伊坂幸太郎「オーデュボンの祈り」読みました | 親愛なる人に-読書の薦め

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オーデュボンの祈り(Amazon)
☆☆☆
2000年12月 346p 新潮社


伊坂幸太郎「オーデュボンの祈り」読みました。


伊藤は、目が疲れるというつまらない理由で会社を辞め、そしてふらふらっと、コンビニ強盗をするのですが、簡単に捕まってしまいます。


伊藤がとらえられたときの警官が、同級生の城山でした。彼は悪魔のような残忍な性格ですが、今は警官になって、自分の欲望を満たしています。


伊藤は連行中のパトカーが事故を起こし、逃げだし気絶していたところを、轟に助けられ、宮城県の沖合にある荻島に連れてこられます。その島は、明治になってからずーっと、外部との交流を絶っている言わば、鎖国をしている島でした。


伊藤は、日比野という男に島を案内されます。その島には、しゃべることができて、おまけに未来を予測できるカカシがいました!伊藤はそのカカシと親しくなります。しかし、ある晩、カカシがバラバラにされて殺されて?いたのでした。。。


一方、伊藤の元彼女、静香には、城山の魔の手が忍び寄るのでした。。。


ということで、伊坂幸太郎「オーデュボンの祈り」読みました。いささか奇妙な設定で面食らいますが、読み進むにつれて、妙なリアル感を持って、この世界を受け入れることができました。


また、城山の悪党ぶりは気分が悪くなります。こういう描写をさせたら上手ですね。。。


題名の「オーデュボン」は、リョウコウバトを見つけた1800年代のアメリカの動物学者の名です。これがどうして表題なのか、カカシが殺されたこととどう結びつくのか、「風が吹けば桶屋が儲かる」的な物語の連鎖は、実に伊坂幸太郎的です。「ゴールデンスランバー」 に通じるところを感じました。。。


追記
この小説は「第5回新潮ミステリー倶楽部賞」 を受賞しています。単行本の文末には選評が載っていて、なかなか面白かったです。文章は改良すべき点はあるが、妙に明るいとか、惹かれるという評が多かったです。2149


追記2

オーデュボン→オーデュポンと勘違いしていました。。。


追記3

コミック版もありました

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