矢倉 プロ実戦 屋敷伸之 対 羽生善治 (王位戦) | 将棋・序盤のStrategy ~ 矢倉 角換わり 横歩取り 相掛かり 中飛車 四間飛車 三間飛車 向かい飛車 相振り飛車 ~

将棋・序盤のStrategy ~ 矢倉 角換わり 横歩取り 相掛かり 中飛車 四間飛車 三間飛車 向かい飛車 相振り飛車 ~

オールラウンドプレイヤーを目指す序盤研究ブログです。最近は棋書 感想・レビューのコーナーで、棋書の評価付けもしています。

開始日時:2001/07/17
棋戦:王位戦
戦型:矢倉
持ち時間:8時間
場所:北海道根室市「道立北方四島交流センター」
先手:屋敷伸之
後手:羽生善治

*棋戦詳細:第42期王位戦七番勝負第1局
*「屋敷伸之七段」vs「羽生善治王位」
▲7六歩 △8四歩 ▲6八銀 △3四歩 ▲6六歩 △6二銀
▲5六歩 △5四歩 ▲4八銀 △4二銀 ▲5八金右 △3二金
▲6七金 △4一玉 ▲7七銀 △7四歩 ▲7九角 △6四歩
▲3六歩 △6三銀 ▲3五歩 △5二飛 ▲3四歩 △5五歩
▲5七銀 △5六歩 ▲同 金 △7三桂 ▲5八金 △5四銀
▲6七金 △6五歩 ▲6九玉 △6二飛 ▲6五歩 △同 桂
▲6六歩 △5七桂成 ▲同金引 △6五歩 ▲同 歩 △7五歩
▲同 歩 △6五飛 ▲6六金右 △4五飛 ▲4六角 △同 飛
▲同 歩 △6五歩 ▲7六金寄 △5五角 ▲4八飛 △6六銀
▲6八金 △5六角 ▲8一飛 △7一歩 ▲6二歩 △8九角成
▲6一歩成 △5六桂 ▲7一飛成 △7七銀成 ▲6二と △5一銀打
▲同 と △3一玉 ▲5二と △2二玉 ▲4二と △6八成銀
▲同 飛 △同桂成 ▲同 玉 △3八飛
まで76手で後手の勝ち




棋譜研究


19手目▲3六歩が工夫。

矢倉 5手目▲7七銀の超序盤戦術 では、

▲2六歩 △6三銀 ▲2五歩 △5二飛

と進め、先手が面白くないと書いた。

同じ2手なら3筋を伸ばした方が歩がぶつかり、

戦いを起こすには良いというのが屋敷の見立てだった。


21手目▲3五歩を△同 歩と応じると、

▲同 角 △5五歩 ▲同 歩 △同 角 ▲1八飛 △5二飛

▲6八玉 △7三桂 ▲5七銀 △2二角 ▲4六角

が私の想定手順。

△6五歩を防ぎつつ、次の▲3八飛を見せてどうなのだろうか?


しかし22手目△5二飛が面白い構想だった。

一歩損はするものの、駒の効率が良い。


先手は居玉が怖いので、

形を歪ませながらも何とか長期戦に持ち込もうとするが、

34手目△6二飛となっては私は持ちこたえる自信が無い。


以降も羽生流といったリードの広げ方が印象に残る。

44手目△6五飛や、52手目△5五角など、

実戦でこうしたフワッとした決め方は難しい。


結論としては、

やはり16手目△7四歩▲7九角と引くのは、

やや無理という事になるだろう。


矢倉中飛車に対しては、

居角で待ち受けるのがベターだと私は思っている。