豊洲と豊中問題についての解説 | 進撃の庶民 ~反新自由主義・反グローバリズム

金曜日のsecretary-of-japan氏のコラムが、本日は臨時増刊です。

本人ブログで掲載したものに加筆いただいたものです!!!

人気ブログランキング

 


最近、政治関連のニュースで独占しているのが、豊洲と豊中の国有地問題ですが、最近になりまして、豊洲市場の地表には危険性があるという科学的根拠は全くないということが知られるようになりました。

 

元が瓦斯工場でしたから、最初に購入した時点では土壌に多少の問題点がありまして、東京都が800億円ほどかけて土壌改良を行い(なんせ豊中の土地の7000平方メートル弱とは桁が違い40万平方メートル強ありますから。)、そのうちの1割ばかりを売主である東京ガスに負担させたという話です。

 

東京ガスが1割しか負担しないのはけしからんといった話もありますが、売り主として当然に負担しなければならないのは、通常、その土地を利用するために必要な土壌改良の金額までであり、そこから先は買主がどれだけお金を掛けようと自由ですが、一方で、売り主が負担する性質のものではないので当然なのです。

 

ここら辺の話は、

「安倍総理は無能力者か?不正協力者か?」

でしておりますが、改めて解説しますと、問題となっている瑞穂の国記念小学校の建設地の隣地にほぼ同じくらいかやや広い土地がありまして、豊中市が14億2,000万円で購入し公園をつくりましたが、この際の土壌改良費用は、公園用途(子供たちが多く遊びまわるにも関わらず)の使用で環境対策の費用は2400万円しか掛かっていないのです。これは盛土を50㎝ほどするというもっとも一般的な方法で処理したためです。

 

ちなみに、この時の稿で、維新の木下智彦議員という衆議院議員が恥じるべき勘違いをしてしまっている話をしているのですが、今でも、この恥じるべき木下議員の話を信じてしまっている人がおられるようでしたから、改めて解説しておきたく思います。

 

木下議員が勘違いしてしまった恥じるべき話は、14億2000万円で買った豊中市の公園敷地は、2つの補助事業により合計14億円が支給され、実際は2000万円しか払っていないというものです。

 

この木下議員が勘違いしてしまった恥じるべき話で最初にでてくる「住宅市街地総合整備事業」の交付金は、事業額の2分の1が公共空間整備などを目的に公園を整備した場合、どの自治体がどういう場所を使って整備しても同じように国が補助してくれる事業です。よほど国から嫌がらせをされない限りは、どの自治体でも同じように貰うことができますから、豊中に7億1,000万円出るのも当たり前という性質のものです。

 

次に出てきた「地域活性化事業」ですが、これは緊急経済対策で行われた国の景気対策事業で、全体の事業額から、各都道府県に割り当て、それを更に都道府県が各市町村に割り当てたものです。人口10万人の市なら、5億円使えますよとか、人口30万人の市なら10億円使えますといった感じで割り当てた訳です。

 

この事業は、地域の活性化に繋がるという理屈が付きさえすれば、どんなことにでも活用できるものです。他の市では、システムの導入とか図書館の建設などなど様々な事業に利用されました。 先ほども述べたように、金額を大まかに各市町村に振り当て、この範囲で申請できると説明され、各市町村が喜んで利用した事業です。

 

豊中市は、この事業から6億9000万円を隣地の購入に使ったため、差し引き2000万円しか負担していないと木下議員が恥じるべきことに勘違いされたわけですが、もし、この土地が本当に価値がないなら、本来は違う目的で利用できた金額を豊中市は無駄遣いしたということになるのです。

 

仮に豊中の隣地が2億円とかで買えていたなら、1億円は公共空間整備でまかない、残る1億円を経済対策事業で賄ったとしたなら、地域活性化事業で、他に6億円ほど、地域の活性化につながるほかの事業をすることができていたのです。もしも、本当に2億円ほどの価値しか豊中市の公園敷地になかったのだとしたなら、豊中市の住民は監査請求を起こして、豊中市を通じて国に6億円分の事業実施機会の損失に対して損害を請求するべきという話になのです。

 

さて、法律を学び始めてすぐに「所有権とは、その所有しているものを焼いて食べようが煮て食べようが自由になる権利」と習いますが、例えば、所有する土地の地下を20mくらい掘り返して、その土をクリーニング屋に持っていってクリーニングしてもらい、埋め戻したいと所有権者が思い、そうするのも自由ですが、この費用を所有権者が前の持ち主に請求したならば、前の持ち主が飛び上がって驚くことでしょう。無論、裁判で前の所有者に対し、土地をクリーニング屋に持ち込み綺麗にしてもらった費用を払うよう請求しても、勝てる見込みはありません。

 

東京都の求める都民全員に安心と思ってもらえるであろう基準にまで豊洲を土壌改良したのは、現在の所有権者である東京都の自由ですし、さらに追加で土壌改良するのも東京都の自由ですが、東京ガスに支払いをお願いするというのは、筋がまったく違う話になります。また、東京都という性質上、東京都民に新たな土壌改良費用を東京都の税金から出していいという同意が必要になることでしょう。

 

豊中の問題は、このクリーニング費用を国が率先して割り引いたという問題です。


当初の豊中の土地の国の処理費用として算出したのが1億円ちょっとでした。豊洲の東京ガスが78億円負担したという報道がありますが、面積が約60倍ですから、当初の国の値引き額は東京ガスが負担したのと同じ程度だったといえるわけです。(そもそも、東京ガスによって瓦斯工場として使われてきた豊洲と豊中が同じ汚染度かという疑問がありますが。)

 

豊中では最初の1億あまりで表層の土3mの廃棄物を取り除いていると政府も説明していますが、この時点で、どう考えても通常の利用に、なお問題が残るはずがないのです。瑞穂の国記念小学校が、より清潔な環境を望むのなら、それは購入した人の自由ですし、例えば、土をすべて掘り起こして代わりに大理石を敷き詰めたいと、購入者が思い、実際に大理石を敷き詰めるのも自由ですが、それは無論、購入した側がやるべきことで売り主は一切関知しないで良い話です。

 

無論、この大理石を敷き詰める費用をざっと計算して、売った金額より高くなりそうだからと、ほぼ無料で提供するという売り主がいたなら、その売り主は、とんでもなくお人好しな方でしょう。私は是非お友達になって良い土地を売って(実際には貰うんですが。)いただきたいと思ってしまうのです。

 

ところが財務省が、これをやったのです。

 

多くの人の決裁を経る必要があり、慎重に、自分のペースで時間をかけて審議し、一般企業や一般人の思い通りに動いてくれることがほとんどないお役所が、こんなお人好しの売り主に突然変わるなんてことは、やはり、普通にはあり得ないと私を含めて多くの国民が思うのは当然でしょう。

 

この疑問には8億円の根拠を示されても、疑問の解決にはなりません。
「大理石を敷き詰めるのにいくらかかるのか」を提示されても、「クリーニング屋に頼んだ場合の見積り」をいくら提示されても意味がないのと同じ話です。

 

豊洲問題は小池知事が自分の名誉や選挙対策という利益のために東京ガスに「土壌をクリーニング屋に頼んで奇麗にする」費用まで出させようという話であり、豊中問題は、誰かの都合により「買主が大理石を敷き詰める費用まで国が払ってしまった。しかも大理石を買主は敷き詰めていない。」という話で、この二つの問題は一つの問題の裏と表の関係にあるのです。

 

小池知事が、改革を叫びながら自分の利益になるように事態を動かそうと横車を押して、豊中問題を捻じ曲げた誰かも改革だドリルだと言いながら、既得権益を破壊して出てきた利権を自分の周囲に配っているだけで、どっちも「改革利権にしがみついた利権屋」に過ぎないということを国民の多くが気づいたなら、この無意味な「W豊の土地洗浄問題」は関係した方々の辞表で終わる話しなのです。

 

「改革利権にしがみついた政治屋には即時辞職を!」

と思われた方は、↓クリックお願い致します!

 

人気ブログランキング