ルールのお勉強 PCS・SSその⑤最終回 | siennaのブログ 〜羽生君応援ブログ〜

siennaのブログ 〜羽生君応援ブログ〜

羽生結弦選手の現役時代をリアルタイムで体験できる幸運に心から感謝しつつ、彼のスケートのここが好きあそこが好きと書き連ね、ついでにフィギュアにも詳しくなろうと頑張る欧州住まいのブログ主です。

いよいよSS編最終回です♪

聞き取りに入る前にまず、前回の個人的なポイントを確認しておきます。
(所詮初心者のポイントなので、そんなの知ってるわ!、と言われてしまいそうですが💦)

前回ジェニーが、カロリーナのジャンプは入りと出のフローも良し、と言うのを聞いて、そうか、それもSSで評価されるんだと気付きました。
ジャンプの出来に関してはGOE、またはPCSのTRで前後の繋ぎが評価されるのはなんとなく知ってましたが(TRについて前記事で書き忘れ、Cyaniteさんからご指摘いただきました♪)、プレパレーションから着氷まで工夫のある美しいジャンプというのは、フローとコントロール力という点で当然SSにも関わってくる、それを改めて認識することができました。


それに関してこんな記事を見つけたので、引用させていただきます。


…そしてジャンプも、その場で跳び上がることよりスピードをつけて踏み切り着氷することのほうが難しい。ですからスケーティングスキルを持った選手が「スピードにのった踏切から→軸を保って飛距離を出し→乱れのない着氷→滑りが止まらずそのままスピードが落ちずに流れていく」という理想形でジャンプを成功させると、要素加点であるGOEも上がり、大きな得点源となります。ジャンプが終わった後の着氷でストンとその場で滑りが止まってしまってからまた漕ぎ出すのとでは、GOEが全く違っています。というようにスケーティングスキルはジャンプのGOEとも連動する大事なポイントにも思えます。…


なるほど納得です。
というか、これは羽生くんのジャンプの説明ですか?( ´艸`)



では、The Skating Lessonさんの聞き取りスタートです。



J:まとめとして簡単にだけれど、ミスターPCS、パトリック・チャンを取り上げましょう。 昨シーズン(2013)のワールドSPを見ます。ジャッジがつけた点数は…

(ここでジェニーが9.14のところ1.4と口を滑らせ、二人で大受け)

…9.14。で、リース教授、あなたは?

D:僕は9.50。君は?

J:10.00!

D:ええっ、ありえない!

J:このプログラムは完璧よ!今季もフットワークに入る所でクロスオーバーを2回じゃなくて3回やってるんだけど、そこのところを除けばね!OK、私がこのプログラム大好きな理由を説明するわ…

D:僕は完璧な人間なんて誰もいないと思うから10.00は出さない。誰だって進歩できる余地が少しは有るはず。

J:…これはね、もし私がコーチだったら毎週土曜の朝に子供達に「さあ座ってこれを見るように!」って言うプログラム。完璧そのもの。まず、現役選手中、最も深いエッジ。ものすごくエッジが安定していて…ジャンプに関してはそれほどだけど(笑)…流れも信じられないくらいスムーズ。多方向へのスケートも素晴らしい。特に4Tの後。それから片足滑走だけど、3A降りた後に片足に乗ったままキャメル・チェンジフット・キャメルのスピンに入ってる。3Lzの後もすべて片足よ。このプログラム、まったく途切れがないの。4T前に上手く氷を使って加速しているでしょう。完璧!

D:うん、実際彼のターンをしっかり見てみたけどね。彼のブラケットやカウンターやループ、これらはほとんどジャンプに匹敵するぐらいのインパクトがある。スケートの何を見るべきか、それがわかっていれば見えてくる。ツイズルからさえスピードを得ているんだよ。本当にすごい。何をやっても加速できている。クロスオーバーからの加速はほんの一部。どこからスピードを得ているか、これはSSを見る上でカギになるポイントの一つだよ。とにかくパワフルだし、エッジの深さときたら…見てごらんよ…転ぶ時もあるけど…でも大胆にエッジに乗って行っている。彼のスケートはとてもアグレッシブなんだ。彼がナンバーワンであることは間違い無いと思うね。パトリックはディスられたりもするけれど、評価すべきところはすべきだし、彼はそれだけのことをやっている。男子シングルでは最高のスケーターだろう。



動画はこちらです↓




10.00!
ジェニーさん、大きくでましたね~

しかし二人の絶賛の割にジャッジの点数が大人しめなのは、4Tと3Aのジャンプの着氷で流れが止まってしまったからかな。
プロトコルを見ると、GOEが4T-3Tで1.57、3Aで2.00。
フツーに素晴らしい加点なんですが、SSに10点満点を出すにはさすがに足りないのでは?
(ちなみに4T、3AそれぞれGOE3点満点を叩き出した羽生選手の全日本SPのSSは9.20でしたね。)


というわけで、これまでSSというと、ディープエッジでツルスケの事か?…ぐらいのイメージしか無かった私ですが、デイヴとジェニーのおかげで、そんな単純な話ではなく、しかも意外なことに数量的に評価することも可能だということを学ぶことができました。

最後に、二人の解説をヒントに、スケオタ初心者でも最低これらはチェックできそう!と思った点をまとめます。

・片足滑走の割合
・片足滑走中もスケートが伸びているか=加速しているか
・滑走方向の時計回り・反時計回りの比重 (特にジャンプ・スピンの回転方向とは反対方向の滑走が少なすぎないか)
・ターンの時計回り・反時計回りの比重(同上)
・バッククロス数

別に私たちはジャッジではないし、お仕事でフィギュアを見ているわけではないので、演技を見るたびに細かくチェックする必要はありません。
ただ、A選手よりB選手の方がSSが高い(低い)のは何故なの!?と納得の行かなかった時などは、面倒でも上記の点だけでも比較してみると良いのでは。

そうそう、ISUさんの動画でこんなものがあったので貼っておきますねー。
SSが良い・普通・弱い、3段階のレベルの演技が紹介されてますので、自分で審判気分で見てみると面白いと思います。
ちなみに「良い」SSのスケーターは誰だと思われますか?(´∀`)


弱い


普通


良い