ロスで実際にあった話 | 沖野修也オフィシャルブログ Powered by Ameba

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Kyoto Jazz Massive 沖野修也 Official Blog

もうそれは
10年以上前の事でしょうか?

KYOTO JAZZ MASSIVEのアメリカ・ツアーで
訪れたLAで
実際にあった話。

当時、
KYOTO JAZZ MASSIVEは
始動したばかりのCOMPSOT RECORDS USAの
積極的なプロモーションのお陰で
音楽誌
BILLBOADでも
特集記事として
1P全面で紹介されたんですよね。

それこそ
アルバム・タイトルじゃないけど
『日出る国のNEW JAZZ・・・』みたいなw。

余談になりますが、
同時期に
北米の某携帯会社から
CM出演のオファーもあり、
アメリカのエージェントから
「来週の火曜、LAかLONDONで撮影予定だけど
スケジュール空いてるか?」
と連絡が来たんです。

何でも
携帯が大好きな日本人
(アメリカではそう思われてると)で
兄弟DJで
二人ともサングラスに髭面で
ヨーロッパのレーベルからリリースしてて
(その携帯のCMは北米とヨーロッパで放映されるとか)
アメリカからデビューしたばかりの
KJMに白羽の矢が立ったと!

プロデューサーが
沖野兄弟しかいない!!

と超ノっていると・・・。

メールじゃないですよ、
彼、
興奮して国際電話かけて来ましたからね。

早速
弟のスケジュールを確認するも
(僕は空いていたので)、
なんだか不安げな様子・・・。

石橋を叩いて叩いて叩き落としてしまう程
物事には人一倍慎重な弟が
常に
暴走気味な兄に
一言こう言いました。

「変な恰好させられへん?」

そうですよね。
コンテ確認して、
何着せられるかとか
事前にチェックしないとダメですよね?
その後ですよね?
オファーを受けるかどうか決めるのは・・・。

早速、
エージェントに
国際電話で連絡を取りました。

「事前にコンテを見たいんだけど・・・」
と。

すると、
エージェントは
僕を遮るようにこう言ったのです。

「リッスン!シューヤ。
いいか、これはコンペなんだ、
競合相手が
無条件で引き受けるヤツだったら、
コンペに負けるだろ!!」

すかさず、僕は反論しました。

「でも、
プロデューサーの一押しなんでしょ、
僕達?」

エージェントは
本当に申し訳なさそうな口調で
こう言いました。

「確かにそうだけど、
クライアントは
イギリスのDJを推してるらしい・・・」

それで、
撮影がロンドンなんだ・・・。

それでも
エージェントは
僕に
コンテなんか要求するなと
説得を続けます。

「いいか、シューヤ。
アルバムが
アメリカでリリースされたばかりだろ?
最高のプロモーションになるじゃないか?
今、BILLBOADの記事の影響もあって
COMPOSTは注目を集めている。
JAZZANOVA、COOP、KJMの3組で
全米ツアーの話もあるんだ。
条件なんか付けないで
オファーは引き受けるべきだよ・・・」

僕はコンテのチェックを諦めつつも
念の為、エージェントに質問してみた。

「ちなみに
ギャラはお幾らなんでしょうか・・・」

沈黙。

あれ、また彼の機嫌を損ねたかな?
こいつ、コンテの件諦めたかと思ったら
ギャラでゴネようとしてるのか!
と呆れられてしまったのだろうか?

そうですよね、
コンテのチェックなんかありえないし、
ギャラなんて
言い値で
引き受けなければいけませんよね。
絶好のチャンスなんだから・・・。

僕が、
「判りました幾らでも問題ないです・・・」
と言おうとした寸前に
エージェントがこう言ったのです。





































































「2億円(200万ドル)」
































































僕は耳を疑いました。
そして、
200万円の間違いじゃないの?
と聞き直したんです。

エージェントは
もう一度
ゆっくりと
こう言いました。

「トゥー・ミリオン・ダラー」

そりゃ、
コンテのチェック要求しませんよね?

こうなったら
沖野兄弟が
忍者の恰好で
7インチを手裏剣のように
連投する役でも構いません。

弟には行くまで判らん!
とか適当な事を言って
無理矢理
LAかLONDONに
連れて行くしかありません。

直ちに
エージェントに
弟の許可なく全権委任!

そりゃ、
車何買おうかなーとか
考えましたよ。
黒のポルシェ、
白いジャガー、
黒のZ8、
白い117クーペ・・・。
全部買えるなと。

ところが!
次の日も
その次の日も
エージェントから連絡がありません。

撮影の
1週間前にオファーがあったのに
もう週末になってしまいます。
フライトの事もあるし、
チェックしないけどw、
契約書にも
サインしなきゃいけないだろうし・・・。

月曜日に
ようやくエージェントと
連絡が取れました。

「撮影はLA、それともLONDON?」

またも
高額な沈黙が・・・。

「シューヤ、済まない。
コンペで負けた・・・」

頭の中をポルシェやジャガーが
一斉に爆音で疾走して行きました・・・。

って、
これ全然、本題じゃないんです。
まだ、LAに行ってないですからね。

何か、
もうやり切った感あるなぁw。

で、
KYOTO JAZZ MASSIVEのアメリカ・ツアーで
訪れたLAでの話なんですけどね。

イベント終了後、
一人の日本人女性が
僕に話しかけてくれたんです。

その人
「沖野さーん、
今日沢山友達連れて来たんですよ!」


「ありがとう!
宣伝してくれたんですね」

その人
「そうですよ、
私のお陰ですよw。
皆沖野さんのファンなんです」


「そうなんですか?
みんな、サンキュー!」

10人位彼女の友達いましたかね?
性別も国籍も(おそらく)人種も違う
ミュージック・ラバー達。
異国に済む同胞が誘ってくれて
遊びに来てくれるなんて
ありがたい話です。

その人
「丁度日本に居たから、
KJMのアルバム、発売された日に
HMVの渋谷店で購入して・・・」


「そうだったんですね」

その人
「皆に私がコピーして
配ったんですからね!」


「はい?」

その人
「それで、
皆とっても気に入ってくれて・・・」


「今、何て言いました?」

その人
「私が沖野さんが
LAに来るって言ったら、
皆で行こう!って事になって・・・」


「えっと、それって、
いいような、あかんような・・・」


今振り返ってみると
これが
フリーミアム
ってヤツだったんでしょうかw?

音源はタダで
イベントは有料・・・

みたいな。

彼女は時代を
先取りしてたんでししょうか?
危うくキレる所でしたが、
怒らなくて良かったですねー。

で、
このブログで
僕は一体何を言いたかったのか?

お礼です。
売れる枚数が少なくなったとは言え
今もCDを買ってくれている
日本のファンへ
ありがとう!
と感謝の気持ちを伝えたい。

そして、
アナログ、
1万円でも買う!
と言ってくれた人達へも。

アメリカじゃ
CDショップはとっくにないですからね。

ちなみに、
日本じゃ、
CDを買ってくれた人に
イベント招待券とか
付けてますよね。
面白いですね。

ここで
またちょっと苦言を呈していいですか?
CDも買わないのに
イベントはゲストで・・・

とか勘弁して下さいよ。

僕、
どうやって生きていけばいいんですかw?

あぁ、あの時2億入ってたらなー。
今頃、
潤沢な予算確保して
どんどんレコーディングして
アナログも
切りまくってたのにな・・・。

いや、
車買いまくって
悦に入ってただけかも・・・。

また、
今日から頑張って働きます。