我らが王子様も休養されていることですし、クリアファイル騒動とも縁のない私、静かに新年の誓いを実行に移すのは今でしょ!
ということで、まずは「PCS」に取り組むことにします。
ステップも覚えたいけど、レベル判定というか点数とのつながりを理解するのがスピンよりずっと難しそうなので、とりあえず放置。(動体視力も衰えてるし…ますます無理っぽい。汗)
などと考えつつ、楽しくお勉強できそうなブログ等探していたら。。。
しばらく前から時々見るようになったアメリカのサイト、The Skating Lesson。
FSファンの間では有名なのかな?
ご存知の方もきっといらっしゃいますよね。
スケオタDaveとJenny(元ジュニアワールドチャンピオン)の二人組が、各大会の振り返りなどを2~30分ほど賑やかに喋りまくり、その録画をアップするというコンセプトのサイトです。
そこにPCS解説動画があるのを冬休み中見つけてしまいまして、結構楽しくてわかりやすい。
というわけで、それをお借りして勉強することにしました♪
問題は…この方たち、結構口さがない。
選手に対してそこまで言うか?という本音トーク、こちらも本気で不愉快になることもあって、今まであまり訪問しなかった位。
これからご紹介するエピソードも基本選手たちに容赦遠慮無いのでご注意ください。
解説の構成としては、様々な演技のPCS採点に対し、二人がそれぞれ自分で出した点数を提示、演技動画を見ながら採点の根拠を説明していくというスタイルです。
今回はPCS5項目中、すべての基礎となるSS(スケーティングスキル)から聞き取ってみました。
いつものように二人の軽口の応酬から始まります。
で、ややあって、Daveが「SSってなんだろう。SSはPCSの中でも最も重要とされている。ジャッジは演技中にいろんなエレメンツを評価するのにすごく時間をかけるわけだけど(注←おそらく皮肉)、SSが一番簡単にジャッジできるんじゃないかな。他項目の点数に連動しているという印象を持つ人が多いね。」と述べて、SSの評価基準の説明に続きます。おなじみのヤツ↓
・バランス、リズム感のある膝の使い方、足さばきの正確さ。
・流れと無理ない滑走。
ブレードの安定した走行とラクな重心移動を生み出すためのリズムと強さ、クリーンなストローク、上体の傾きの効果的な使用。結果的に無理なくパワーと加速がもたらされていること。
・ディープエッジ、ステップとターンの正確さとコントロール能力
・パワーとエネルギー、スピードと加速の多彩な使い方。多彩の区別は微妙な時もある。
・全方向へのスケーティング、フォアとバック、時計回りと反時計回り、両方向への回転。
・片足滑走に習熟していること、両足滑走を多用しないこと。
さらに点数配分などの説明もあって、本題に。
Jenny(J):OK、じゃあコートニー・ヒックス選手から始めるわよ。先週行われたスケートカナダ(2013年)でのSP演技を分析します。ジャッジはこの演技のSSに6.18という点数をつけたわね。デイヴ、あなたはジャッジに賛成?
Dave(D):僕は断然低め。
J:6.18より低いの?
D: 6.18より低いね…5.25だよ。その理由はいろいろあるけど…君は何点つけたの?
J: (言いにくそうに)…私…は…4.75よ…
D: おおおお
J: そうなのよー。今日は私厳しいロシア人ジャッジになったつもりって言ったでしょ!
D: でも(点数の)理由はあるよね!
J: そうなの、演技を見てみましょう!
D: オッケー。まずコートニーの演技で気づくのは、両足滑走が多いこと。片足滑走に習熟していない。片足滑走でターンからジャンプに入ろうとする時もすごくエッジが浅くてブレードに乗って傾斜することがない。つまり、バランスやリズミカルな膝の動きという項目を満たしてないんだ。それからクロスオーバーの伸びが無くて、ランニングマン(ストリートダンスのステップ)みたいになってる事も。特にフォアクロスがすごく浅く、ちゃんとしたクロスオーバーになってなくて、氷の上を進めていない。一番残念なのはフットワークシークエンス。エッジの浅さと効率の悪さが見て取れるからね。フォーワードアウトサイドのループなんか、もう…
J: そう、回転するのにエッジに助けられてない。
D: そういうこと。SSの練習にあまり時間を費やしてない感じ。特にこの数年はジャンプの練習でSSは後回しになってるんだろう。君は彼女のスケーティングでどんなことに気がついた?
J: 片足滑走や全方向へのスケーティングとかの判断基準をざっとチェックしてみたけど、フォアの項目は省いていいと思ったわよ。だってこれ全く関係ないもの。彼女のプログラムに入っていないでしょう。従って全方向へのスケーティングというのも満たしてない。もちろん時にはフォアで滑ってバックでジャンプに入っているけど。でも反時計回りの滑りも無い。パンクした3Lzに入る時にほんの少しだけあったかしら。それから、これと分かるほどのスピードやパワーの変化も無い。迫力ある音楽だからそこを強調できると良かったのに。3F-3Tに入るスピードはとても速かったけどそれは彼女が元々スピードのあるスケーターだからであって、加速はしてないの。エッジがもっと深くないと、というあなたの意見にも賛成だわ。 この演技には5~6点以上出せないわね。私は判断基準を満たしてないと思った。
D: そうだね。GPSに出る選手なら少なくとも5.5点のレベルを期待するし、ジャッジもGPSということで点数の最低ラインというものがそれなりに頭にありそう。とにかく、コートニーはスケーティングがまだ不足していて、パワーとスピードはエッジじゃなくてクロスオーバーから引き出している。スケーティングスキルを見る上で一番参考になるのは、果たしてクロスオーバーから得たスピードが維持できているか、それとも失速してしまうかという点。彼女はターンの度に失速するタイプだと思う。コントロールが足りないし、多彩さもあまりないね。
…ということで、ヒックス選手に厳しい成績表が渡されました。
俎上に上がった演技はこちらです。
彼らの会話を思い起こしながら動画を見てみました。
確かにぐるぐるループしてる所は力任せという感じで上半身もぐわんぐわんですね。
んで、フォワードも少なくて、テケテケ小走りが多い。
反時計回り方向が無いというのはよく分からなかった…回転じゃなくて進行方向ですよね?
滑走方向ってカメラが切り替わると、こんがらがっちゃうんですよ💦
全体的に粗削りなスケートではあります。
ところが1年後、今季も出たスケカナの演技ではばっちり進歩の跡が♪
片足滑走を意欲的に取り込んで、重心移動もずっと滑らかになっていてびっくり。
SSも6.18→7.11と大幅アップでした!
ここで唐突にゆづの話になりますが、加速といえばいつもうっとりするのがファントムの3A-3Tに入る直前です。
イーグルが終わってターン2回くらいですんごいスピード出してますよね?
しかもその加速度合が盛り上がる曲想にぴったりなのがもう何度見ても素晴らしいんです。
まさに多彩かつコントロールの効いた加速じゃないでしょうか。
さすがスケーティングマスター♪
まだまだ続きます。次はヨナ選手の演技です。
皆さん、7種類あるというクリアファイル、無事にゲットできるといいですね
![音譜](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/038.gif)