最低限の生活を保証するための生活保護制度の悪用が、頻繁に見受けられます。
制度がザルであったり、あるいは入れ知恵をする人がいるのかも知れません。
本来なら、生きていく上での最後の砦であるべき制度です。
しかし現実は、金の成る木や打出の小槌として利用されているようです。

参考↓『生活保護の通院費支給、書類不備80%・不適正6%…厚労省調査』
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080817-OYT1T00827.htm
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080817-00000053-yom-soci

(以下、記事を引用...)
生活保護受給者に支給される通院交通費を巡り、北海道滝川市の元暴力団員らが約2億円をだまし取った事件を受け、厚生労働省が月3万円以上の高額支給事例を対象に支給状況を調べたところ、領収書の記載漏れなど書類に不備があるケースが80%を超えていたことがわかった。
虚偽申請や水増し請求といった不正とみられるケースも6%余りあり、行政の支給事務のずさんさが浮き彫りになった。
調査は、今年1月の1か月間に、全国の自治体が支給したタクシー代などの通院交通費のうち、1人当たりの支給額が3万円以上のケースを対象に実施した。
その結果、対象となる約1100件のうち約900件で書類上の不備が判明。手書きのタクシーの領収書に乗車日が書かれていなかったり、医療機関が発行する通院証明書に通院日の記載がなかったりするなど、必要事項が記載されていない書類が審査をすり抜けているケースが目立った。また、本来、申請を受理した担当者はタクシー利用の必要性や料金の妥当性について検討しなければならないが、検討の記録が残っていないものも多かった。
タクシーの領収書が偽造されるなど、水増し請求などが疑われるケースや、医療機関以外を訪れた際の交通費を請求したとみられる不適正なケースも約70件あった。厚労省は、不正が確認できれば、自治体側に、刑事告発も含めた厳正な対応を求める方針だ。
通院交通費は、生活保護受給者が医療機関を受診する際、治療費とは別に支給される交通費。2006年度は延べ約130万人に43億円余が支給された。

これは、個々の申請に対してきちんと精査しなかった結果なのでしょう。
多少の不備がわかっていても、面倒なのでそのまま受理したのかも知れません。
何れにしても、これは行政側の怠慢であると思われます。

実際に1件1件を精査するのは、多大なる労力を要することになります。
それ自体にコストがかかり、支給額とのバランスを崩すこともあり得ます。
しかし、公平な給付を行うことは非常に大切なことです。
悪事をはたらく人は、バレなければ次も、という意識が自然に芽生えます。
それを積み重ねることで、巨額な不正受給を生み出してしまいます。

そもそも、生活保護の原資は我々が納めた税金で賄われています。
それを不正受給され、ザルのように流出しているのは許されることではありません。
すべての受給世帯を精査し、保護を受ける必要性を総点検していただきたいものです。
不正受給者は打ち切りに留まらず、罰則を科すなど厳しい措置を与えるべきです。

今のまま放置されていては「生活保護特権」と言われても仕方ないでしょう。
制度の趣旨に立ち返り、あるべき姿を取り戻す努力を是非ともお願いします。

関連する過去記事↓
『必要な人に支給されない生活保護』
『生活保護の実態について考えるべきこと』