せたカフェ「第1回介護家族のための実践介護講座」 | ほっこり 知恵袋

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せたカフェ主催の「第1回介護家族のための実践介護講座」に参加しました。テーマは「認知症疾患医療について」東京都立松沢病院、認知症疾患医療センター長の新里先生のお話を聞かせて頂きました。
この講座の素晴らしい点は、認知症本人と家族が主体となっている点です。認知症家族会での疑問、現場で困っている事を専門家に質問して話をすることが主眼になっています。今回の講座では、予め家族会から頂いていた質問に新里先生が応える形式で進められました。大変分かりやすく、素晴らしい内容でした。私なりに気付いた事をまとめてみました。
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東京都立松沢病院は、平成24年4月に認知症疾患医療センターを開設したそうです。こちらでは、物忘れ外来もあり、家族相談も受け付けています。認知症が疑われる家族が、受診を拒む場合の相談にも応じています。地域連携もしているので、通院困難な場合は、訪問診療をしている病院へ紹介もしてくれるそうです。
また、専門医療福祉相談員による、認知症疾患医療センター相談窓口もあります。
「物忘れ家族教室」は、認知症本人、家族、関係機関スタッフを対象に、参加費無料であるそうです。是非、参加しましょう。
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1認知症の診断について
家族が本人に聞かれたくない話を医師へ相談する場合は、診察の始まる前に予めメモなどを渡してくれると良いそうです。本人が検査受けている時間などに、相談することができるそうです。
2医療者からの介護に説明
医療側からの詳しい説明は不足になっていることが現状らしいです。家族の心構えという点で、参考になる図書をご紹介頂きました。
本多賀洋子(著)「認知症介護に行き詰まる前に読む本」こちらの図書には、認知症対応の原則があるそうです。
①忘れていることを指摘しない。
②間違っていることを指摘しない。
③制止しない。「ダメ」と言わない。
④感謝する。「ありがとう。」という。など。認知症の人と上手く付き合うための方法をご自身に体験から見出したそうです。大変興味深かったので、早速本の注文をしてしまいました。ニコニコ
3通院について
ひらめき電球初診時のかかり方
①いつ頃から症状が出て来たのか?
②物忘れなのか、それともそれ以外の行動なのか?
③過去にMRIなどをとっていたら、その画像のコピーを持参してほしい。(脳の萎縮などの進行速度の参考になる。)
④生活障害はあるか?

ひらめき電球再診時のかかり方
前回から今回までの受診の変化
(何がどのように変化したか、時系列でわかると経過をしることができる。)

4認知症治療薬について
コリンエステラーゼ阻害薬
①アリセプト(1日1回内服)
レビー小体型での適応もあり。
半減期は76~89時間。
②レミノール(1日2回内服)
ニコチン受容体に感受性を増強する作用
アセチルコリン量を増やす作用
半減期は8~9時間。
③リバスタッチパッチ(1日1回貼付)
アセチルコリンエステラーゼ阻害作用
ブチリルコリンエステラーゼ阻害作用
半減期は3時間。
脳神経NMDA受容体阻害薬
メマリー (1日1回内服)
アルツハイマーが進行し、脳神経伝達物質、グルタミン酸が過剰になると、細胞内のCaイオンが過剰になり、神経細胞障害を起こす。NMDA受容体(記憶や学習に関わる海馬に分布している)が過剰に活性化している状態になる。このCaイオンを抑える働きをすることで、焦燥感、イライラ、攻撃性を抑えることができる。
半減期は55~71時間。

ひらめき電球作用機序の違う2種類の薬、コリンエステラーゼ阻害薬とNMDA受容体阻害薬を併用することができる。アリセプトとメマリーは半減期が長いので、1日飲み忘れても問題はないそうだ。ただし、半減期短いレミノールやリバスタッチパッチは注意が必要になる。

脳血管性認知症の治療薬
グラマリール
ドーパミンの作用を抑える。(向精神薬)

メモまとめ
認知症が疑われた場合、家族が病院へ連れて行くまではとても苦労されるそうです。本人に拒絶が大きいと尚更です。そのような時は、家族向けの相談窓口へ行かれるとよいでしょう。地域包括支援センターでも相談員がいます。家族が悩みを抱え込まないようにすることが、認知症治療の一歩かも知れません。家族会へも積極的に出てみましょう。せたカフェでの取り組みは、認知症本人と家族を主体にしています。現場の悩みを、様々な職種が集まって知恵を出しあう場になっています。介護職の専門スタッフも充実しているので、良きアドバイスをいただけます。医療側と介護現場、そして本人、家族がひとつの円のようにつながるきっかけになるとよいですね。
今後も是非参加させて頂きますし、協力させて頂きます。m(_ _)m