不連続の世界
☆☆☆+
2008年7月 289p 幻冬舎
恩田陸「不連続の世界」読みました。
これは、「月の裏側」 で登場する音楽プロデューサー「多聞」が主人公の、連作短編です。著者も後書きで言っているように、旅情派短編集という感じでしょうか?多聞が、行く先々で、ふしぎな事件というより出来事に巻き込まれるというお話です。前作を読んでいなくても、全然大丈夫です。違和感なく本編の世界に入れます。ちょっと不思議な怖い気分を味わいたい方、読んでみてください。以下、覚え書きです。1049
木守り男「ポンツーン」2000年6月号・7月号
多聞は、東京の神田川の辺の木で、木の上に人がいるのを目撃します。でも、見えるのは一瞬でした。また、見る人によって、その人は、大人だったり、子供だったり、お年寄りだったり。ただの幻なのでしょうか・・・
悪魔を憐れむ歌「ポンツーン」2005年4月号・6月号
「セイレン」という歌手の歌声を聞くと、人は死にたくなるといいます。セイレンは、1曲だけ世に放ち、今は引退した模様。その音源を聞いた多聞は、花があふれる、彼女の故郷を訪ねていきます。そして、驚愕の事実を知るのでした。。。奈良が舞台です。
幻影キネマ「パピルス」8号・9号(2006.10・12)
保は、これから売り出そうとしているバンドグループのひとりです。彼の故郷でそのデビュープロモーションフィルムを撮ろうとしますが、保は故郷に帰るのを異常に嫌がります。多聞は保からその事情を聞き出します。すると、保は言うのでした「俺がこの町で映画の撮影現場を見ると、俺の周りの誰かが死ぬんです・・・」舞台は広島県の尾道です。
砂丘ピクニック「パピルス」15号~17号(2007.12~2008.4)
巴は翻訳者です。今訳している本の中で、鳥取砂丘のことを記されていますが、そこにおかしなことが書かれています。それは、砂丘がいきなり消えると言うことです。巴は多聞と鳥取砂丘を訪れ、推理するのでした。。。
夜明けのガスパール「パピルス」2号(2005.10)
多聞とその他3人、合計4人で、サンライズ瀬戸に乗り込み、夜行列車の中で、徹夜で怪談話をしようということになりました。それぞれ、怖い思い出話を話しますが、多聞は何気なく、一年以上会っていない外国人の奥さんの話をします。それが皆の興味をひくのでした。。。
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