『紙の爆弾』にも、読者の投稿欄なるものがある。
ときどき、なぜこんな幼稚なものをわざわざ載せたものかと思うことがある。
その前に、まずはマトモなもの。
投稿欄にもネタはころがっているものだなあと思わせる。
『中小企業の裏側のような読み物を期待しています。
いまの中小企業は資金繰りのために、保証人になっても結局は一家離散や自殺などに追い込まれてしまいます。
これは中小企業に対する法律、税制、金融制度に元凶があると思います。
中小企業が失敗、倒産しても、やり直せる社会になってもらいたいものです』
だいたい日本人は、「制度をよくしよう」とは考えない。
「中小企業はダメ」「もっとよいところに勤められるように努力努力」という発想になる。
日本社会の救いがたいダメさ加減からすれば、その選択は”現実的”かもしれない。
だが、それにしても「中小企業はダメ」というのは不公正極まりない”差別”ではないのか?
日本は、弱い方がハンデを負わされていたぶられ続ける鬼畜社会である。
「弱いのが悪い」「いじめられるのが悪い」…という発想なのである。
テレビでいじめ問題などをみると、見境なく頭に血がのぼるくせに、
この投稿者のように「中小企業が失敗、倒産してもやり直せるように」とは考えず、
むしろ逆に「負けたやつをタダで救えというのか?それはアンフェアだ」と考える。
「いじめは許せない」などといいながら、いじめのシステムを変えようというと「甘やかすな」などという。
こういうのを日々みていると「日本人は優秀だ」などと寝言を言ってる連中の気が知れなくなるのだ。
正真正銘の”鬼畜”というのは、案外「善人」や「常識人」でとおっているものである。
秋葉殺人鬼の類は、むしろただの”小心者”であり、この日本という鬼畜社会に呑みこまれ、それを”投影”してしまったにすぎない。
したがって、彼を「死刑にする」ということは、彼に投影されている、この日本社会を「死刑にする」ことにほかならない。
こういうと、「社会にせいにするな」などとほざく手合いが必ずいるのだが、では、日本ではなく、別のシステムの社会においても、彼は殺戮事件を起こしたのであろうか?
彼を犯罪へと追いこんだ分は、刑罰から差し引き、逆に社会に贖罪を求める…
これが、文明国における本来の裁判のあり方だ。
近代の裁判制度は、被告人を裁くのではない。「裁く側を裁く」のだ。
「そうした裁判においてもなお有罪が確定するならば、それはまず間違いあるまい」ということである。
ところが実際には、何かというと「罪を逃れる」だの「人権が~」だのほざいて難癖をつける手合いが多い。
彼らは、イエスが断罪した「パリサイ人」や「律法学者」と同じ考えをしている。
人権は、公正な裁判のために絶対に必要なものであるし、
罪に問うてはならないものを「罪に問える」と錯覚して「罪を逃れる」などというのはただの無知である。
イエスは、「パリサイ人」や「律法学者」を呪いこそすれ、「救われる」などとは言っていない。
むしろ、「新しい酒は、新しい革袋に」と述べている。
そして、現実にそうしたルサンチマンな鬼畜思想が日本の法システムを暴走させている。
まさに日本は滅亡一直線。わが「鬼畜日本滅殺」の大願は刻々と成就しつつある。
国を滅ぼすほどの”鬼畜”とは、一見「ふつう」で「常識人」に見えたりするものである。
さて、そろそろそういう手合いの典型的な思考を見てみよう。
『最近、ニュースで生活保護の給付金が減額されたとありましたが、ようやくかとの思いで読み進めるとたったの五千円でした。
バカも休み休み言えです。
しかもこの減額に受給者たちは抗議するとのことでした。
彼らは元気満々、エネルギーを思いっきり発散してデモを行っていますが、それだけ元気があれば仕事できるでしょといつもテレビをみていて思います。
いずれにしても減額はこれ以上望めませんね。
私も働かないで受給申請しようかな』
典型的な”B層”である。
テレビなんぞみているから、なんでデモをしているかもわからない。
>「私も働かないで受給申請しようかな」
是非、やっていただきたい。代わりなんていくらでもいるわけだから、他の人に職を譲ってやればよい。
そんなに羨ましいなら、やってみればいい。
たとえ五千円といえども、不正受給ではない者まで減額することは正しいことではない。
私の周囲にも、この手合いのバカが溢れていて大威張りでゴタクをならべて恥じるところがない。
「これは冤罪の可能性がある」と言ったら「でも、犯人だったら困るし…」\(-_-メ オイオイ…
不正を逃さないためなら、不正をしていない者も処罰してよいというのか?…
不正受給といえば、大学研究費や医療費などでも後を絶たない。整骨院の不正受給の噂もよくきく。
「不正受給があるから」という理由で減額すべきなら、大学研究費や医療費も減額しなければなるまい。
教授や医者は、生活困窮者ではないのだぞ?こっちのほうが先ではないか…
さらに”益税”に至っては、儲かっている企業に納税する仕組みで、この「不正受給」は「合法」なのだ。
腹を立てる対象、批判すべき対象を完全に取り違えている例である。
こんなのを許すから、「”働かないのに養われている”のは年金も同じ」と、年金も減額される。
仕事にありついているだけ恵まれている身で、何を勘違いして偉そうなクチをきいているのか?
こういったクズが、のうのうと一人前ズラしているわけだから、わが呪いの成就の日も遠くはない。