村上春樹「ねじまき鳥クロニクル」第3部「鳥刺し男編」読みました | 親愛なる人に-読書の薦め

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読んだ本の感想などを、本屋さんで見かける推薦文のように綴ります・・・お薦め度合いは、☆の数で評価します。親愛なる本好きの人たちに,このブログを届けたいです.

ねじまき鳥クロニクル(第3部)

1995年 新潮社

☆☆☆☆
村上春樹「ねじまき鳥クロニクル」第3部「鳥刺し男編」読みました。


第1部 「泥棒かささぎ編」 はこちらです。

第2部「予言する鳥編」 はこちらです。


1984年7月から10月
主人公の岡田亨は、30歳の既婚子供なし、現在は失業中で、おまけに妻のクミコが突然いなくなりました。妻の兄、政治家である綿谷ノボルが現れ、妻は離婚したがっている、岡田に告げます。そして岡田は首つり屋敷の古井戸に閉じこめられた後、何とか地上に出てきたのですが、顔に青いあざが出来ていました。


岡田は、古井戸に入ることで、クミコを見つけるヒントがあると考え、古井戸に固執します。でも古井戸のある家は売りに出されようとしています。でも、岡田にはお金を儲ける術がありません。


そんななか、ある婦人ナツメグが彼の顔のあざをみて、仕事を手伝ってくれるように申し出があるのでした。それは、一風変わった仕事でした。。。


ということで、第3部「鳥刺し男編」、読みました。村上春樹の作品って、ストーリーを何だか説明しがたいですね。読んでいる無意識を楽しむというか、その過程を楽しむという作品という感じでしょうか。メイン以外のエピソードも書ききれないほどあります。3巻を読み終えた今、わけはわからないのですが、何か充足感があるというか、読み終えたという感慨があります。


実はこの作品を、村上春樹全作品1990-2000(5巻)で読みました。その巻末には村上春樹自身の作品解題が載っていました。(文庫本にも解説はないから、本人による解題は貴重!)。



それによると、ねじまき鳥クロニクルは、2部まで終えようと考えていたということでした。2部で終わったら話が何も終わっていませんね。村上春樹に曰く、この前までの作品と比べて、曖昧ではなく最後まで書ききった作品であり、その後の転機になった作品だと言っています。なるほど。でも、3巻読み終えてもやはり訳がわからない部分は一杯残ってはいますね。


最新ツールとしてパソコン通信が使われていたのは、何か時代を感じましたが、それ以外は古さを感じさせません。村上春樹の世界に長時間どっぷりつかりたいヒト、どうぞ読んでください。無意識が刺激されるとともに、細部が面白い作品です。Y278


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