村上宣寛 「心理テスト」はウソでした.受けたみんなが馬鹿を見た を読みました | 親愛なる人に-読書の薦め

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「心理テスト」はウソでした。 受けたみんなが馬鹿を見た/村上 宣寛
☆☆☆+
日経BP社2005年4月 226p
村上宣寛 「心理テスト」はウソでした.受けたみんなが馬鹿を見た を読みました.作者は富山大学の先生です.


現在の心理テストのようなものを,統計的手法などを駆使して根拠なしと,次々と切っていきます.読んでいて小気味いいです.いかに切られた心理テストをあげていきます.


第1章 なぜかみんなの好きなABO-血液型人間学
どっちにころんでもいいような回答をABOの解説文にしている.マスコミも,1985年に,TV番組で否定しておきながら,視聴率稼ぎのために懲りずに血液型人間学を扱っている.企業や教育関係者にこれらの診断を間に受けている人がいる.


第2章 万能心理テストその名は「バーナム効果
誰でも当たる設問を入れておき,回答用紙を全部同じにしても,人はこれらを当たっていると,勘違いする.


第3章 インクのシミで心を占うロールシャッハ・テスト
検査者でコロコロ変わる結果.テストを受けさせるにも時間がかかり数値化するのにも時間がかかる.ロールシャッハ・テストのみでわかるという事例もない.


第4章 定評のある性格テストは大丈夫か 谷田部ギルフォード性格検査
根拠がはっきりしない解釈なのに,いまだに就職の適正検査に使われることがある.


第5章 採用試験で多用される客観心理テスト 内田クレペリン検査

作業量とそのふれを評価するのだが,知能検査とは相関があり,簡易知能検査としては使える.だが,定型パタンを示す人が半分しかいない.



血液型人間学は,やはり占いのレベルだったのですね.また,数値を足していくクレペリン検査は何回か受けた覚えがあり,印象深いですが,それほどいろんなことがわかるわけではないのですね.なんかこの結果で,就職試験とか落とされたら気の毒かも.


たまにはこんな本を読んで,社会の常識を疑うのもいいかも知れません.