものが突如として混ざる。例えば13日の「変態!痴女!って、めっっちゃいい響き。振り切ってる女性って、良くない?笑。変態は正義だとおもふ。はは」「強風のなか、スカートはいていこーって言っただけで、リプ欄が悩殺娘!悪魔!変態!の嵐。元アイドルやぞ!ww嬉しいやないか!もっと言って!」といったまさかの"痴女宣言"が、見ている側をドキリとさせる。また、16日には「あかん。暴れたくなってきた。きた。きたきた。誰か、止めて」という暴走めいたツイート、さらに20日は「急に泣きそうになる。いまの気分にあう音楽なんだろ、隙間を埋めてくれるような」と、情緒不安を思わせるコメントも見られた。

22日の増田のツイート「勘違い人間さよなら」などは、22日に起こった「ステマ疑惑」報道に対する怒りとも考えられる。

21日、増田はアメブロで「そういえば、Twitterに最近サプリメントにハマってます!って言ってたところ...皆さんから何のサプリか教えて~と反響の声をいただいていたので今日はそのサプリメントを紹介しますね!!」と、メーカーからもらったという美容サプリの紹介をしている。その内容がステマ記事の文体に似ており、さらに商品購入ページへのリンクがしっかりと併記されていたことから、一部のファンからステマなのではないかと噂され、その後一部で報道されるに至った。

しかし、昨年複数の芸能人によってアメブロ内での不正な宣伝が横行し、ペニオク詐欺事件として大問題となったのをきっかけに、アメブロでは企業や商品の紹介を掲載する場合のガイドラインを整備した。これに違反した場合記事の削除を求められ、改善されない場合にはアカウント削除といったペナルティが生じる。

そこで増田のブログを見てみると、23日現在、当該記事はまだ閲覧可能。また、企業からの依頼を受けた紹介記事にはPR用の画像を挿入しなければならないが、それもない。つまり掲載内容に特に問題はないと見られる。増田は、この件について誤解だと言いたいのではないだろうか。

もっとも、ペニオク詐欺事件からまだ時間はそう経過していないことから、インターネットの掲示板では誤解を受けるような安易な行動は慎むべきだという冷静な意見が目立つ。

AKB48を脱退した増田はもはやアイドルではない。しかし、現状、増田を見守るファンはAKB48時代からのファンが大多数を占めている。きつい表現での批判も混じりはするが、自分をもう少し大事にしてほしいという点が共通するファンの声を、増田はどのように感じるのだろうか。



東日本大震災 人気マンガ「銀魂」作者のメッセージが、2年を経てなお胸をゆさぶる
2013年3月12日

東北地方太平洋沖地震(東北大震災)から2周年を迎えた11日、各界の有名人・著名人が改めてコメントを発表した。その一方で、ネットユーザーの間では、「週刊ジャンプ」(集英社)で連載中の人気マンガ「銀魂」の作者空知英秋(そらち・ひであき)さんによる、東日本大震災へのメッセージつきイラストが話題となっている。

「悲しい事がたくさん起こって 前向きになんてなれない時もあると思いますが そんな時は 気負わず横でも向いてください みんなついております、みんなで一歩ずつ前へ 進んでいきましょう」という直筆のメッセージに、「銀魂」主人公坂田銀時、新八、神楽など仲間たちが一列に並ぶイラスト。この作品は2011年の震災直後、週刊ジャンプ、および月刊ジャンプSQ(スクエア)の漫画家たちによって企画された被災地応援用の作品で、発表から2年を経た現在もジャンプの公式ホームページ上から閲覧することができる。

この企画では他に「ワンピース」の尾田栄一郎さん、「DRAGON BALL」の鳥山明さん、「家庭教師ヒットマン REBORN!」の天野明さんなど人気作家がこぞって筆をふるっているが、なぜ空知さんの作品に目が向けられるのか。理由のひとつとして「作風」が挙げられるだろう。軽妙な会話のやり取りなど「言葉」を効果的に使っているのが「銀魂」の持ち味で、普段は下品なネタも多く見られるが、重要な回では仲間同士の絆がしっかりと描かれる。そうした中で放たれる主人公のセリフなど、ファンの間では名言といわれているものが多くある。

「深い」「泣きそう」と、現在もツイッターを通じて話題が広まっている。「がんばって」「がんばろう」という言葉に疲れたとき、胸に響くのではないだろうか。

空知さんによるイラストメッセージはこちら

少年ジャンプ.com:http://www.shonenjump.com/j/message/index.html


(転載ここまで)


ご覧のように、彼女の記事はほとんどがピンク色に染まってしまった。記事の大半はTwitterなどで話題になっていることをそのまま転載しただけであり、考察を加えた箇所はほとんどないし、裏取りをするために本人に取材した形跡は一切ない。
このような、2ちゃんねるで話題を仕入れれば高校生の小遣い稼ぎのバイトでもできるような仕事をしているのだから、今回のデマ記事は書かれるべくして書かれたと言えるだろう。僕は先日、井上香記者は悪意を持って事実を誤認させるように記事を書いたと書いたが、もしかするとそんな悪意は全くなく、単に恐るべき無能か怠惰のためにあのような記事に仕上がってしまったのかもしれないと思い直しつつある。

ニュースサイトに寄稿している友人に尋ねたところ、“ニュースサイトの原稿料はとても安い。でもこういう仕事をしている記者の自己責任でもあると思う”との返答だった。
ようするに、
原稿料が安い
⇒記者は取材の手間をかけずにネットで仕入れた情報をそのまま転載して記事を書く
⇒どうせたいした仕事ではないのだからとニュースサイト側も安い原稿料を設定する
という悪循環の結果、写真週刊誌以下のクオリティの記事が量産されているというのである。

せめてこの種の媒体を真に受ける人がいなくなって、みのもんたの与太話と同レベルの扱いになればいいのに。と溜息をついたり、ああ、でもみのもんたの与太話でさえ納豆やバナナを店頭から消し去るぐらい信用されてるんだから、人間が賢くなるのは難しいんだろうなあとまたため息をついたりする今日。


ところで、この井上香記者であるが、強烈に皮肉なことに、スマイリー菊池さんに対する悪質なデマ事件について、スマイリー菊池さんに同情的な記事を書いていた。今回井上記者がやったことは、スマイリー菊池さんを陥れた人々に匹敵する行為であったわけで、教訓としてこの記事も全文引用しておきたい。ついでにこの記事についても、上述のルールで色分けをしておく。



お笑い芸人・スマイリー菊池の受難 ネット社会が生み出した「誹謗中傷」の恐ろしさ
2012年12月20日

お笑い芸人スマイリー菊池が、10年間に渡る苦悩を19日放送の「ザ・世界仰天ニュース」で告白した。

きっかけは1990年代に起こった残酷な殺人事件。犯人の一人と本名が同じ、事件発生現場が自身の出身地という偶然から、「スマイリー菊池は殺人犯である」という噂がネット上で広がった。

ネットが普及し始め、ネチケットという言葉もまだ浸透しない時代背景を受け、次第に加熱する誹謗中傷に芸能人としての活動はおろか、人間らしい生活さえままならない。こうした日々が10年ほど続き、のちにこうした日々を出版するまでになっている。

スマイリー菊池は放送への反響を受け、19日に自身のブログでネット上での誹謗中傷について「このような経験をするのは僕一人で十分、人の人生を潰そうとすれば自分の人生を潰してしまう。誹謗中傷はやめてください」と訴えた。

またその一方、ネット上で同様の被害に遭っている人に対しては「 どうか人を好きになる気持ちだけはなくさないで、自分の命や人生を大切にしてください」と呼びかけ、この日の記事を「笑顔を大切に後悔のない人生を共に歩みましょう!」と締めくくっている。
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昨日から嫌な方向の盛り上がりを見せている金明秀先生とフィフィさんの確執(→ INTERNATINAL BUSINESS TIMESによる金明秀教授に対する名誉毀損記事)ですが、金明秀先生がフィフィさんの子どもの通学先の学校を調べて脅迫しているという、看過できないデマが流れているので、これについても訂正しておきたいと思います。


問題になっているのはこのツイート。



確かにこれだけを見ると、フィフィさんの子どもの通学先を調べあげてヤクザまがいの脅迫をしているように見える。

でもちょっと待って。落ち着いてリンク先を覗いて下さい。リンク先は、特定の学校のホームページではなく、文部科学省が助成する外国人学校全てのリストです。これを示したところで、脅迫なんてできっこありません。
ではどういう文脈だったかというと、(アメブロでTwitterを埋め明込むのは大変なので、ここだけコピペにさせて下さい。捏造不可能な証拠が欲しい人は金明秀先生のTwilogで確認できます。

@han_org: .@fifi_egypt あなたのお子さんが通っているという外国人学校は、朝鮮学校がこれまでに訴えてきたおかげで就学支援金を支給してもらっているにもかかわらず、差別政策によってその就学支援金の支給から除外されている朝鮮学校を特権だと煽っていましたよね。

@FIFI_Egypt: は?うちの息子がどこの学校に通ってるのか知らないのになにいってんの?あなたさ、大学教授でしょ?なんでそんな適当いえるの?RT @han_org: あなたのお子さんが通っているという外国人学校は、朝鮮学校がこれまでに訴えてきたおかげで就学支援金を支給してもらっているにもかかわらず…

@han_org: .@fifi_egypt おたくのお子さんはこちらにはいらっしゃらないので?http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/ushouka/1307345.htm…

とこういう流れ。金明秀先生が“あなたのお子さんは外国人学校に通って公的補助をもらっているでしょう”と言ったのに対して、フィフィさんが“そんなことあなたは知らないでしょう”としらを切ったので、金先生が”公的補助をもらっている外国人学校には含まれないの?”と念押ししただけ。何も不自然なところはありません。


でもでも、フィフィさんの子どもが外国人学校に通っていることを知ってるだけでもおかしいよ!と反論したい方は、こちらのツイートを。と思ったら色々気づかれたらしくフィフィさんにブロックされていてツイートを埋め込めないので画像で。発言のURLはhttps://twitter.com/FIFI_Egypt/status/180933119275307008です。

Accipiter

何のことはない、フィフィさんは自説の補強のために自分の子どもが外国人学校に通っているとしばしば公言しています。



結局、会話の流れのどこをとっても脅しの要素は一切ありませんし、金明秀先生がフィフィさんを脅すために格別の労力を投じたという痕跡もありません


それが、フィフィさんにかかるとこうなる。
https://twitter.com/FIFI_Egypt/status/326339223126962176

Accipiter


はい、見事に金明秀先生を凶悪犯罪者にしたてあげてしまいました。明らかに悪意をもって、脅迫の被害をでっち上げています。
これに釣られて義憤を金明秀先生にぶつけている人たち、あなたの善意はフィフィさんにしゃぶり尽くされています。


まあ大学教授みたいに地位のある人間がヤクザまがいの脅迫をしていると聞けば、カッと頭に血がのぼるのも分かるんだけど、幾つかの点に気をつけていればこんなしょうもない釣りに引っかからずに済んだはず。

1)リンクがある場合、必ず自分の眼でリンク先を確認すること。キャプションとリンク先の内容が異なっていることはざらです。

2)リツイートで流れてくる情報、特に非公式リツイートで流れてくる情報に反射的に反応しないこと。流れの一部を切り取ったものは、しばしば元のものとは全く異なる意味にされています。特に、非公式リツイートの場合は容易に捏造できます。フィフィさんはこれまで捏造の非公式リツイートを繰り返し行って来ました。例:フィフィ(FIFI_Egypt)さんは捏造をいい加減やめたらどうか http://togetter.com/li/411850

3)2ちゃんねるおよび、特に2ちゃんねるまとめサイトの情報は信じないこと。情報は既に加工されまくって、原型を留めていません。しかも、悪意のある歪め方をされています。

4)あんまり言いたくないけど、Twitterには繰り返しデマを流しているユーザーがいます。フィフィさんもそうですし、他に某ジャーナリストとか、某医者とか。属人的な評価は好ましくないけど、嘘が多いって分かりきってるんだから、せめて自分で裏を取ろうね…?

まあそんなこんなで、3.11の震災の後デマ予防で散々繰り返されてきたことを繰り返すだけになっちゃいましたが。皆さん気をつけましょう。
4月23日付けの井上香記者による”エジプト人タレントのフィフィ、韓国人教授からの「脅迫」「嫌がらせ」を暴露”と題する記事 http://jp.ibtimes.com/articles/43253/20130423/607287.htm#.UXW_892XX8R.twitter について。


先ほどTwitterを眺めているときに飛び込んできたのがこのタイトル。
タイトルを見た瞬間に、韓国人教授というのは関西学院大学の金明秀先生(Twitterの@han_org)のことだろうとピンときた。僕は金明秀先生を長らくフォローしてきたのだけど、フィフィさんの無責任な発言を金明秀先生が批判してきた経緯を知っているからだ。ただし、彼の発言が脅迫や嫌がらせと呼べるものではないことはよく承知している。例えばここのTogetter ”フィフィさんの発言に対する金明秀さんの反応 http://togetter.com/li/273920”を見ても、金明秀先生のフィフィさんへの批判が脅迫・嫌がらせに当たると思う人はいるまい。この二人の間の論戦(と呼べるほどフィフィさんは誠意のある発言をしていないのだが)は常に、フィフィさんが在日コリアンに対して無責任な誹謗を行い、金明秀先生が批判するという形でなされてきた。ただしフィフィさんの方は批判者に対して誠意のある対応をしてきたわけではなく、”フィフィ(FIFI_Egypt)さんは捏造をいい加減やめたらどうか http://togetter.com/li/411850”に見られるように、相手の発言を捏造して自分のフォロワーに攻撃させるという陰湿な嫌がらせをしばしばしてきた。


で、そういう経緯を把握している人間から見た今回の記事であるが、とても面白い手法が使われていたので、紹介したいと思った次第。

以下に全文を引用するが、その際、記事の内容を分類して色分けを行う。
1)フィフィさんの主張の部分はピンク
2)客観的な事実だが「脅迫」「嫌がらせ」には関係のない周辺的な事項の場合は水色
3)客観的な事実で、「脅迫」「嫌がらせ」に当たるかもしれないものの部分を黒

とする。



(以下引用)http://jp.ibtimes.com/articles/43253/20130423/607287.htm#.UXW_892XX8R.twitter

ストレートな発言で知られるエジプト人タレントのフィフィさん(37)が、現在ツイッター上で暴言を受けていることを公表した。

22日夜、突然「サイッテーやな、フィフィ。以後は手加減しないよ」というコメントをリツイートしたフィフィさんは、ツイートの主について「これ関西の大学教授。信じられないでしょ。でも本当」と暴露。相手はなんと、関西学院大学社会学部で教授を務める金明秀(キム・ミョンス)教授だという。

キム・ミョンス教授は福岡朝鮮初級学校、福岡大学附属大濠高等学校等を経て、1990年に九州大学文学部哲学科社会学専攻卒業と、幼少時に日本に移住したフィフィさん同様、日本での生活が長い在日韓国人だ。専門は計量社会学、社会階層論と社会意識論となっており、在日韓国人という目線から「ハン・ワールド」を主宰している。


フィフィさんはさらに「彼の取り巻きをご確認下さい。私のお気に入りにいる方々。この時は酷かった 朝のラジオやってたんだけど、毎週番組への集団嫌がらせツイート」とツイッター上の「お気に入り欄」を見るよう誘導。フィフィさんが担当していた朝のラジオといえば、3月18日に降板したNHKラジオ第一『すっぴん!』月曜レギュラーを指すと思われるが、番組降板を理由に「これが去年から続いていた嫌がらせの根源です。もう私は黙りません。日本にいて外国人に集団で嫌がらせされるのは許されない事です。しかも外国人教授」と、徹底抗戦の構えを見せている。

フィフィさんはエジプト共和国カイロ出身で、2歳のとき日本に移住、2001年に日本人男性と結婚、1児をもうけている。これまで政治経済、芸能、社会とカテゴリを問わず、問題の核心に鋭く切り込む率直な発言はたびたびネット上で議論を巻き起こし、ニュースになることもあった。

しかし、17日にはネット上での発言が独り歩きすることに対し「こうして呟くほど仕事が減少してるリスクぐらい想像できないものかね?そんな甘いもんじゃない」とツイート、さらには「ネットで話題でも番組に呼ばれない。どんな圧力が働いてるか想像つきますよね?もう諦めたからこそ自由に発言してるんです」と、何らかの”圧力の存在”を匂わせる発言が話題を呼んでいた。

(引用ここまで)


ご覧の通り、記事の大半は(1)フィフィさんの主張に過ぎないものと、(2)客観的な事実ではあるが「脅迫」「嫌がらせ」とは関係のないもの、の2つから成っている。唯一「脅迫」「嫌がらせ」に当たるかもしれないものは金明秀先生の「サイッテーやな、フィフィ。以後は手加減しないよ」というツイートであるが、これはフィフィの度重なる無責任な発言に対して“これまでは遠慮していたが以後は徹底的に批判する”と宣言しただけの発言であって、こんなものは「脅迫」にも「嫌がらせ」でもない。社会的な影響力のあるタレントの無責任な発言に対して常識の範囲内で批判することが「脅迫」や「嫌がらせ」に当たるのであれば、民主主義など成り立たないだろう。
つまりこの記事は、フィフィさんの主張に過ぎないものと客観的だが無関係な事実を織り交ぜることによって、あたかもフィフィさんの主張も事実に基づいているように錯覚させるというテクニックを用いて書かれている。当然のことだが、金明秀先生がどこの小学校を卒業していようが、フィフィさんが何歳のときに日本に移住していようが、金明秀先生がフィフィさんに「脅迫」「嫌がらせ」をしていることの裏付けには成り得ない。

要するにこの記事は、捏造こそ巧妙に避けているものの、読者が明らかに事実と異なる誤解をするようしむけ、金明秀先生の名誉を毀損するように書かれているのだ。こういうテクニックにやすやすと釣られるような人は、“マスゴミ(笑)”などとバカにする前にネットから離れよう。迷惑です。

なお、タイトルの“「脅迫」「嫌がらせ」を暴露”という部分に関しては、“暴露”という言葉が“真実を明らかにする”というニュアンスがあるため、事実に基づかない捏造にあたる。もしかすると、カギカッコ付きにすることで、“あくまでフィフィさんの主観について言及したものなので事実に反しない”と主張するつもりだったのかもしれないけど、そこまでは普通読み取れない。


まあフィフィさんに関しては、このツイート

に尽きる。


私や友人たちがIBTIMESに抗議のメールを送ったところ、現時点(2013/4/23/09:58)では、“【訂正】記事タイトル、本文中の「脅迫」という表現に関しまして不適切と判断し、訂正させていただきました。”という断り書きと、タイトルからの「脅迫」という単語の削除がなされている。でもそんな小手先の修正じゃ足りないってば。



2013/4/24 追記
唯一の黒字部分に関して、“いーや、これは脅迫だね。少なくとも相手は脅迫だと感じるね”というコメントをしつこく頂いたので、昨年11月の金明秀先生のツイートを転載します。


要するに”手加減しない”という発言を受け取った直後に、それが“徹底的に批判する”という意味であることをフィフィさんは知らされています。それを半年近く経った今、最初のツイートだけ切り取って非公式RTした意味、もうお分かりですよね?あなたの善意はフィフィさんに喰い物にされています。



4/24 もう一個追記
記事中の、フィフィさんのお気に入り欄には嫌がらせのツイートが保存されているという件について。
まず、金明秀先生以外の人間が嫌がらせのツイートをしていたとしても、金明秀先生が脅迫や嫌がらせをしているということの裏付けにはならない。
次に、フィフィさんのお気に入り欄をAPIの許す限り遡ってみたのだが、脅迫や嫌がらせの類は見つけられなかった。せいぜい、無責任な発言に対する批判ぐらいである。
で、そのことを念頭に記事をもう一度読んでみると、フィフィさんがフォロワーをお気に入り欄に誘導したこと、嫌がらせをされたと主張していることは書かれているが、お気に入り欄に実際に脅迫や嫌がらせのツイートが保存されているとは一言も書かれていない! 井上香記者は、事実を捏造することを巧妙に避けつつ、読者がフィフィさんの主張を真実だと信じるようにしむけている。まんまと乗せられた皆さん、お疲れ様。