剱岳に登ってきました。
アルプス初挑戦です。
関東より西の山に登るのも初めてです。
岩フェチの自分としては、タテバイ・ヨコバイの別山尾根も気になりましたが、
『登山口からの標高差2240Mって、どんなモン?』 という興味と、
『試練と憧れ』、
このキャッチ・フレーズに参りました。
登山翌日の現在は、両太ももの筋肉痛で参っています。
5:00近くになっても、真っ暗なために焦ったが、ようやく東の空が薄らと明るくなってきた。
一週間前は、5時近くにになると明るい状態だったので、日の出の時刻がだいぶ遅くなって
いる。
登山口付近で準備をしている方に、登山口の場所を教えてもらいました。
もし、教えてもらわなかったら、登山口が何処だかわかりませんでした。
早朝の暗いうちに登山を開始する時は、前日の明るい時に登山口の位置を確認しておく
必要があると反省した。
ようやく完全に明るくなった。 登山口からは急登が続いている。
早月尾根は登山口から頂上までの標高差が2,240Mあり、先はまだまだ長い。
日帰り登山の予定なので、日が暮れるまでに下山できるかどうか心配しながら進む。
11時半頃までに頂上につければいいな・・・。
早月尾根では標高1,200Mから200M毎に、このようなプレートが設置してあり、現在の標高
を知る目安になります。
猫又山は白萩川を挟んで早月尾根と対峙している山で、しばらくは猫又山を見ながら進む。
それにしても、今日は体調がすぐれない。 足が重く、お腹がつっぱる感じで、背中や肩も
だるい。 寝起きで出発すると、こんな時がある。
30分~1時間半も歩くと、体調が良くなる時がほとんどなので、しばらくは我慢して進む。
こうして見ると、アルプスを登っている実感が湧いてこない。
持参の地図で位置を確認してみる。 予想よりも、かなり早いペースなのがわかった。
目標の11:30頃までには間に合いそうだ。
しかし、1,400Mの標識から1,600Mの標識までの経過時間が12分だったが、この標識って
本当にあってる?
このコースは急登がほとんどです。 水平距離約7kmで、2,240Mを登るから、急登が続くはずだ。
自分の過去に登った山に換算して考えてみる。
谷川岳の西黒尾根や白毛門は、水平距離3.5kmで標高差1,000Mを登る。
八海山の屏風道は、千本桧小屋までが水平距離3.3kmで標高差1,200Mを登る。
距離と標高差の割合がほぼ同じなので、これらのコースを2回分登る計算になるわけだ。
このあたりで、ようやく体調が良くなってきた。 足どりも軽くなり、とりあえずひと安心。
猫又山全体が大きく見える。 随分と標高が高くなってきたことを実感する。
標高2,000Mの標識を通過。 早月小屋までは、あと200M登るのか・・・。
広い湿原といった感じではなく、登山道の傍らにひっそりと存在する感じです。
足場が結構すべりやすいので、見た目よりも苦労する。
このロープ場の手前ですれ違った御夫婦から、『今日は11時頃にはガスってくるから、急いで
頂上に登った方がいいわよ』 と助言をいただきました。
また、直後にすれ違ったソロの方からも 『今日は珍しく暑いので、午後は必ず天気が崩れる
よ』 と教えていただきました。
ロープ場を過ぎて開けた高台にでると、早月小屋の姿が目に飛び込んできた。
本当はしばらく休憩する予定でしたが、『今日はガスってくるのが早い』 と先程教えていただ
いたので、横目で見ながら通過する。
多分、他の方もギョッとするのではないか、と思った。
ここから先、周囲は大展望になる。
室堂方面が良く見える。 アルペンムードたっぷりの景色になった。
猫又山、赤谷山方面の景色も、随分と高い位置から見渡せるようになった。
登山道の様子が変わり、周囲に岩が目立つようになってきた。
足元には小石がゴロゴロしており、乾燥している時は落石を起こしやすいので注意が必要。
このあたりから、少しづつ、足に疲労がたまりだした。
体力的に疲れるのはよくあるが、足にくる疲労は初めてです。
クークーと音がするので、横を見ると、ライチョウの鳴き声でした。
今日2羽目です。
1羽目は登山開始後すぐの時に、藪に走りこむのを見ましたが、その時は写真を撮る暇が
ありませんでした。
一般向けではないバリエーション・ルートです。
先程から少し頭痛がしている。 これは高山病だろうか・・・。
目の前に剱岳の岩壁が立ちはだかる。
ついに早月尾根の核心部、待ちに待った剱岳の岩場です。
本来岩場好きなので喜んで登りたいところだが、足に疲労が溜まっているので、思うように
進めない・・・。
"獅子頭" の岩棚から "カニのハサミ" へと続くトラバースを慎重に進む。
なんでもないトラバースかと思っていたが、実際に通ってみると、足元が浮石で崩れやすく
不安定な状態でした。
別山尾根のルートは、向こうから登ってくるわけだ・・・。
足元の草は、一部、紅葉して赤いものがありましたが、全体的にはまだまだと言った感じ。
ここで後ろを振り返ると、ものすごいスピードで岩場を登り、迫ってくる人がいる。
登山口付近で、登山口の場所を教えてくれた方だ。
見ていると、スピードが速いが、危ないところはなく、確実にしっかりと登ってくる。
自分よりも遥かに高年齢のように見えるが、技術、体力ともに全然上のように見える。
上を見上げる。 急な岩壁が続いており、ルートを間違えないように、しっかりと目印の白丸を
確認する。 こういった不安定な浮石の岩場は始めてなので、『これがアルプスの岩場か~』
と関心しながら進む。
社までも不安定な浮石の上を進みます。
そして富士山も。
写真中央の鞍部(針ノ木峠)の上に、薄ら見える台形の山、これが富士山です。
富士山が見えるのは、めったにないらしく、相当運が良いそうです。
この後、山頂直下の岩場をもの凄いスピードで登ってきた方(登山口を教えてくれた人)と
3人で、昼飯を食べながら話をしました。 登山口を教えてくれた方は、地元富山県在住で、
今年還暦とのことです。 自分と同じく登山を初めて3年目だそうですが、早月尾根は今回
で7回目だそうです。
写真は八ツ峰方面。
地平線沿いには、左から白馬岳~鑓ヶ岳~唐松岳~五龍岳~鹿島槍ヶ岳と連なる。
山頂で一緒だった、早月尾根日帰りの方は、本来、鹿島槍と五竜岳を縦走する予定だった
そうです。 向こう方面は天気予報が良くなかったので、予定変更で剱岳に登ったとのこと。
ここから見る限り、向こうも晴れみたいです。
眼下には、別山尾根のルートの "カニのタテバイ" を登る人達が見える。
(↑すいません。 カニのタテバイではなく、 "平蔵の頭" でした。)
別山尾根の "カニのタテバイ" や "カニのヨコバイ" は、 "カニのハサミ" とは比べ物になら
ない程の恐怖感があるらしい・・・。
登山時は逆光だったが、今頃の時間帯は真上からの日差なので良く見える。
それにしても、覚悟はしていたが、やはり下山道は長かった~。
登山開始時は真っ暗で存在すらも見えませんでしたが、下山時にようやく見ることができました。
この後、馬場島荘(写真の建物)で入浴し、疲れた足を揉みほぐしました。
富山の還暦の方は、明日は赤谷山に登るそうです。
剱岳のある富山県のハイカーは凄いです・・・。