甲斐駒ケ岳(黒戸尾根)に登ってきました。
黒戸尾根は、先週の剱岳(早月尾根)と並ぶアルプス屈指の急登コースです。
連チャンで登って比較したい、と思ったのがきっかけです。
甲斐駒ケ岳(黒戸尾根)と、剱岳(早月尾根)のデータを比較すると次のとおりです。
・剱岳(早月尾根):北アルプス
馬場島登山口 【標高760m】 剱岳頂上 【標高2,999m】 標高差 【2,239m】
登山口から頂上までの水平距離 【約7km】
・甲斐駒ケ岳(黒戸尾根):南アルプス
尾白渓谷駐車場 【標高770m】 甲斐駒ケ岳頂上 【標高2,967m】 標高差 【2,197m】
登山口から頂上までの水平距離 【約8.5km】
どちらも登山口から山頂までの標高差が大きいコースですが、実際に登ってみると
印象は全く違いました。 剱岳の早月尾根はコース上のほとんどが急登で、200M
毎に設置された標高表示のプレートを見ながら一直線に頂上を目指す単純明快な
コースです。
一方、甲斐駒ケ岳の黒戸尾根は、地形がかなり複雑で、登山道はジグザグで変化
に富んでおり、鎖場や梯子が数多く存在しました。 道中には石碑や祠等があり、
信仰の山の趣を感じます。
コースの急登度は早月尾根の方が上に感じましたが、黒戸尾根はダケカンバや
ミズナラ主体の広葉樹林が広がる穏やかな登山道で、次から次へと変化に富んだ
コースは大変素晴らしいものでした。
因みに、黒戸尾根は日本3大急登の1つです。 他の2つは以下のとおりです。
・烏帽子岳(ブナ立尾根)
ブナ立尾根登山口 【標高1080m】 烏帽子岳頂上 【標高2627m】 標高差 【1547m】
・谷川岳(西黒尾根)
土合駅標高 【標高663m】 谷川岳頂上【標高1963m】 標高差 【1300m】
尚、今回、体調は絶好調でしたが、屏風岩(七丈小屋の手前)で足を滑らして足の
筋肉を痛めてしまい、それ以降は痛みで思うように登ることができませんでした。
登山靴の底がツルツルだったのが原因です。
人間、調子が良い時は思わぬ落とし穴があるもので、日ごろの備品の管理とともに、
注意力が必要だと反省しました。 そんなわけで、山自体は大変素晴らしいもので
したが、山行としては本来の登りができず、悔しい思いをしました。
(一応、登頂はしましたが・・・)
リベンジの意味でも、是非再訪したいと強く思いました。
05:15 尾白渓谷駐車場。
先週の剱岳(早月尾根)と同じ出発時間となった。
竹宇駒ケ岳神社の前を過ぎる。
神社の前には吊り橋がかけられている。
吊り橋を渡って先に進む。
雑木林の急斜面をジグザグに登って行く。
先週に比べると、足取りが軽く、かなり体調が良いみたいだ。
体調が良い時に早く進むとバテることがあるので、スピードをセーブする。
先週の早月尾根で、ある程度ペース配分は掴んでいるので、あわてる必要なく進む。
笹の平から先は、八丁坂と呼ばれる急登が始まる。
八丁坂は標高差約250Mを登るそうです。
苔に覆われた巨石を見ながら進む。
登山道の傍らに再び石碑が現れる。
一面が苔に覆われていて、なかなかの赴きがある。
前屏風の頭を越えると突然展望が開け、"刃渡り" と呼ばれる両側が切れ落ちた鋭い岩場
が出現した。
写真は、鳳凰三山と富士山の方角。
ガスに覆われている。 山頂からの景色がちょっと心配に。
縦への急な登りが続く。
石碑や祠が安置されている。
再び広葉樹林帯の林の中を進む。 このあたりは木々の密度が非常に濃い。
"五合目小屋跡" は、横の登り坂に "下山道" の表示があり・・・、
梯子の傍らの岩壁には、無数の石碑が存在する。
ここから先が黒戸尾根で最も険しい岩場になります。
梯子が連続するのが、このコースの特徴のようです。
この後、鎖場なんかもでてきそう・・・。
今のところ、疲労感は全く無いので、少しペースを上げて進むことにしました。
ここも梯子が連続します。
この梯子を登った先で足を滑らし、ふくらはぎと、太ももの筋肉を痛めてしまいました。
かなりの激痛でしばらく動くことができませんでした。 肉離れのような痛みです。
ゆっくり歩く分なら問題無いが、急な登り坂等で少しでも足に力を入れると、激痛が走る
ようです。
こちらは、いただきませんでした。
写真のとおり、かなり広いテント場でした。
テント場は2段になっており、この上にも、テントを張れる場所がありました。
少しでも踏ん張ると痛むので、なるべく踏ん張らないように登っていく。
眼下には、ここまでの尾根道(多分?)が見える。
白い砂地の展望台で、鳳凰三山~八ヶ岳まで見渡せます。
しかし、足の痛みから、すぐに出発する気にはならない・・・。
ステップが彫ってある(?)ので、問題無く進む。
ここは太ももが大激痛。 本来なら一気に登りたいところだが、今日はそれどころではない。
太ももの痛みは限界を超えている。 一歩歩く度に激痛が走る。
下山は大丈夫なんだろうか?
鳳凰三山は雲海に飲み込まれようとしている。
簡単に昼食をとった後、足の状態を考慮して、早目に下山することにした。
登ってきた黒戸尾根方面へ向かう。
白い砂と白い雲海が印象的。
不思議なことに、山頂で休んでいる間に足の痛みは無くなってしまった。
あれ程の激痛が嘘のように消えている。
丁度、向かいから登山者が来たので、竹宇駒ケ岳神社へ下山する道を聞いてみた。
どうやら分岐点で進む方向を間違えたようだ。
道を教えてくれた方も竹宇駒ケ岳神社へ下山するそうなので、一緒に向かうことにした。
記載のない左に進むのが正解だったが、右の尾白沢渓谷と書かれた方面へ進んでしまっていた。
(ちなみに、上は駒ケ岳へ向かう登山道)
自分が間違えた方向の先には、いくつかの良い滝があるそうです。
足の痛みは全くない。 一安心だが、あの激痛はなんだったのだろう?
写真のように漬物類が沢山ついていて、美味しかったです。