リオのパン | 足立区のパン屋さん 台東区のパン屋さん

足立区のパン屋さん 台東区のパン屋さん

フリーアナウンサー篠崎 菜穂子が、足立区、台東区など下町のパン屋さんを紹介します。

ベル2008年1月28日(水) 

ケーブルテレビ足立「トピため」でご紹介しました音譜


音譜まだ更新途中ですあせる


北千住駅から歩いて10分弱。細い路地を入ると・・・ん?ぬいぐるみ??
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大きなうさちゃんが道の真ん中にドカンと座っています。何だろう?と近づいていくと・・・
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そこに今回お邪魔した「リオのパン」さんがありました。裏にはキリンさんが。このぬいぐるみは路地を曲がっただけでお店がオープンしているかどうかわかるように目印として置いているそうです。
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そんな心遣いがお客さん、そして子供達に大人気。ちなみにこのぬいぐるみは定期的に変わるそうです^^


そんな「リオのパン」さんがオープンしたのは1996年のこと。ご主人のご自宅を改装して始めました。

ご主人の小野寺 良一(おのでら りょういち)さんは前職が「宝飾品の卸業」という異色の経歴の持ち主です。何でも三代目だったそうですよ。

それがなぜ突然パン屋さんに・・・??伺うと景気が悪くなったことから前職に不安を感じ、自然と転職を考えるようになったそうです。


元々パン好きだったご主人は、特に「レーズンブレッド」が大好きで、色々なお店のものを食べ歩いていたそうです。ところがなかなか自分の納得のいく美味しいブレッドが見つからない。そこでご主人は趣味で自宅でパンを焼き始めたそうです。独学で本などを頼りに焼き、友人達に配っていたました。

なので転職の際もいくつか職を考えましたが、自宅でできることずっと続けられる仕事、そしてパンが好きだったことからパン屋さんになることを決意したそうです。


そこで今度はパン屋さんとして修業をしなくてはいけない・・・以前「TVチャンピオン」を見て知った「かばのパン」さんが、通っていた英会話教室のすぐ近くにあることを知り、奥さまと2人で自身の焼いたパンを持って飛び込みでお願いしたそうです。そしてめでたく「かばのパン」さんで3ヶ月ほど修行。晴れてお店をオープンしました。


お店をオープンしたのはご主人が48歳の時だったというから驚きですよね。もちろん当初、奥さまやお母様は反対だったとか。自身も不安がなかったのか伺うと、「死に物狂いで頑張れば大丈夫だと思った。」と。

最初はご夫婦とも朝5時から深夜0時まで働き詰めだったそうです。言葉通り、本当に夢中でやっていたわけです。さらに試食品を焼いてご近所に配ったり、と積極的な姿勢が実を結び、オープン当社からお店は順調だったそうです。

そして今では年配の女性のお客様を中心に、常連さんがひっきりなしに訪れる人気店に。

ご主人のこんなユニークな経歴に注目が集まり、転職雑誌や「ぶらり途中下車」に出演したこともあります。


ちなみに店名の「リオ」はご主人のハワイの友人が「りょういち」と発音出来ずに「リオ」と呼んでいて、その友人が提案してくれた名前なのだそうです。ご主人、大のハワイ好きで20年以上、毎年訪れて趣味のテニスを楽しんでいたそうです。


現在、お店で働いているのはご主人と奥さまの澄子(すみこ)さん、そしてお母様の文江(ふみえ)さん、他、製造スタッフ3名、販売・調理に6名の方がいます。

しかも「かばのパン」さんと同じくすべて女性。やはり女性の方が忍耐強く、雰囲気も明るいので自然と女性だけが残っていったようです。85歳のお母様ももちろん現役。コロッケパンなどの調理パンを作っています。


「リオのパン」さんのコンセプトは「出来るだけ安い価格でおいしいパンを。」ということで、値上げはなるべくしないそうです。

しかも材料はご自身で納得いくものを使っているそうで、デニッシュやクッキーはすべてマーガリンではなくフレッシュバターを使用。

なるべく売れ残りを作らないように夕方以降には製造はせず、翌日でも美味しいパンは「お買い得袋」に入れて売っています。

さらに定休日の前日、月曜日は「10%割引」にし、パンを残さない工夫をしています。


またほとんどのパンにパン酵母(イースト)プラス天然酵母を入れています。4年くらい前から使用し始めたそうで、味が良くなり、醗酵の進みもスムーズになるそうです。「ルバンシュ」という乳酸菌の酵母だそうで、種を起こしてしばらくたってくるとヨーグルトのような酸味が出てきます。

こちらはその酵母を醗酵させる機械です。

パンの種類は100種類近くあり、新作パンは毎月2,3種類は出しているそうです。

人気があるのはやはり定番の「食パン」や「レーズンクッペ」。

ご主人のお勧めは大好きなデニッシュ系。「さつまいもデニッシュ」や「ハム&チーズデニッシュ」などがお勧めとか。隠れた人気パンは「山型食パン」や「デニッシュ食パン」だそうです。


また「リオのパン」さんでこんなラウンドが短くなったミニラウンド型を発見。リオのパンさんでも最近販売を始めたそうです。現在、売っているのは「レーズンカスタード」と「大納言ミニラウンド」(¥150)の2種類。これからどんどん種類を増やしていきたいそうです。

大納言ミニラウンド」は、調理パンの生地(並みのバターロール生地)の中に大納言をたっぷりと巻き込んだパンです。このミニラウンドの大きさがまたちょうどいいんですよね~。持ってみるとずっしり重い。割ったら中にはたっぷりの大納言が。ふわふわ柔らかいラウンド生地と大納言の優しい甘さがなんて合うのでしょう!気がついたら一個ペロリと・・・

ご主人お勧めの「ハムとクリームチーズ入デニッシュ」(¥130)はバターを織り込んだクロワッサン生地にkiriのクリームチーズハムをサンドして焼いたパン。サクサクホロホロッとした生地に、とろけるなめらか濃厚チーズとハムがメチャクチャ美味しい!想像を裏切らない、いや、想像以上のお味です。


ご主人は「前職では自分で品物を作ることが出来なかった。今は自分で好きなように作ることが出来るので、お客さんにも自信を持って直接お勧め出来ることが大きな違い。」とおっしゃいます。自分が食べておいしいと思うパンをずっと焼き続けたいそうです。

そして健康に気をつけて長生きをし、体力的にお店が難しくなったら、直接、地域の寝たきりの方やご高齢の方達に配達して、今までお世話になった恩返しをしたいそうです。


なんだかリオのパンさんが地域の皆さんに愛されている理由がわかったような気がしました。

これからも地域の方々と一緒に、美味しくてあったかいパン屋さんを続けて下さいね!

食パンリオのパン
住所 足立区千住中居町16-3
電話 03-3881-5150
営業日・時間 AM8:00~PM6:00 火・水曜休み