『人口減少社会での成長路線』 | 進撃の庶民 ~反新自由主義・反グローバリズム

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水曜日は、みぬさ よりかず氏による経世済民・建築論です!




経世済民・建築論『人口減少社会での成長路線』

安倍政権は突如として希望出生率なる珍妙な言葉を創生しました。その意味は結婚したい人9割に欲しい子供の数2人を掛けた数字だそうです。特殊合計出生率で無い点が変ですが、とにかく政府は50年後も日本の人口1億人を維持すると宣言しています。先ずは1億人という数字が胡散臭いと考えるべきです。

大東亜戦争中のスローガンで「進め1億火の玉だ!」というキャッチフレーズがありましたが、当時の日本民族は7千万人台であり、他は朝鮮人や台湾人が占めていました。日本の人口が1億を超えたのは今から40年程前の話です。安倍総理を筆頭に人口1億人というのは、政治家が好きな言葉の様です。

江戸時代の日本の総人口は3千万人程度だったのは良く知られています。当時はイギリスやフランスの人口も2千万人より少ないくらいでしたので、日本は当時から人口が大変多い国でした。そして現在の日本人口は、数百年前の日本のより1億人も多いのです。これでは「美しい国」の環境が破壊されるのも当然でしょう。

先ず問題なのは、日本が人口1億人を維持しなければならないという戦略が大変恣意的なモノであり「1億人ありき」では問題の本質を見失う事です。

次に確認したいのは、このような事態を招いたのは、日本政府が実に巧妙な人口抑制策を取って来た点です。象徴的なイベントは1974年に開催された「日本人口会議」です。ここでは驚く事に、これ以上、日本の人口を増やすべきではない!とし「子どもは2人まで」という趣旨の大会宣言を採択しました。

面白いのは、この会議のレポートを読むと当時の日本では毎年人口が130万人増加しており、アジアでは最も人口増加率が低いのにも拘らず、このままでは50年後、つまり2024年には人口が1億4千万人に達する!と、その通りなら大変喜ばしい数字を挙げて、人口を抑制すべき!と訴えている点です。

これを見た時に、国のシャッキンガーと大騒ぎしている財務省御用達の財政均衡主義者の顔が浮かびました。ドンドン政府の負債を増やせば良いのですが、緊縮財政で永久デフレを目指す連中を私は許せません。今の日本政府は、この酷い緊縮財政に飽き足らず更に消費税を増税して福祉を削ろうとしています。

人口統計に話を戻すと、人口が目出たく1億人を超えたのに人口過密社会に恐怖した日本政府は、事実上の「2人っ子政策」を掲げ人口形態が歪になるのを無視して、ひたすら少子化推進政策を取ったのです。結果、狙い通り、日本は少子化が進行し、人口減少社会となりました。だから本来、安倍総理は喜ばないと駄目なのです。

平均寿命が80歳程度で、新生児が100万人程度ですので、単純計算しても人口は将来8000万人程度に減るのは目に見えています。ただ、今のままの1.4程度の特殊合計出生率が続けば、西暦2500年には、日本人が絶滅するとの説もありますので、今と同じくらいの新生児が産まれる様な対策は必要でしょう。

少子化が進行した最大の要因は、保育園が少ないのではなく、非正規雇用などの増加で「男性の収入が減った」のと「晩婚化」の二つが最大の要因です。だから必要なのは真逆の「男性が輝く社会の実現」と「早婚化」です。男性が輝くには、移民禁止などの労働規制強化と、公共投資増などの積極財政です。

早婚化の推進には、長期戦略として学校での、性の新自由主義と呼んで良い、ジェンダー教育の見直しが先ず挙げられます。次には、実弾投入が必要でしょう。結婚減税、結婚ボーナス、見なし扶養控除など税還付制度を充実させるのです。結婚がお得な社会制度を整えれば我先に日本人は結婚する様になります。

まとめたいのは、日本政府は人口増加に恐怖して人口抑制政策を取り、望み通り人口減少社会となったのです。という事は、人口が減る事のメリットが有るとイメージしたからでしょう。受験戦争、交通渋滞、通勤ラッシュ、ウサギ小屋と揶揄された住宅事情、環境破壊、輸入に頼る食料やエネルギーなどです。

つまり、これらのイメージの行き着く先は「人口一人当たり豊かさを追求したい」という事に尽きます。日本の人口が仮に1%ずつ減っても、一人当たりの所得が3%ずつ増えれば2%の経済成長が確保出来ます。例えるなら、痩せたくて体重を減らしたのだから痩せた事を喜べば良いのです。本当に贅沢な悩みです。

ただ、もしからしたら、日本政府の中枢に、人口減少とそれを口実にした移民受け入れで、ロングスパンで日本民族を根絶やしにしようという、勢力がいるのかも知れません。政府中枢に跋扈する日本人を滅ぼしたいという強烈な日本に対する憎しみを持つグローバリストが、安倍総理でない事を祈ります。




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