“いいトイレの時間”を学ぼう、感じよう~大ナゴヤ大学チタキャンパス始動記念授業~前編 | 空想俳人日記

“いいトイレの時間”を学ぼう、感じよう~大ナゴヤ大学チタキャンパス始動記念授業~前編

石の上よりも便器の上に3年


 そう、「石の上にも3年」ならぬ「便器の上にも3年」、これから授業は始まった。私たちは、自らの生涯、人生80年の中で、この便器の上で暮らす3年をいかに考えているか。

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 そうして、世界のトイレが、日本のトイレが、有史始まって以来、いかに天国も作り、地獄も創ってきたか、そんな歴史を振り替えさせられる授業が展開されていったのだ。教室は、もちろん知多半島、常滑市のINAXライブミュージアムである。

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 トイレの歴史は2500年前に遡る。私たち人類は、世界4大文明を学んだ。しかし、そこで重要でありながら欠落していたのはトイレがいかに人間にとって時代を物語るものであるか、だ。
 トイレが造られた2500年前、まさに人類はトイレ天国を目指してあくなきチャレンジをしてきたか。にもかかわらず、ある時代から西洋では、うんこを不浄の物として目隠しをする。そうした中、一気に西洋では、トイレ暗黒時代に突入する。

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 山上先生の分かりやすいスライド資料とともに熱弁によって、聴衆は固唾を呑む。そこで光が・・・。それが日本のトイレ文化だ。日本のトイレは、ある時代(イイクニ作ろう鎌倉幕府)、重要な地位を築き始める。今でこそ、リサイクルの概念は当たり前になっているが、この時代から、農作物の肥やしとしてウンコは金にも劣らぬ価値のあるものとなるのだ。
 そうして、金のなる木ならぬ金を生むウンコのための重要な容れ物、それが日本のトイレであり、日本の便器なのだ。そうしたことから、日本はトイレが重要な生活空間にもなり、プライベート空間にもなっていく。
 そのあとの授業の流れは、省略させていただくが、そうした講義が進むにつれ、トイレで過ごすこと、あるいは「トイレの時間」というものに、生徒さんばかりかスタッフまでも、これまで語りたくても隠し通さねばならないと想ってきた闇の部分に光が当たり始めたのだ。

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 そんなトイレの歴史を、その後、私たちは、この目で目の当たりにすることになる。ライブミュージアムの辻館長のもとに、二班に別れ、歴史的検証を実物で確認することになる。タイル博物館の隣にある「窯のある広場・資料館」。そこで、染付古便器の数々を目に焼き付けながら、古便器の変遷を実感した。

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 そうして、午前の授業は終了した。一同は、昼食会場のピッツェリア「ラ・フォルナーチェ」へ。今回、この授業のために特別にあつらえられたスペシャルランチメニューである。そのラインナップを紹介するにとどめておき、昼食の様子や午後からのグループごとによるワークショップ、大団円の発表会については、後編に回したい。

 ミュージアム特別ランチ
○アンティパスト~常滑産たいらぎ貝とすずきのサラダ
○パスタ~日間賀島 真蛸のジェノバ風スパゲッティーニ
○ドルチェ~フォルナーチェのパティシエが作るドルチェ
○ドリンク~コーヒー・紅茶・オレンジジュース


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 テーブルに座り、ランチを供するみんなの会話には、すでにトイレが闇のものではなく、大いなる話題の中心になっていた。そして、その会話する人たちの目にも、輝く光が感じられた。

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 食事中にトイレの話をしていけない、などということはないのだ。食事の席こそ、むしろトイレ文化を語るにふさわしい場なのではないか、沿うまで思えてきたのだが。
 だが、見渡せば、中に沈思黙考されている方も見えたので、私にとっては、午後に向けての一抹の不安も入り混じった昼食でもあった。
後編につづく

“いいトイレの時間”を学ぼう、感じよう
“いいトイレの時間”を学ぼう、感じよう by (C)shisyun

授業詳細⇒ http://dai-nagoya.univnet.jp/subjects/detail/148

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